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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×MAN.UTD】2位確定のマンチェスター・ユナイテッド、課題はやはり攻撃力!

全10試合が同時キックオフとなるプレミアリーグ2017-18シーズンの最終節は、静かに終わりそうです。アンフィールドで負けなしのリヴァプールが、アウェイで2勝のブライトンに負けなければ、プレミアリーグ4位以内が確定。17位のセインツと18位のスウォンジーは、前者が敗れて後者が勝てば勝ち点で並びますが、彼らの得失点差は9もあります。スワンズは最下位ストークと戦い、セインツの相手は首位マンチェスター・シティ。最後に5ゴール決めればアウェイ49ゴールでプレミアリーグ新記録達成となり、さらにアウェイ16勝というレコードまでついてくるマン・シティといえども、残留争いを続けるチームから大量得点を奪うのは簡単ではないでしょう。

過去に率いたクラブを、すべて2年めにリーグ優勝させてきたモウリーニョ監督も、最強ペップに続く2位で静かな幕切れを迎えます。10日に行われたプレミアリーグ31節の延期試合は、ロンドン・スタジアムのウェストハム戦。負けなければ2位が確定する一戦でしたが、きっちりスコアレスドローで畳み、最終節のワトフォード戦をFAカップ決勝に向けたスパーリングにすることに成功しました。デ・ヘア、バレンシア、リンデロフ、フィル・ジョーンズ、スモーリング、ルーク・ショー、マクトミネイ、エレーラ、ポグバ、リンガード、アレクシス・サンチェス。ルカクとマティッチがいないチームは、「最低限のミッション達成」という表現が適切でしょう。

静かに立ち上がったゲームは、7分にハマーズが最初のチャンスを迎えました。3人に囲まれながら、ドリブルで中に持ち込み右足を振り抜いたアルナウトヴィッチのシュートは、デ・ヘアがキャッチ。スピードがあり、フィジカルも強い彼を最前線に置くあたりが、いかにもデヴィッド・モイーズです。左サイドから仕掛けるハマーズに対して、マン・ユナイテッドは中央でマークを外さないように慎重に対応しています。20分にランシーニのミスパスをボックス手前で拾ったマクトミネイは、決めなければなりませんでした。左隅を狙った強烈な一撃は、外に切れて先制ならず。ジョゼ・モウリーニョに抜擢された若きセントラルMFは、未だプレミアリーグノーゴールです。

さらに1分後、リンガードが遠めから放ったシュートは、アドリアンが左に飛んでセーブ。23分にバレンシアが右のボックス脇で粘り、ボールを奪い返すと、グラウンダーをダイレクトで叩いたアレクシス・サンチェスのボレーをアドリアンが弾き、フォローしたルークショーの左足ボレーはGKが膝に当ててポストにヒットします。アルナウトヴィッチが単独で持ち込んだカウンターは、クロスが中に合いません。35分に右サイドを完全に抜けたバレンシアはクロスがワンテンポ遅く、直後に強引に中央から放ったルーク・ショーのシュートはGKの正面です。ポグバのミドルは左に外れ、前半終了間際のリンガードのロングシュートはアドリアンが確実にセーブしました。

後半に入っても、マンチェスター・ユナイテッドがゲームを支配します。48分、ポグバの絶妙なヒールパスでアレクシス・サンチェスがボックス左に侵入。飛び出してきたアドリアンをかわした7番は、角度のないところからのシュートをオグボンナにクリアされます。ここからポグバにボールが渡り、アレクシスに預けて中に入ると、リターンに合わせたヘッドは左に大きくアウト。ポグバを中心に、シュート態勢に入れるようになったアウェイチームは、フィニッシュに精度を欠き、スコアを動かせません。

63分、バレンシアの折り返しをジャストミートしたポグバのヘッドは、わずかに左。66分にマスアクが下がり、今季プレミアリーグ3ゴールのアンディ・キャロルが前線に入ります。71分にアレクシスが戻したボールを左サイドから狙ったポグバは、右に外して悔しそうな表情を浮かべています。74分、リンガードが下がりラシュフォード。突破力があり、タメを作れるアルナウトヴィッチは最後までやっかいでしたが、ハマーズの攻撃陣もシュートを枠に収められません。結局、0-0。マン・ユナイテッドは、今季プレミアリーグでノーゴールが8試合となり、TOP6では最多です。

ルカクがいないと、サイドからのボールで勝負できるのがポグバのみとなるチームは、攻撃のバリエーションとゴール前の厚みに課題を残しています。ボールを奪うラインが低く、走らないチームは、右のサイドアタッカーの人選、ポグバの活かし方、サイドアタックの際のポジショニングなど、攻撃力を上げる打ち手を明確にしなければ、この日のような取りこぼしは減らないでしょう。モウリーニョ監督に策はあるのか。久しぶりの2位フィニッシュと公式戦で3失点ゼロの堅守に拍手を送りつつ、マン・シティやレッズ、スパーズの速いフットボールが眩しく感じられる今日この頃であります。

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“【West Ham×MAN.UTD】2位確定のマンチェスター・ユナイテッド、課題はやはり攻撃力!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ファーガソン以来では最高順位になります
    今季シティが歴史的に見てもすばらしいパフォーマンスで比較してしまうと分が悪いですね
    モイーズ、ファンファールが混乱を招いてしまい積み重ねたものがあまりないので来季こそタイトル争いor獲得できれば大丈夫でしょう

    —–
    なにかと批判の的にされてきたモウ・ユナイテッドでしたが、ここ最近のユナイテッドの中では群を抜いて強いチームでした。
    去年のスパーズと同じような、相手が悪かったとしか言い様のない文句無しの2位。しかしながら、モウリーニョはこれで満足するような男では無いでしょう。ファギー以降悲願のPL制覇のため、必ずやチームを磨き上げてくると思います。

  2. ペップの街 より:

    今シーズンのユナイテッドは昨シーズンと違ってビッグマッチで勝てているのがユナイテッドが完全復活に近づいていると確信している理由です。
    問題はモチベーションが低い試合(特に格下相手)で塩試合をやってしまうこと、勝ち点を落としてしまうことです。
    格下相手にもしっかり勝ち点を積み上げる為にはディフェンスラインの攻撃への貢献が欠かせませんが、ユナイテッドはそれがほとんどありません。
    今年の夏の市場でユナイテッドはまさに昨年のシティのようにディフェンスラインにお金をかけるべきだと思います。あと中盤の選手1人もです。

    —–
    ユナイテッドはホーム、アウェイの戦績はどうだったんでしょうか?来期、勝ち点90以上がノルマとするとアウェイ勝利数も絶対必要ですよね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    デヘアほどのGKを擁しながら、結局一度もゴールデングラブを取れなかったところを、ついに今シーズン達成されたのを見るに、完全にデヘア頼りという守備から脱却し、やっとまともな守備組織の構築に至ったのだなと思います。
    シーズン通して大崩れしない組織をつくれたというのは評価できますよね。

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