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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Chelsea】アザール沈黙…ベルナルド・シウヴァの1発でチェルシー完敗!

負ければプレミアリーグ4位のトッテナムと勝ち点5差。敵地エティハドに乗り込んで首位マンチェスター・シティと戦うビッグマッチは、チェルシーにとって必勝のゲームです。コンテ監督は、モラタとジルーをベンチに置いてアザール、ペドロ、ウィリアンを前線に配してきました。WBはマルコス・アロンソとヴィクター・モーゼス、中央にセスクとドリンクウォーター。カンテがいない中盤は、マン・シティの強力なアタックを止められるでしょうか。リュディガー、クリステンセン、アスピリクエタとクルトワは、いつもにも増して高い集中力が求められます。

フェルナンジーニョとスターリングを欠いたペップは、CB以外は予想通りの11人。エデルソンの前にカイル・ウォーカー、ラポルテ、オタメンディ、ジンチェンコ。1月に加入したばかりのアイメリク・ラポルテは、これがプレミアリーグ3試合めです。ギュンドアンの脇にデブライネとダヴィド・シルヴァが入り、前線はベルナルド・シウヴァ、アグエロ、サネ。キックオフからマン・シティが猛攻を仕掛け、チェルシーはバルサ戦のように全員が自陣にこもっています。10分を過ぎても、水色のポゼッションが続くハーフコートマッチ。左からの速いクロスにサネが合わせにいくと、リュディガーが飛び込んでCKに逃れます。

ゴールライン際でアスピリクエタがサネにインターセプトされ、アグエロにパスが渡ると、プレミアリーグ21ゴールのストライカーの一撃はリュディガーがブロック。昨季プレミアリーグ王者がこれだけ押されるのを目の当たりにすると、あらためてペップのチーム作りの素晴らしさを実感します。19分、サネが強引な突破で4人を抜いてアグエロに預けると、右に流れたボールをトラップしたベルナルド・シウヴァが得意の左足シュート。うまくコントロールできず、ボールはクロスバーを越えますが、チェルシー守備陣は彼の前にスペースを空けてはいけません。

24分、ヴィクター・モーゼスがウィリアンを走らせたチェルシーの初めてのカウンターは、ブラジル人MFが右足で入れた速いグラウンダーをオタメンディがカット。27分、デブライネのFKをファーできれいにトラップしたサネの鋭い右足シュートは、ゴールラインの手前でアスピリクエタがブロックしました。左サイドを蹂躙する22歳のレフティは、ペップの下で恐ろしい選手に成長しました。33分、またもサネが中央に斬り込み右に流すと、デブライネがスルーした後ろにいたのはベルナルド・シウヴァ。止めて打てばよかった20番はボレーを大きく外し、均衡を破ることができませんでした。

ペドロの突破を初めて見たのは43分。アザールは自陣でしかドリブルを許されず、今季プレミアリーグ最強チームがペースを握ったまま最初の45分が終わりました。チェルシーは何とシュートゼロ。終始防戦一方でしたが、0-0でのハーフタイムは狙い通りなのかもしれません。しかし後半が始まって35秒、マン・シティがあっさり先制します。ギュンドアンの縦パスをクリステンセンがクリアすると、アグエロがカットして外から走ってきたダヴィド・シルヴァに短いパス。相手のチェックが入る前に蹴った21番のクロスは完璧。ファーから飛び込んだベルナルド・シウヴァの泥くさいボレーがゴール左に吸い込まれました。前に出られるか、チェルシー。ボールをまわしているのは、相変わらずホームチームです。

54分、セスクが中央から上がったカウンターは、ラストパスをボックス右で受けたヴィクター・モーゼスのシュートが大きくニアにアウト。56分に左から持ち込んだダヴィド・シルヴァが思い切りよくニアを狙うと、クルトワが弾いて追加点を許しません。1分後、FKを右サイドでもらったデブライネが高速グラウンダー。アグエロの落としをダヴィド・シルヴァがダイレクトで叩きますが、ドリンクウォーターが足に当ててCKに逃れます。リードした後、ゲームをスローに落として時間を遣うのは、プレミアリーグ最強チームの常套手段。66分のデブライネのミドルは、バーを越えてしまいます。コンテ監督の巻き返し策は、ジルーかモラタか。残り時間は20分。勝ちにいくなら、そろそろ動かなければなりません。

相手が出てこないのを見ながら後ろでパスをまわし、時折威嚇するように速攻を仕掛けるマン・シティは、1-0で充分とアウェイチームを挑発しているかのようです。77分にサネとデブライネが左右から入れたグラウンダーは、いずれもアグエロに届かず。コンテ監督がウィリアンをジルーに代えたのは、78分になってからでした。直後、4対3のチャンスと見るや前線が一斉に動き、無理だとわかるとゆっくりキープ。ペースのアップダウンの意思疎通がぴったりのマン・シティは、チャルシーにクロス1本許さずにタイムアップに向かっています。コンテ監督の2枚めのカードは、82分にペドロをエメルソン。ピッチ脇に立ったモラタがベンチに戻ったのはなぜでしょうか。

残り5分までスタメンを引っ張ったペップは、アグエロをガブリエウ・ジェズスにチェンジ。20歳のストライカーは、プレミアリーグ後半戦初登場です。87分にはジンチェンコが下がり、ダニーロ。89分のアザールをモラタは、狙いがあったなら遅いといわざるをえません。ダヴィド・シルヴァがフォーデンに代わったのは93分。モラタのクロスのクリアを叩いたマルコス・アロンソのボレーはポストの左に逸れていきます。ジルーが好きなハイクロスは1本も上がらず、タイムアップ。1-0、マンチェスター・シティがアウェイと同じスコアでチェルシーを下し、プレミアリーグ制覇に一歩近づきました。

ペップのアザール対策は、ひたすら攻め、ボールをキープし続けて無力化することだったようです。サネやダヴィド・シルヴァの突破力も素晴らしかったのですが、私のMVPは中盤をコントロールしたギュンドアンと、ポスト役を見事にこなしてダヴィド・シルヴァのアシストを呼び込んだアグエロです。0-0のまま終盤になれば何が起こるかわからなかったゲームは、背中に目がついていたようなアグエロのエクセレントなパスで世界が変わりました。コンテ監督の選手交代は遅く、ハイクロスで攻めるという意志統一がないならモラタとジルーの順番は逆でしょう。最後まで希望をつなぐ1失点で抑えた守備陣はよくやったと思うものの、シュート2本に終わった攻撃は戦術・采配ともに疑問符が付く一戦でした。

勝ち点53に留まったチェルシーは、4月1日のトッテナムとのシックスポインターに敗れれば、CL出場権獲得が難しくなりそうです。公式戦で17試合連続負けなし、プレミアリーグ後半戦は7勝3分と絶好調のポチェッティーノ監督のチームは、1月に3回戦って2分1敗と勝てなかったアーセナルよりもやっかいな相手です。背水の陣となったコンテ監督には、必勝のロンドンダービーこそは積極的な采配を見せていただければと思います。(ベルナルド・シウヴァ 写真著作者/Кирилл Венедиктов)

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“【MAN.CITY×Chelsea】アザール沈黙…ベルナルド・シウヴァの1発でチェルシー完敗!” への10件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    チェルシー相手にここまでのポゼッション。しかも最後まで2点目を求めて鋭い攻め!アーセナルも、チェルシーも敵ではなかった。あとはスパーズとレッズくらいでしょうか。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ここ最近アグエロが味方を上手く使うシーンが多く見られますね
    攻守の切り替えが早くプレスも上手くいき完勝でした

    —–
    チェルシーはカウンター狙いのサッカーでしたがなぜボールをキープできるジルーをトップに置かなかったのかが理解できません。
    あのレベルの相手にアザールをトップに置くのはチェルシーの長所を殺す悪手だったと思います。
    しかしシティは強いですね。
    ザネ、スターリング、ベルナルド、ガブリエル、デブライネとまだ伸び盛りの若手が多いというのが怖いところです。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    オープンなゲームを挑んで3ー0、4ー0で負けるほど俺は馬鹿じゃないと言い放つコンテ。その馬鹿とは解説者のレドナップやネヴィルを指してるようですが、暗にベンゲルのことを言ってたりして!

    —–
    まぁシティに殴り合い挑んで、倒せるのはプレミアだとリバプールだけでしょうね。

  4. ユナイテッド より:

    モナコ時代のプレーを取り戻したらベルナルドシウバはスターリングを軽く上回る選手だと言っても過言ではない選手です。
    昨シーズンはモナコに素晴らしい若手が溢れていたのでたくさんモナコの試合を見ていたのですが、縦にも中にもドリブルで行けてミドルも兼ね備えているのでムバッペよりも脅威になっていて是非ユナイテッドにと思っていた選手です。
    去年のサネみたいに徐々にフィットして来シーズン大爆発みたいなことになりそうで恐ろしい…

  5. ランプス より:

    いつも楽しく見てます。
    おっしゃるようにコンテは選手交替が遅すぎですね。前から何度も言ってますが何故なのかわかりません。
    。マンCのポゼッションがすごい?パス本数がすごい?
    まあ持たせる戦術なんで当たり前だし ずーっとCBが2人だけで後ろでピンポンパスをやってりゃ支配率もパス本数も増えるでしょ?
    別にそれがどうした?という感じですが 、
    コンテは状況打開の攻撃の引き出しがないのとタイミングが遅い。
    それに尽きます。カウンターのパス精度、運動量、連携。。相手云々以前に今年今まで見た中でチェルシーは最低の出来でしたね
    負けて当然!来季に向けて攻撃の戦術の幅を練習がてら広げて欲しいですね

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    今期のシティはチーム全体のプレス精度とオフザボールのポジショニングが支配率に大きく関わってると思います
    もしcbが繋いでるだけでこのスタッツと勝率をシーズン中維持できるなら、2位以下のチーム全て導入するべきですね笑
    シティファンとしては素晴らしいビジョンを実現するフロントがいる限り、来シーズン以降もシティの春を満喫できそうです

    —–
    これでシティは優勝までのマジックナンバー4ですか。
    それにしてもチェルシーの選手たちの覇気のなさというか戦意喪失感がすごく感じられたのですが、去年のプレミア王者は一体どこへいってしまったのでしょうか。
    ATに入ってもプレスをし続けるシティの選手とは対照的なのと、コンテの表情が虚ろなのが印象に残りました。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    どこのチームでもシティがボールを保持する展開になりますが負けてるときでもチェルシーはほとんどボールを取りに行こうとしませんでしたね

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    コンテに手厳しい意見が並んでいますが、やはり前に出ても傷口を広げるだけだったかなとも思います。たしかにチームの100以上の力を引き出せていたようには見えませんでしたが。
    チェルシーファンではないのでバルサ×アトレティコと交互に観戦していましたが、あのバルサよりもシティのサッカーのすごさに圧倒されました。現在のチェルシーの状態では少し厳しいかなと。
    逆に言うと、カンプノウでの決戦に向けていい予行演習になったようにも思えます。そこでコンテがどう調整してくるのかに期待しています。

  9. MrazkoaboTh より:

    私はコンテは嫌いではありません。彼のフットボールはリアリズムだと思います。誰だってぼろ負けしたくないし、0-1なら最後にひょっとして勝てるかもしれないし。でも、まず良いフットボールを目指し、その結果が勝利ならなお良しとするペップの潔さに痺れてしまうのです!

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  10. プレミアリーグ大好き! より:

    バルサ戦同様にゴール前でどっしり構え、前線の3人のカウンター頼みのコンテに対して、ハイプレスでパスコースを無くし、前線へのパスをロングフィードに限定させたペップの方が一枚上手でしたね。
    どうせハイボールしか出せないのなら、ターゲットマンのジルーやモラタを入れる等、もっと早い段階で色々対策を立てられたと思いますが…
    この状況下で一失点に抑えた守備陣は良かったと思います。バルサ戦、ユナイテッド戦、シティ戦と三試合連続で失点の起点になっているクリステンセンが心配ではありますが。

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