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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Liverpool】レッズの勝ちパターンを破壊したガナーズ、5分で3発の大逆転劇…結局3-3!

ヴェンゲル監督は、大事なリヴァプール戦も4バックです。プレミアリーグ19節、アーセナルVSリヴァプール。3節のアンフィールドでは4-0でレッズ圧勝。直近のプレミアリーグ3試合で1度も2ゴール以上がないガナーズですが、指揮官は守備を評価しているのか、あるいは夏の嫌な記憶を払拭したかったのか。チェフの前にはベジェリン、コシールニー、モンレアルと20歳のメートランド=ナイルズ。ジャカとウィルシャーが2センター、エジル、イオビ、アレクシス・サンチェスが2列め。最前線はもちろんラカゼットです。プレミアリーグ9戦負けなしを続けているクロップ監督は、現在のベストメンバーをチョイスしています。GKミニョレ、DFはジョー・ゴメス、デヤン・ロブレン、クラヴァン、ロバートソン。ヘンダーソン、エムレ・ジャン、コウチーニョの3センターに、マネ、サラー、フィルミーノの強力3トップです。

開始4分、左から中を窺ったアレクシス・サンチェスが最初のシュートを放つと、こぼれ球をラカゼットが拾ってボックスの外にいたジャカがダイレクトショット。ゴール前の渋滞に引っかかったものの、悪くないアタックです。中盤のせめぎ合いが続いた9分、レッズにアクシデント。ハムストリングを気にしているヘンダーソンはプレイを続行できず、クロップ監督は早々にミルナーの投入を余儀なくされます。14分、右にまわったコウチーニョがスルーパスでサラーを走らせると、リターンを受けた10番が珍しい左足ミドル。1分後に左サイドを突破したロバートソンのアーリークロスは、コシールニーがカットして事なきをえました。

敵陣でボールを奪取するシーンが多いレッズに対して、パスミスが目立つガナーズは前線にボールが届きません。22分、ロバートソンの高速クロスにファーのフィルミーノがフリーでしたが、ニアポスト際を狙ったヘディングはチェフがセーブ。サラーのタッチミスを拾ったアレクシス・サンチェスは、ラカゼットとのワンツーでゴール前に迫るもミニョレが先着します。24分にコウチーニョが入れたゴールに向かうクロスは、フィルミーノがメートランド=ナイルズのマークを外してヘディングで叩きつけますが、ボールは左のポストすれすれを抜けていきました。

レッズペースの26分、先制ゴールはベテランが仕掛けた見事なカウンターからでした。ミルナーが縦パスでサラーを走らせ、味方の上がりを待ったサラーのラストパスがコシールニーの足で跳ね上がると、ハーフラインからスプリントしてきたコウチーニョのヘッドがチェフの頭上を越えてネットを揺らしました。アーセナルの反撃はレッズの最終ラインを崩せず、チャンスが多いのは相変わらずアウェイチームです。32分、マネのパスを左でもらって切り返したフィルミーノは、ドライブをかけたシュートでゴール右上を狙いますが、思惑よりも50センチほど浮いてしまいました。

44分、縦パスに対応したコシールニーがスリップし、拾ったサラーがチェフと1対1になりますが、右脇を狙われた守護神が体に当てると、リバウンドを叩いたマネのバイシクルはクロスバーの上。マネが左から仕掛け、空いていたサラーにラストパスが通った決定機は、プレミアリーグ14ゴールのエースが力んで空振りしてしまいます。前半は0-1、ブーイングのエミレーツ、サラーは浮かない顔。再三ビッグチャンスをつかんでいたレッズにとっては、3点差で終わりたかった45分でした。足首を痛めたモンレアルがハーフタイムで退き、ムスタフィが入って4バック続行です。

48分、サラーとマネで仕掛けたカウンターは、ボックスの入り口から放ったサラーの右足シュートをチェフがセーブ。52分の追加点は、サラーのパスを右サイドで受けたフィルミーノが中央に返したパスが秀逸でした。中央から上がり、ムスタフィと対峙したサラーがインサイドで左隅を狙うと、DFにヒットしてポストの脇に浮いたボールにチェフは届きませんでした。

このゴールは、ホームチームを覚醒させるスイッチだったのか。不甲斐ないサッカーを続けていたガナーズが、突然ギアをチェンジしてレッズのゴールに襲いかかります。53分、ベジェリンのクロスをヘディングで叩いたのはジョー・ゴメスの前に入ったアレクシス・サンチェス。3分後にジャカのとんでもない無回転シュートがミニョレの手を弾いてネットに刺さると、さらに2分後にはラカゼットのヒールパスでミニョレの前に躍り出たエジルが巧みにGKの脇を抜きます。4分40秒の大逆転劇!攻勢を強めるガナーズに対して、オレンジのアウェイシャツは62分に決定機をつかみます。左サイドのコウチーニョがアウトにかけてファーに出した絶品クロス。フリーのマネの右足シュートは、チェフが体を張ってストップしました。オープンな展開になったゲームは、3-2ならまだわかりません。

レッズが追いついたのは71分でした。サラー、エムレ・ジャンとつながったボールが前線で一瞬空いたフィルミーノに通ると、左足の強烈なシュートにチェフは触るのが精一杯。浮いたボールは枠に吸い込まれ、20分前には想像できなかった3-3です。78分、エジルのパスからボックス右を突破したベジェリンのシュートは、ミニョレがセーブ。イオビをウェルベックに代えたヴェンゲル監督の目標は、当然勝ち点3です。残り10分、クロップ監督はマネをワイナルドゥムにチェンジ。チャンスボールを外す姿が目立つようになったマネは、プレミアリーグ4節以降は9戦1ゴールと停滞しています。

84分、ブーイングのなか、コウチーニョに代わってチェンバレンが登場。89分、ワイナルドゥムとサラーでゴールに迫った2対5のカウンターは、サラーのシュートがニアに外れました。アレクシス・サンチェスが下がり、最後にピッチに入ったのはウォルコット。追加タイムは静かに流れ、7本めのシュートを見ることはできませんでした。痛み分けの3-3。自分たちのペースで試合を進めていたレッズは、ベジェリンのクロス1発で最終ラインが浮足立ちました。アーセナルを凄いと思ったのは、0-2とされた30秒後に右サイドでヒールパスを連発していたことです。余裕と自信さえ失わなければ、プレミアリーグで2番めを争う攻撃力があることをあらためて示してくれました。

最高の時間を過ごしていたレッズは、前半のうちにサラーが0-2にしていれば…いや、0-2でも0-3でも、相手が捨て身の攻勢に出てきたときに冷静に対処できなければ、セヴィージャ戦や今日のようなおもしろい試合を繰り返してしまうでしょう。悪くいえば、守備に課題を抱えたチーム同士の泥試合。よくいえば両者の持ち味が十全に出たスリリングな好勝負。終わった後、興奮と爽快感がさめやらなかったのはジャカの1発のせいかもしれません。凄かったですね、あれは…。

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“【Arsenal×Liverpool】レッズの勝ちパターンを破壊したガナーズ、5分で3発の大逆転劇…結局3-3!” への10件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    喧嘩上等みたいな両チームで、この2チームが当たれば必然的にドンフライ対高山みたいな殴り合いが観れるから第三者からしたら面白いね。

    レッズ対チェルシーも4対4の乱打戦が続いて興奮した時期があったけど、やっぱり点の取り合いみたいなサッカーの方が睡眠を犠牲にして観る価値がある。
    今の時代失点が少なくないとタイトルは取れないけど、こういうハラハラする攻撃的なチームがタイトル取ってほしいな。
    シティはちょっと別格すぎるけど

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    リバプールはGKとCBを補強禁止でもくらっているのか?笑
    そうじゃないとファンでも説明不可能なレベルです。彼らのお陰でいくらポイントを落としたか考えるだけで腹立たしいですが、今の陣容でいけると判断したクロップにはもっと憤慨です。
    ホントにうんざりするし、もう二度と見たくないくらいなのでいい加減補強してほしい

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    レッズはいつになったらミニョレよりいいキーパーを獲得するんでしょうね。
    他のビッグ6のチームのキーパーでジャカのシュート止めれないキーパーいないと思うんですけど。
    見てて面白い試合でしたが同時にこの2チームじゃどうあがいてもタイトルは取れないなと感じる試合でもありました。

  4. グニャ より:

    ナイルズは素晴らしいパフォーマンスでした。
    彼を数試合起用したのは、この日のためだったのかもしれません。
    ただ、一対一は良いものの、オフザボールで置いてかれる所があったのでそこは課題ですね。
    今後の躍進に期待できそうです。

  5. makoto より:

    素晴らしいゴール3連発で最高の逆転劇、アーセナルはたまにこれがあるから
    やめられないと思ってたのに…失点は不運な面もありましたが、ガナサポとしては本当に悔しいドローです。

    —–
    プレミアリーグ大好き!さん>
    同感です。あの年のスアレス・アンド・スタリッジには優勝してほしかったです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そんなに酷評するほど、今日のCBはひどかったですかね?アーセナルにゴール前に釘付けにされたマンチェスター・ユナイテッドの試合を観ていた者としては、CBばかりを責めるような内容ではなかったと思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    止めてほしかったというお気持ちはわかりますが、あれは結構難しいボールだったのではないかと思います。

    グニャさん>
    もうひとつ前で機能してほしい選手ではありますが、今後が楽しみですね。

    麦茶さん>
    勝てる流れに持ち込んでいただけに、コシールニーがフィルミーノを離してしまったあの一瞬が悔やまれますね。

  6. This boy より:

    リバプール、アーセナル両チームの良い所と悪い所を詰め込んだ欲張りな試合でしたね。見ている分には面白いのですが、ここ十数年のリーグウィナーに赤いチームが1つしかない理由がはっきりわかりますね。笑
    ジョーゴメスのあの守備が無ければ…と悔やまれる試合ではありましたが、アタッカー陣がワールドクラスであることはもはや明白です。冬の補強も1枚や2枚はあるでしょう。この過密日程を選手たちには怪我なく乗り越えて欲しいです。
    ミニョレには気持ちを切り替えてもらいたいですね。あのシュートはデヘアでもなければアンストッパブルでした。

  7. タムコップ より:

    CL04〜05のミラン戦で見せたリヴァプールの「奇跡の6分間」を逆にトレースされたような内容でしたが笑、3点取られたら4点取るというある種ヒステリックな試合がリヴァプールには似合ってしまうんですよね。
    ここ数シーズンの対ガナーズ戦での両チームの得点数は現代フットボールの中でも群を抜いてますが、
    「短所よりも長所」
    を生み出せる組み合わせなんでしょうね。
    もちろんレッズに勝って欲しかったわけですが、こういうどつき合いは大歓迎でもあります。

    ミルナーの素晴らしいフィードからの1点目、フィルミーノからのサラーへのパス→絶妙なコントロールショットの2点目、どちらも素晴らしかったですが、管理人さんの言う通り、ジャカのとんでもシュートでかき消されてしまいました…。
    あれは、キーパーがデヘアでもミッション・インポッシブルだったと思いますよ。
    何はともあれ血圧が上がりまくった試合でした!

  8. Motsuki909 より:

    上の方が仰っているように、ジャカのシュートは止めて欲しかった互いのものです。確かに無回転ではありましたが、あの距離からのシュートをワンハンドで止めに行くべきシーンではなかった。しっかり構えて両手で壁を作れば防げた気がします。キャッチまでを求めるのは酷かと思いますが、弾き出すのは可能性だったような。

    試合結果としては、フィルミーノが気持ちで押し込んでくれたお陰で負けずに済みました。マージーサイドダービーと同じく、前半に決め切れなかったツケを払わされたと感じています。サラーとコウチーニョのゴールも見事でしたが。マネは心配です。CBについては酷評される程ではなかったかと。サンチェスのゴールシーンはゴメスの対応に難があったとは思います。

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    いやいや笑
    まともなGKならあれは両手で弾かないとダメでしょ。デヘアとミニョレが逆だったら順位もそのまま逆だよ

  10. いやー・・・ より:

    Saves per goal in PL:

    Pope (Burnley) – 5.63
    De Gea (Man United) – 5.08
    Ryan (Brighton) – 2.65
    Fabianski (Swansea) – 2.54
    Courtois (Chelsea) – 2.50
    Ederson (Man City) – 2.50
    Foster (West Brom) – 2.46
    Speroni (Palace) – 2.10

    Simon Mignolet: 1.10. The lowest in the Premier League.

    なんともはや

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