偏愛的プレミアリーグ見聞録

ライバルのマンチェスター・シティは、ハダースフィールドに6-1圧勝。8節の直接対決までは、取りこぼしなく並走しておきたいところです。ウェストハムとのプレミアリーグ開幕戦で4-0快勝のリヴァプールは、フラムに0-2で勝ったクリスタル・パレスと戦います。敵地セルハーストパークでのプレミアリーグは3連勝中。クロップ監督の11人は、初戦と同じです。GKアリソン、DFアーノルド、ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン、MFワイナルドゥム、ミルナー、ナビ・ケイタ、FWサラー、フィルミーノ、マネ。奪ったボールを素早く縦に展開するアウェイチームは、3分にサラーがゴールに迫るも2人にマークされ、打ち切れません。

ナビ・ケイタの精力的な守備と速攻が目につくリヴァプール。8番からマネ、ロバートソンとつながり、速いクロスが入った12分のアタックは、クロップ監督の狙いのひとつでしょう。全員が自陣に引いたホームチームに対して、ボールを支配しながら隙を窺うレッズですが、なかなかシュートを打てる態勢に持ち込めません。マネのドリブルはワンビサカにつぶされ、相手のミスからボックス手前でもらったサラーも打てず。22分にナビ・ケイタが仕掛けたカウンターは、裏を狙ったサラーに完璧なロングボールが届きましたが、ヘネシーと向かい合った昨季プレミアリーグ得点王は、ループシュートを打ち上げてしまいました。

25分、ナビ・ケイタが自陣でパスミスを犯し、ベンテケの落としを受けたタウンゼントがフリー。左足で巻いたシュートはクロスバーを叩き、先制はなりません。フィルミーノ、サラーとつながり、最後はボックス左でナビ・ケイタがフリーになった27分のチャンスは、フィニッシュをヘネシーがセーブ。30分にタウンゼントからパスをもらったシュラップは、左足シュートを力んでしまいました。34分、ミルナーが縦に出したボールがボックスに入ったサラーに通り、浮き球の折り返しをロバートソンがボレーで叩くも、枠を捉えることができません。

44分、フィルミーノからパスを受けたサラーが、左足に持ち替えたところをサコに引っ掛けられ、ジャッジはPK。ミルナーがヘネシーの逆を突き、リヴァプールが最高の時間帯に先制しました。0-1で後半に入ると、クリスタル・パレスが攻勢に転じます。49分、ロバートソンがドリブルで上がったカウンターは、アーリークロスに飛び込んだサラーがヘネシーをかわすもボールはサイドに流れ、グラウンダーに走り込んだナビ・ケイタはボレーを左に外してしまいます。53分、ミリヴォイェヴィッチのFKは、アリソンが左に飛んでセーブ。左サイドからのボールを思い切りよく叩いたファン・アーンホルトのボレーは、惜しくもバーの上に浮いてしまいます。

60分、ミルナーのCKのこぼれ球を、体を倒しながら放ったサラーの強烈なボレーは、シュラップが頭に当ててクリア。クロップ監督は、67分にミルナーに代えてヘンダーソンを投入しました。ホジソン監督は、70分にベンテケをセルロート。72分にワンビサカのクロスがファーのザハに出ると、右足のシュートはアリソンの正面です。ジョー・ゴメスの縦パスでサラーがひとり旅となった75分の決定機は、ここまでよくやっていたワンビサカが背後から足を引っかけてしまい、一発レッドを喰らってしまいます。サラーのFKは壁にヒット。ナビ・ケイタのミドルはヘネシーが抑えます。残り10分、ホジソン監督はタウンゼントをウォードに代え、右サイドの守備を補修しました。

ホームチームの指揮官が最後に切ったカードは、プレミアリーグデビューとなるマックス・マイヤー。10人に対して、レッズ守備陣が下がり始めているのが気になります。87分、ナビ・ケイタが下がりララナ。セットプレーからゴールを狙っていたクリスタル・パレスは、93分に逆襲を喰らい、勝負を決める2点めを奪われてしまいます。ハーフライン手前のサラーからマネに完璧なスルーパス。ドリブルで上がったマネは、GKヘネシーを抜き去り右足で無人のゴールに流し込みました。0-2となり、間もなくタイムアップ。連勝スタートのリヴァプールは、プレミアリーグ唯一の無失点です。

両者とも、守備が素晴らしかったと思います。レッズの最終ラインはずいぶん堅くなりました。最初の2試合で、アリソンのビッグセーブはミリヴォイェヴィッチのFKを弾いた1本のみ。シュートを打たせない守備は、押し込まれても安心して観ていられました。新守護神はフィードも的確で、反撃の起点としても機能しています。先にゴールを奪われる展開が減れば、レッズの取りこぼしは大きく減るのではないかと思われます。一方のクリスタル・パレスも、今季は躍進が期待できそうです。サコはあの一瞬以外はサラーやフィルミーノを捕まえており、ワンビサカもあのシーンまではマネを抑えていました。結局、サラーです。サコの不用意なチェックを咎めてPKをゲットし、ワンビサカをピッチから追い出し、最後はアシスト。昨季プレミアリーグ得点王は、2018-19シーズンも脅威です。