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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Stoke】さすがストークキラー!チェルシーの5発圧勝にみる周到なコンテ・マネジメント!

あけましておめでとうございます。チェルシーサポーターのみなさま、圧勝したストーク戦のレポートが遅くなり、すみませんでした。プレミアリーグのTOP6のゲームが同時刻開催となったときは、マンチェスター・ユナイテッド、ビッグマッチ、波乱が起こりそうな試合の順に観ますので、11月以降はハマーズ戦以外に失敗がないチェルシーが後まわしになってしまうことが増えています。守備が不安定なストーク相手に昨季プレミアリーグ王者がスタンフォード・ブリッジで負けるわけがないと確信していたのですが、5-0の大差は想像以上でした。

マルコス・アロンソ、アスピリクエタ、ヴィクター・モーゼス、カンテ、バカヨコ、アザールが出づっぱりのチェルシーは、年明けのプレミアリーグ22節がエミレーツでのビッグロンドンダービー。リーグカップのセミファイナルもアーセナルと戦うことが決まっており、宿敵との対決に向けて主力を休ませたいところです。コンテ監督のスタメンには、アザール、バカヨコ、クリステンセンの名前がありませんでした。GKクルトワ、3バックはアスピリクエタ、ケーヒル、リュディガー。WBにヴィクター・モーゼスとマルコス・アロンソが入り、センターにはカンテとドリンクウォーターのレスター優勝コンビ。最前線はモラタ、ペドロ、ウィリアンという布陣です。

3分、チェルシーがあっさり先制ゴールを決めました。右サイドからのFKのキッカーはウィリアン。中央で頭ひとつ出たリュディガーのヘディングは完璧でした。左隅に刺さったシュートに、GKバトランドはノーチャンス。さらに9分、スタンドの打てという声に応えるかのように、ドリンクウォーターが右隅にコントロールショットを叩き込みました。虚を突かれたバトランドは棒立ち。このチームの2-0はセーフティリードです。開幕前は、チャロバーやロフタス=チークがいるのになぜ彼を獲ったのかと疑問に思いましたが、正確なロングフィードやミドルシュートを見せつけられると黙らざるをえません。チェルシー入団以来、プレミアリーグの先発出場は3回めとなるセントラルMFは、これが移籍後初ゴールです。

14分、ウィリアンのスルーパスを右に流れて受けたモラタがゴール前に突進。バトランドの脇を抜こうとしたシュートは、足でブロックされてしまいました。23分、決定的な3点めはペドロ・ロドリゲス。ウィリアンが横に流したパスをボックス手前やや右で受け、タイモンを軽くかわしてクロスに決めた一撃は、自信がある選手にしか打てない素晴らしいシュートでした。チェルシーのチャンスメイクは、後方から入った高速フィードを少人数でフィニッシュまで持ち込む形が多く、プレミアリーグ2試合めの18歳DFタイモンにはこの初スタメンは荷が重かったかもしれません。試合の興味はチェルシーが勝つかではなく、何点獲るかにシフトしています。

35分にピッチに横たわったリュディガーは、無事だったようです。38分、後方からのパスを受けて左隅に決めたディウフは、トラップの際にハンド。前半終了間際にマルコス・アロンソが1発で前線に通したロングフィードもまた、このチームのオプションです。3-0で折り返した後半は、当然のようなチェルシーペース。今季6ゴールの相思相愛ホットライン、アスピリクエタ×モラタは今後もフィニッシュのひとつの形として機能するのでしょう。この日はアスピリクエタのクロスが届かず、決まらなかったものの右からの速いボールには要注意です。

50分にクルトワと1対1になったベラヒーノは、ファーを狙ったシュートを止められてしまいました。2014-15シーズンに14ゴールを決めたストライカーは、その後の2シーズンでわずか4ゴール。今季プレミアリーグでは未だゴールがなく、長い眠りからの覚め方を模索しています。56分、マルコス・アロンソがニアに折り返したボールをペドロがダイレクトで叩くと、アウトにかかったボールは左ポストの外。スタンフォード・ブリッジはのどかな空気に支配されており、好プレイに対する拍手がいつも以上にクリアに聞こえます。

60分、縦パスをウィリアンがヒールで流すと、最終ラインを破ったモラタがゴール前に快走。この日2本めのバトランドとの1対1もストップされ、どうやら「not his day」のようです。ウィリアンとモラタも相性抜群。縦パスが入った後の迷いがない崩し方に、コンテ監督が戦術的な練習を相当重ねているのが見て取れます。73分、チェルシーの4点めは、引っかけられたウィリアンが自ら決めたPK。88分にはロングボールに対応したタイモンのクリアを拾ったザッパコスタが、中に持ち込んで左足を振り抜き5-0として、クラブのプロモーションビデオのようなゴールショーを締めくくりました。

BET365スタジアムでも0-4で圧勝している「ストークキラー」の面目躍如。ヴィクター・モーゼス、カンテ、モラタを次々と下げ、バチュアイやザッパコスタのコンディションを上げにいった交代策もよかったのではないでしょうか。ターンオーバー、縦パスをキーにした直線的なアタック、先々の起用を見据えたサブの選手の活かし方など周到なコンテ・マネジメントを堪能させていただきました。プレミアリーグ首位チームに負傷者が続出し、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルが調子を落としているなか、コンテ監督とクロップ監督が後半戦をおもしろくしてくれる2トップになるのではないかと注目しています。ペドロ、ウィリアン、素晴らしい!

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“【Chelsea×Stoke】さすがストークキラー!チェルシーの5発圧勝にみる周到なコンテ・マネジメント!” への5件のフィードバック

  1. スーパーフランク より:

    明けましておめでとうございます
    更新お疲れ様でした。

    アザール完全温存かつ、カンテら代えが効かない選手も早めに休ませれたのはビッグロンドンダービーに向けて大きな収穫ですね。
    ここ2試合は3バックの真ん中にケーヒルが入ってますが、思ったよりも安定していて安心しました。
    マンUファンのmakotoさんには申し訳ないですが、このまま2位をキープしてほしいです。
    後はグラノフスカヤさんが左WBとCFの獲得に重い腰を上げてくれるかどうか…。

  2. ひじき より:

    いつも見させて頂いています。

    チェルシーファンですが、主さんの文章は忌憚なく、フラットな目線で、とても面白く、勉強になります。このブログの影響で、チェルシーだけでなく色々なプレミアの試合を見るようになりました。今年も面白いレポートを期待しております!

    ストーク戦はリュディガーと飲料水の先制点でもう試合が終わってしまったような所ありますが、特にウィリアンの最近の調子の良さは本当に頼もしいです。10月ごろ?辺りはとにかくロストマシーンでしたから。。。最近は自分で強引に行って危険な奪われ方をする場面も減りました。今後も彼には暴れて欲しいです。

  3. ビッグサムファン より:

    コンテは流石ですね。この人の凄いところはチームを立て直す術を熟知しているところだと改めて感じました。ユーベ、チェルシーを完璧に立て直したのはもちろんですが、些細な綻びすらも1〜2週間で修復する手腕は流石の一言です。もちろん当時のチーム状況も多分に影響しますが、ペップがキャリアでダブルを食らった初めての監督がこの人なのは納得出来るなと改めて感じるここ数週間です

  4. nor より:

    あけましておめでとうございます。今年も楽しみに読ませていただきます。
    最近、疲労からかカンテのパスミスが多いような気がしてるのですが、ドリンクウォーターの積極的な攻撃参加など明るい材料も出てきましたね。多少回復条件の多いアーセナル戦はどういう布陣で挑むのか。年末にやっとシティ止まった&負傷だったので、無理は承知で奇跡の大逆転に期待しています。

  5. makoto より:

    スーパーフランクさん>
    コンテさんはリーグ戦の戦い方がうまいですね。選手を思い通りに使えるので、圧勝は大事と思って観ていました。ペップを思い出しながら。

    ひじきさん>
    ありがとうございます。最近のウィリアン、いいですよね。CLのキーマンになる予感がします。

    ビッグサムファンさん>
    同感です。完璧主義者で、選手と揉めることも一定あるのでしょうが、ピッチの上ではきちんと課題を修正してきます。素晴らしいです。

    norさん>
    ドリンクウォーターの好プレイはチームにとって大きいですね。2月までにカンテをうまく休ませていただき、満を持してのCL勝利が観たいです。

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