【Newcastle×Chelsea】今季5回めのゼロ…押しまくったチェルシーが勝てなかった理由。
ランパード監督のチームがいかに戦い、なぜ敗れたのかを振り返ってみましょう。GKケパ、DFリース・ジェームズ、リュディガー、クリステンセン、アスピリクエタ、MFカンテ、ジョルジーニョ、メイソン・マウント、3トップはハドソン=オドイ、タミー・アブラハム、ウィリアン。3-0快勝のバーンリー戦から、ロス・バークリーをカンテに代えただけのベストメンバーでした。10分に膝を痛めたウィレムスが担架で運ばれ、マット・リッチー投入を余儀なくされたスティーヴ・ブルース監督は、17分にもピッチに座り込んだアイザック・ヘイデンを不安げな表情で見つめています。プレミアリーグ19試合出場の大黒柱は、大事には至らずプレー続行。アーセナルのユースチーム出身のセントラルMFは、この試合の最後に大きな仕事を成し遂げることになります。
ジョルジーニョを中心にラインの裏を執拗に狙うチェルシーに対して、前線に入る楔のパスを狙う守り方が板についてきたホームチームは、18分のショートカウンターからサン=マクシマンが最初のシュート。プレミアリーグ屈指のドリブラーは、左サイドからの積極的な仕掛けでリース・ジェームズの攻め上がりを抑えています。20分、右サイドにいたフェデリコ・フェルナンデスのハイクロスにジョエリントンが競り勝ち、ヘディングシュートがクロスバーを直撃。前線の3枚に勝負させる単調な攻めに終始していたチェルシーは、34分にようやく決定機を創ります。
リース・ジェームズが縦に走らせた長いスルーパスでカンテが抜け出し、右足でニアを狙った一撃はドゥブラフカが足でブロック。サン=マクシマンのチェックに追われていた20歳のSBは、1分後にもタミー・アブラハムに合わせるきわどいアーリークロスを出しますが、ドゥブラフカがストライカーは触れないと判断し、落ち着いて懐に収めました。右サイドからのアタックが活性化したチェルシーは、40分にも先制のチャンスを迎えます。リース・ジェームズの速いクロスがメイソン・マウントに届き、ヘディングシュートはクロスバーの上。43分のメイソン・マウントのFKは、壁の外側にいたジョエリントンが頭で外に逸らします。序盤は攻めあぐんだチェルシーは、いい感触を得て後半のピッチに戻ってきました。
53分、チェルシーのカウンター。タミー・アブラハムの落としを受けたメイソン・マウントが左に展開すると、ドリブルで持ち込んだウィリアンがクロスに打ったシュートは右に切れていきます。2分後、左のウィリアンが脇にいたメイソン・マウントにつなぎ、中央に入ったアスピリクエタが右隅を狙うと、コースを読んでいたドゥブラフカが正面でキャッチ。両者ともミドルレンジからのフィニッシュが多く、GKに落ち着いてさばかれています。チェルシーのアタックの課題は、3トップの連携のなさです。ウィリアンとハドソン=オドイは、単独で中に斬り込むプレイと工夫のないクロスが目立ち、タミー・アブラハムやメイソン・マウントと絡む崩しがありません。
68分、ランパード監督はメイソン・マウントを諦め、ロス・バークリーを投入。シーズン序盤のメイソン・マウントは、タミー・アブラハムとのコンビネーションでアグレッシブにゴールを狙っていたのですが、インサイドMFでの起用が増えてからは、ボックスに入って強引に打ってくるシーンが減っています。直近のプレミアリーグ15試合でわずか1ゴール。この日もニューカッスル守備陣を慌てさせるプレイは少なく、指揮官の交代策は妥当でした。73分、ジョルジーニョからパスをもらったロス・バークリーのリターンが相手に当たってゴール前にこぼれると、先着したタミー・アブラハムがGKと1対1になりますが、左足のフィニッシュはニアポストの外に流れてしまいました。
74分、スローインを入れたリース・ジェームズがピッチに座り込んでしまいました。ランパード監督は、エメルソンにチェンジ。80分にジョルジーニョが前線に送ったボールをアスピリクエタが頭で落とすと、飛び込んだタミー・アブラハムの一撃は勇敢に前に出たドゥブラフカが手に当てるビッグセーブで失点を免れました。直後に切った最後の1枚は、プレミアリーグ13ゴールのタミー・アブラハムを1ゴールのバチュアイ。ゴールがほしいときのオプションの乏しさも、チェルシーの課題のひとつです。83分、ウィリアンが右からスプリント。クロスのこぼれ球がボックス外のエメルソンに届き、左足の強烈なボレーがゴールを襲いますが、フェデリコ・フェルナンデスがヘッドで左に逸らし、先制を許しません。
チェルシーは、最後まで攻めていたのですが…。93分20秒、ニューカッスルの最後のCK。ウィリアンのクリアを拾ったサン=マクシマンが中央に浮かすと、かぶったリュディガーの後ろにアイザック・ヘイデンがいました。ヘディングシュートを叩きつけると、ケパは弾き切れず、ボールはゴール右に吸い込まれました。今季プレミアリーグで10試合以上出場しているGKのセーブ率を見ると、TOPはアリソンで84.8%。ケパは何とぶっちぎりの最下位で、62%で18位のニック・ポープを7%も下回る55.2%に留まっています。
決定力を欠き、セットピースに屈したチェルシーは、昨季のサッリが38試合で喫した8敗に並んでしまいました。タミー・アブラハムを孤立させない中盤とウイングのフォロー、スペースを創る動きを増やさなければ、今後もクリーンシートで敗れる試合があるのではないかと思います。今季5回めのゼロを確認した瞬間、前年のプレミアリーグで途中出場から4ゴールを決めているルベン・ロフタス=チークの姿が脳裏に浮かびました。アーセナル、レスター、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムと難敵4連戦を迎えるランパード監督にとって、ここが正念場です。
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うーん、前説が快勝だっただけに痛い敗戦ですね。後半中盤から、もしかしたら、、、という空気をヒシヒシと感じていましたがまさかのタイミング。もちろんケパ1人のせいではないのですが、メディアも騒がしくなってきました。スーパーセーブあり随分助けれていますし、コミュニケーションなのかコーチングなのか、とにかく改善は求められますね。決めるべき時に取れればどんどんのってくるのに、フラストレーションを引き摺って修正できないのも相変わらず、若いチーム。いわれているSB、エイブラハム頼りのトップに新戦力、そしておっしゃるようにロフタスチークの復帰に期待ですね。アカデミーで調整中との事で、CLくらいに復帰できれば。