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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Sheffield United×MAN.UTD】鮮やかな逆転劇と謎采配…どこ見てんのよスールシャール!?

前節までプレミアリーグ5位に居座っていた曲者シェフィールド・ユナイテッドに勝てば、マンチェスター・ユナイテッドはウルヴスをかわして5位にジャンプアップします。「来季はポチェッティーノ監督が就任か!?」といった噂を吹き飛ばしたいスールシャール監督としては、1勝2分3敗と苦手のアウェイといえども快勝で終えたい一戦でしょう。マクトミネイを負傷で失ったスールシャール監督は、フィル・ジョーンズを最終ラインに加えた3-4-2-1をチョイスしています。GKデ・ヘア、DFリンデロフ、マグワイア、フィル・ジョーンズ、WBにワン=ビサカとブランドン・ウィリアムズ、中盤センターにアンドレアス・ペレイラとフレッジ。3トップはダニエル・ジェームズ、マルシアル、ラシュフォードです。

5分までは、互角の展開。球離れのいいマン・ユナイテッドに対して、ホームチームは徹底したプレスでパスコースを限定しています。10分、左から上がったフレックがニアに軽く浮かすと、ランドストレムのボレーはデ・ヘアが右に飛んで弾き出すビッグセーブ。リバウンドをフォローしたスティーヴンスが中央にクロスを入れると、マクゴールドリックの強烈なヘッドもプレミアリーグ屈指の守護神が右手に当てました。マン・ユナイテッドは、サイドから斜めに入れる楔のボールが通りません。

19分、先制はシェフィールド・ユナイテッド。後方からの縦パスを追ったリス・ムセがフィル・ジョーンズをちぎってゴールライン際でフリー。ニアに走り込んだランドストレムのボレーはデ・ヘアが足でブロックしますが、こぼれ球を制したフレックがダイレクトでプッシュし、ボールは左隅に転がりました。24分、アンドレアス・ペレイラがフレックに奪われ、左から中に斬り込んだマクゴールドリックの強烈なミドルはデ・ヘアがキャッチ。27分には、CBのオコネルが左サイドからオーバーラップする得意の形が出ますが、クロスは味方に届きませんでした。

29分、マン・ユナイテッドがようやく初シュート。マルシアルが左から放った一撃は、今季プレミアリーグ初登場のムーアが左に倒れてキャッチしました。32分には右サイドのバルドックの外からCBベイシャムがオーバーラップ。シェフィールド・ユナイテッドの3バックは、中央を固めるための布陣ではなく、外側のCBがサイドアタックを仕掛けるためのアイデアです。ホームサポーターのチャントが鳴り続けるブラモール・レーン。シェフィールド・ユナイテッドのサイドアタックは、中盤センターのノルウッドが加勢したときにはCB、WB、インサイドMF、トップと5人がショートパスをまわす手厚い形です。

マン・ユナイテッドは、ハーフラインを越えるのが精一杯。シュート数7対1のハーフコートマッチが1-0で終わると、フィル・ジョーンズの起用を失敗と認めたスールシャール監督はリンガードを投入して反撃を目論みます。47分、マン・ユナイテッドが狙い通りの4対4のカウンター。ラシュフォードがドリブルを止められて終わりましたが、不甲斐なかった前半とは違う展開になりそうです。

ところが52分、前がかりになったアウェイチームが一瞬の隙を突かれます。アンドレアス・ペレイラのトラップミスを突いたリス・ムセが、左サイドのフレックに預けて前線に上がると、きれいなリターンがストライカーの足元へ。フレッジをちぎったリス・ムセは、マグワイアにチェックされる直前に右足を振り抜き、デ・ヘアが触れなかったボールが右隅に突き刺さりました。絶体絶命のマン・ユナイテッド。前の拠点を増やしたかった4-2-3-1は機能しているとはいえませんが、2点リードしたホームチームが引いてくれたために、敵陣でパスをまわす時間が長くなっています。

67分、リス・ムセが左のハムストリングを痛め、代役はマクバーニー。今季プレミアリーグ4ゴールのキーマンが消えるアクシデントは、試合の展開を一変させるトリガーになりました。72分、右のダニエル・ジェームズが縦に強引に突破し、中央に上がったクロスをベイシャムが後ろに逸らすと、ファーで待っていたブランドン・ウィリアムズのダイレクトショットが右のサイドネットに飛び込みました。2-1とした直後、スールシャール監督はミスが目立ったアンドレアス・ペレイラを下げて、グリーンウッドで勝負です。

押していたアウェイチームの同点ゴールは、右サイドで数的優位を築いたのが勝因でした。ワン=ビサカがラシュフォードに預け、ピンポイントのクロスが中央に入ると、グリーンウッドのスライディングシュートがムーアの脇を抜きました。ブランドン・ウィリアムズに続く、この日2人めのプレミアリーグ初ゴール。2分後、マルシアルに預けたダニエル・ジェームズが、絶妙なスルーパスをもらって左サイドを完全に崩します。GKを引き付けたウインガーがニアに転がすと、ラシュフォードは無人のゴールに押し込むだけでした。シェフィールド・ユナイテッドにとっては魔の7分。逆転に成功したアウェイチームが、主導権を握り続けています。

スールシャール監督は、4点めを奪えそうな展開で、なぜ重心を後ろにシフトしたのでしょうか。86分にマルシアルをトゥアンゼベに代えた謎采配は、シェフィールド・ユナイテッドに攻める理由を与えただけでした。サイドアタックが売りのチームに対して、中央をむやみに厚くしても効かないのは、前半のフィル・ジョーンズで学習していたはずです。90分、左サイドでダニエル・ジェームズの軽いタックルをかわしたスティーヴンスがニアのフレックに預け、こぼれたボールをキープしたカラム・ロビンソンが中央のマクバーニーに浮かすと、肩でトラップした9番が強引にボレーをねじ込んで3-3。マンチェスター・ユナイテッドは、勝つべき展開だったゲームを1ポイントで終えてしまいました。

グリーンウッドで流れを変えた指揮官は、情熱的なアタックにブレーキをかける守備固めで元の展開に戻してしまいました。前線が躍動していたあの時間帯に、交代策は不要だったと思います。なぜでしょう、教えてスールシャール!? マタに前から追いかけまわしてもらうか、アシュリー・ヤングでサイドを締めるなら、少なくとも意図は理解できたのですが…。アウェイゲームへの苦手意識を積み上げただけで終わった激痛のドロー。プレミアリーグ9位というポジションは、指揮官解任を決断したスパーズと、指揮官解任が噂されているガナーズの間です。ああ…!

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“【Sheffield United×MAN.UTD】鮮やかな逆転劇と謎采配…どこ見てんのよスールシャール!?” への1件のコメント

  1. ユナ より:

    何が一番腹立ったかといえばスールシャール の試合終了後の顔です。
    めちゃくちゃ笑顔で明らかに満足していました。
    コメントでは不満を口にしていましたがあの満足気な顔を見ればアウェーで分けたことに満足していたことは明らかです。
    シェフィールドがいいサッカーをしていることは理解できますが、昇格組で選手の年俸には明らかな差があるにもかかわらず、分けたことに満足している。
    ユナイテッドサポとしてこんな光景は見たくありませんでした。
    一刻も早い解任を望んでいます。

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