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【Bournemouth×Arsenal】戦術が不明確だったアーセナルは、プレミアリーグ16位に逆転負け!

コシールニー、モンレアル、アレクシス・サンチェス、エジル。攻守の要を欠いたチームは、昨季の得点力を取戻しつつある曲者から勝ち点3を奪えるでしょうか。プレミアリーグ23節、ボーンマスVSアーセナル。ヴェンゲル監督が選んだ11人は、格下と戦うヨーロッパリーグや国内カップのような顔ぶれです。GKチェフ、DFホールディング、ムスタフィ、チャンバース。WBにベジェリンとメートランド=ナイルズが入り、セントラルMFにジャカとジャック・ウィルシャー。前線はイオビ、ウェルベック、ラカゼットです。ライアン・フレイザーとカラム・ウィルソンが好調のボーンマスにとっては、ガナーズより4日も多い中1週間で臨むゲーム。前節までプレミアリーグ16位とはいえ、楽に勝てる相手ではなさそうです。

3分、ダニエルズが高く上げたクロスがファーサイドに通り、中央に持ち込んだアダム・スミスが左足を振り抜くと、惜しくも右にアウト。スルーパスで前線に飛び出したベジェリンはクロスを味方に合わせられず、絶好のチャンスはフィニッシュに辿り着けません。8分、ボックス右を突破したラカゼットがファーに上げたクロスをトラップしたのはメートランド=ナイルズです。フェイントでサイモン・フランシスを翻弄した20歳の強烈なシュートは、クロスバーを直撃。2分後のイオビのミドルは、ディフレクションに惑わされなかったベゴヴィッチが確実にセーブします。

14分にメートランド=ナイルズが横に出したパスをさらわれたピンチは、ジョーダン・アイブの判断ミスに助けられました。中盤でキープしたボールが前線につながらず、緩急もないガナーズはシュートチャンスを創ることができません。希望はジャック・ウィルシャーです。28分に右のイオビに出したダイレクトのスルーパスは、17番が焦ってグラウンダーを入れなければ決定機になっていたでしょう。34分の速攻は、ラカゼットが左に浮かしたパスでウェルベックがベゴヴィッチの前に躍り出ますが、難しいシュートをGKにぶつけてしまいました。40分、右サイドを突破したジョーダン・アイブの折り返しは、ファーに流れてきたボールをライアン・フレイザーが左足で叩くも、チャンバースのスライディングが間に合いました。前半は0-0。ストライカーがシュートを打てないゲームは、最近のアーセナルには珍しくありません。

後半の立ち上がりは、アダム・スミスやライアン・フレイザーが積極的に仕掛けるボーンマスのアタックが目立ちます。50分のCKは、クリアを直接叩いたゴズリングのボレーがバーの上。しかし52分、プレミアリーグ22試合フルタイム出場のWBがワンチャンスを活かしました。自陣でのボール奪取からウィルシャー、ジャカとつながったボールがイオビに渡ると、完璧なスルーパスで右から抜け出したベジェリンがベゴヴィッチと1対1。シュートはGKに当たったものの、そのままゴールに転がりアウェイチームがついに先制です。

63分、エディ・ハウ監督はダニエルズを下げてリス・ムセで勝負です。メートランド=ナイルズのサイドを執拗に突くボーンマス。プレミアリーグ8ゴールのラカゼットは完全にチャンスメーカーと化しており、イオビやウェルベックを走らせるパスばかりが目立ちます。70分のボーンマスの同点ゴールは、好調のコンビによるものでした。右からアーリークロスを入れたのはライアン・フレーザー。飛び出したチェフは触れず、オフサイドぎりぎりからスプリントしてきたカラム・ウィルソンがスパイクの裏でプッシュしました。

チャンバースがラムジーに代わった直後の74分、ボーンマスに逆転ゴールが生まれます。左からのロングフィードでホールディングと入れ替わったカラム・ウィルソンが後ろに落とすと、強烈なシュートを叩き込んだのはジョーダン・アイブ!2016年の夏、クラブレコードの移籍金でリヴァプールから加わったアタッカーは、新しいチームでのプレミアリーグで初ゴールです。76分、アーセナルの2枚めはイオビをウォルコット。エディ・ハウ監督はジョーダン・アイブをピューに代えて逃げ切りを図ります。90分にジャカがダイレクトで打った鋭いロングシュートは左にアウト。最前線に入ったアフォベのミッションは、相手をしつこく追いかけることでしょう。ボーンマスは巧みに時間を遣い、プレミアリーグにおけるアーセナル戦初勝利を決めました。

CBが左に寄って数的優位を築きながらもクロスを入れられ、手薄な中央を突かれた1点め。ジャカがジョーダン・アイブについていかず、CBも誰もチェックにいかなかった2点め。WBとCBの5人のうち、U-23が4人を占めたアーセナルは、曖昧な守り方でプレミアリーグ16位に逆転を許してしまいました。ラカゼットが下がりすぎ、シュートを打つシーンがなかったのも不可解。攻めも守りも、意図した戦い方ができていなかったのではないでしょうか。30代のCBと移籍が噂される選手がいなかった今日のメンバーが来季以降のアーセナルのベースだとすれば、いささか寂しい試合でした。この後の試合でリヴァプールが勝てば、アーセナルと4位チェルシーの勝ち点差は8に開きます。

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“【Bournemouth×Arsenal】戦術が不明確だったアーセナルは、プレミアリーグ16位に逆転負け!” への8件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ほんと毎年毎年同じことの繰り返し…。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    なんかもうほんとにただただ悲しいです。
    夏にサンチェスエジルを残してCL権獲りにいくと思ったら、結局サンチェスを冬に売ることになり、
    チームとしては彼ら抜きでやれるチーム作りができていませんでした。マルコムやら獲得するのは嬉しいですが、それなら夏のうちにすることはできたのではないでしょうか。早い段階で売ってサンチェス抜きのチームを作るべきだったと思います。何もかもが中途半端で、こんなチームではCL権どころかTOP6と呼ぶのが他のチームに恥ずかしいくらいです。フロントも、ヴェンゲル自身も早く決断をしてほしいものです。

  3. ガナ より:

    スタメンのメンバー見た時点でたぶん負けるだろうなと思いました。
    サンチェスとエジルいないと本当に中堅クラブのようなメンバーになりますね。
    そもそもリーグ期間中の冬にエースをライバルに売るようなクラブがCL圏内に入れるわけがない。
    エジルは延長の可能性があると言っていましたがこの調子なら夏にフリーで移籍でしょう。

    ムスタフィくらいしかまともなCBいないのに3バックを続けている意味がわからないし、守備がまったく向上しないジャカを使い続けてたら失点なんて減るわけがない。

    ベンゲルを解任したとしても今の戦力じゃCLに戻るまでに何年かかることか。

  4. グーナーです より:

    うーーーーん。。。
    もう、「これをこう改善したら勝てるようになる」という方向性すら分からなくなってきました。
    正直なところ、絶対に勝ちたいという意思がチーム全体から感じられず。。
    モチベーションが無いならば、小手先の戦術変更だけではどうにもならないと思ってしまいます。

    もう優勝とかCLとか考えず、5年単位で「今後どうしていくのか」を明確にしてもらいたいと思います。

    もはや負けて悔しいという感情よりも、寂しさの方が強いです。

    唯一の希望は、リバプールがシティに勝ってくれたこと。
    「無敗優勝ができたのは俺たちだけだ」と、思い出を頼りにファンを続けるしかないというか。。。

    それよりももっと、今のチームを精一杯愛したいんですけどね。頑張ってくれ。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    守備陣をなんとかしないとダメなのに、相変わらず補強の噂は全然ばかり。いい加減愛想も尽きます。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    今期はすべての意味で終わったので、今日のスタメンはむしろこれでよかったと思いました。

    ホールディングとチェンバースは今後主力に育ってもらわないと困るのでナイルズ同様経験を積ませてほしいです。買うなら別ですけど。

    それにしてもジャック。本当に信じていいのでしょうか。彼が帰ってきたのでしょうか。もしもそうならサンチェスがどこにいこうがどうでもいいです。マンUtd?おめでとうございます。頑張って下さい。

    —–
    ボーンマスに負けるってマジでやばくね?
    相手降格争ってるチームやんけ。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズファンの自分が言うのもなんだけど、売るなら夏にサンチェスとエジルを売って代わりを取っておいて半年かけてチームを作り直せばよかったんじゃないかなって思う。ベンゲルの解任も含めて。
    そこを割り切れなくて、問題を先送りにしてしまったのがフロント的に駄目だったんじゃないかなと感じますね

  8. makoto より:

    みなさま>
    厳しい試合でしたね。ひとつ思うのは、アレクシス・サンチェスとエジルを夏に手離せなかったことよりも(あのときは難しかったと思います)、余剰戦力化していたルーカス・ペレスやジョエル・キャンベル、ドビュッシー、ウォルコットらを夏にきっちり売り切れなかったほうが気になりました。彼らをさばいて人件費を圧縮できていれば、夏にもう一段CBや中盤を強化できていたのではないでしょうか。3バックの完成度は未だ高いとはいえず、悔いの残る5ヵ月だったかな、と。

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