2022.10.24 プレミアリーグ観戦記2022-23プレミアリーグ観戦記
【MAN.CITY×Brighton】ハイプレスとマンツーマンで真っ向勝負!王者に挑んだブライトンの恍惚と限界。
グレアム・ポッター監督の下で、6試合4勝1分1敗という素晴らしいスタートを切った頃のブライトンなら、メディアを賑わすアップセットを実現できたかもしれません。13節のアウェイゲームは、ペップ率いるマンチェスター・シティ。3-1というスコアは完敗に見えますが、実際には惜敗という言葉のほうがぴったりでしょう。
昨季プレミアリーグで、クラブ史上初のTOP10フィニッシュを達成した指揮官がチェルシーに引き抜かれ、9月19日にロベルト・デ・デルビ監督が就任。以来、プレミアリーグ4試合で2分2敗と苦しんでいますが、リヴァプール戦は6本のシュートをすべて枠に収めた3-3ドローで、0-1で敗れたトッテナム戦もシュート数14対8と強豪を上回っています。
プレミアリーグ3連覇をめざす王者とのゲームも、序盤から臆せず厳しいプレスを敢行。11分には、ボックスから出てビルドアップに参加していたエデルソンのコースを狭め、左に出したボールをインターセプトしたウェルベックがGKの頭を越すループシュートを放っています。
左サイドでデブライネがキープした15分の仕掛けは、ゴール前はハーランドのみ。左足の強引なクロスは、守護神ロベルト・サンチェスの前を横切っていきました。最初のピンチは19分。ジョアン・カンセロの縦パスでボックス左に抜け出したデブライネが、ニアに完璧なグラウンダーを送ると、GKをかわそうとしたハーランドのタッチは、ゴールラインを越えました。
VARを見ると、ロベルト・サンチェスの足がストライカーのくるぶしに入っており、PKを取られてもおかしくない状況でした。既にボールはプレーイングディスタンスになかったと判断されたのでしょうか。打ち切れなかったモンスターは、この3分後にあっさり先制ゴールをゲットしました。
エデルソンのロングキックが、ブライトンのハイラインの背後へ。飛び出してきたロベルト・サンチェスをトラップで抜き去ったハーランドは、カバーに入ったウェブスターに体をぶつけてピッチに這わせました。無人のゴールに右足で流し込み、1-0。この1発で、マン・シティの攻撃陣にエンジンがかかります。
30分にハーランドとワンツーをかわしたグリーリッシュは、浮き球を空振りして転倒するも、絡んだフェルトマンはノーファールのジャッジ。32分に、スルーパスで右サイドから抜けたベルナルド・シウヴァがグラウンダーを入れると、デブライネのダイレクトパスを左で受けたグリーリッシュはフリーでした。
ニアに強いシュートを打ってほしかった決定機は、10番がデブライネに戻したため、コースが狭くなってしまいました。ベルギー代表MFの左足シュートは、来ると読んでいたダンクがGKの前でブロック。39分に左サイドのジョアン・カンセロが浮き球を入れると、ボックス左でトラップしたベルナルド・シウヴァがダンクに引っかかって転倒しました。
笛を吹かなかったクレイグ・ポーソンさんが、オンフィールドレビューをすると宣言したのは、試合が再開して1分を経てからでした。これまでの微妙なシーンをスルーしてきたレフェリーのジャッジは、PK。何度もボールを置き直したハーランドのキックは、右隅に一直線でした。
ハーフタイムでマン・シティに2-0とされたチームは、セカンドハーフに向けてテンションを高めるのに苦労するのではないでしょうか。しかし、この日のブライトンは、希望を失っていませんでした。デブライネがカイセドを抜き去り、3対3に持ち込んだ52分のカウンターは、フリーでラストパスをもらったマフレズの一撃をロベルト・サンチェスが足でブロックしました。
この直後、GKのロングキックをラポルテが頭でクリアすると、こぼれ球を拾ったトロサールが左からドリブルで進み、ソリー・マーチとパス交換。ボックスの左コーナーから放った豪快なミドルは、エデルソンの指先を弾いてネットを揺らしました。絶好調のトロサールは、早くも今季プレミアリーグで6ゴールです。
2-1としてからのブライトンは、勇敢でした。執拗にサイドからチャレンジし、マン・シティの最終ラインを下げ、チャンスを創出。左から斬り込んでくるトロサールは脅威でした。57分のアーリークロスに飛び込んだヘッドが決まっていれば、あるいは自陣からボックス左に持ち込んだ73分のシュートがエデルソンの脇を抜けていれば、勝負は別の結果になっていたかもしれません。
マン・シティがセーフティリードを得たのは75分。左隅を狙ったデブライネのミドルは完璧でした。3-1で勝ったチームがいかに苦しかったかは、彼らのゲームらしくないスタッツに現れています。シュート数は10対8、オンターゲットは4対2といずれも僅差で、パス本数は446対471でブライトンが上回っています。
ダンクとロベルト・サンチェスをまとめてちぎられた最初の失点は、個のバトルで敗れると一気にピンチになるオールコートマンツーマンならではの攻略法。前がガラ空きだったデブライネのダメ押しゴールのシーンも、ゾーンで守るチームなら、カイセドがスペースを埋めていたはずです。
ハイプレスとマンツーマンの真っ向勝負を挑んだチームは、マン・シティのシュートチャンスを確実に減らしながらも、個の力に屈して敗れ去りました。ハーフタイムにララナをランプティに代え、トロサールがストライカーのように動けるようにした采配は当たりだったのですが、スコアをイーブンにするには至りませんでした。
それでも、自らのスタイルを貫いて堂々と渡り合ったブライトンに拍手を送りたいと思います。最後に、ちょっとした記録を紹介して、この稿を締めることとしましょう。11試合17ゴールのハーランドは、プレミアリーグでノーゴールが続いた時間を過去最長の148分に更新してしまったそうです。「150分あれば、必ず決める」と表現するべきなのかもしれませんが。
昨季プレミアリーグで、クラブ史上初のTOP10フィニッシュを達成した指揮官がチェルシーに引き抜かれ、9月19日にロベルト・デ・デルビ監督が就任。以来、プレミアリーグ4試合で2分2敗と苦しんでいますが、リヴァプール戦は6本のシュートをすべて枠に収めた3-3ドローで、0-1で敗れたトッテナム戦もシュート数14対8と強豪を上回っています。
プレミアリーグ3連覇をめざす王者とのゲームも、序盤から臆せず厳しいプレスを敢行。11分には、ボックスから出てビルドアップに参加していたエデルソンのコースを狭め、左に出したボールをインターセプトしたウェルベックがGKの頭を越すループシュートを放っています。
左サイドでデブライネがキープした15分の仕掛けは、ゴール前はハーランドのみ。左足の強引なクロスは、守護神ロベルト・サンチェスの前を横切っていきました。最初のピンチは19分。ジョアン・カンセロの縦パスでボックス左に抜け出したデブライネが、ニアに完璧なグラウンダーを送ると、GKをかわそうとしたハーランドのタッチは、ゴールラインを越えました。
VARを見ると、ロベルト・サンチェスの足がストライカーのくるぶしに入っており、PKを取られてもおかしくない状況でした。既にボールはプレーイングディスタンスになかったと判断されたのでしょうか。打ち切れなかったモンスターは、この3分後にあっさり先制ゴールをゲットしました。
エデルソンのロングキックが、ブライトンのハイラインの背後へ。飛び出してきたロベルト・サンチェスをトラップで抜き去ったハーランドは、カバーに入ったウェブスターに体をぶつけてピッチに這わせました。無人のゴールに右足で流し込み、1-0。この1発で、マン・シティの攻撃陣にエンジンがかかります。
30分にハーランドとワンツーをかわしたグリーリッシュは、浮き球を空振りして転倒するも、絡んだフェルトマンはノーファールのジャッジ。32分に、スルーパスで右サイドから抜けたベルナルド・シウヴァがグラウンダーを入れると、デブライネのダイレクトパスを左で受けたグリーリッシュはフリーでした。
ニアに強いシュートを打ってほしかった決定機は、10番がデブライネに戻したため、コースが狭くなってしまいました。ベルギー代表MFの左足シュートは、来ると読んでいたダンクがGKの前でブロック。39分に左サイドのジョアン・カンセロが浮き球を入れると、ボックス左でトラップしたベルナルド・シウヴァがダンクに引っかかって転倒しました。
笛を吹かなかったクレイグ・ポーソンさんが、オンフィールドレビューをすると宣言したのは、試合が再開して1分を経てからでした。これまでの微妙なシーンをスルーしてきたレフェリーのジャッジは、PK。何度もボールを置き直したハーランドのキックは、右隅に一直線でした。
ハーフタイムでマン・シティに2-0とされたチームは、セカンドハーフに向けてテンションを高めるのに苦労するのではないでしょうか。しかし、この日のブライトンは、希望を失っていませんでした。デブライネがカイセドを抜き去り、3対3に持ち込んだ52分のカウンターは、フリーでラストパスをもらったマフレズの一撃をロベルト・サンチェスが足でブロックしました。
この直後、GKのロングキックをラポルテが頭でクリアすると、こぼれ球を拾ったトロサールが左からドリブルで進み、ソリー・マーチとパス交換。ボックスの左コーナーから放った豪快なミドルは、エデルソンの指先を弾いてネットを揺らしました。絶好調のトロサールは、早くも今季プレミアリーグで6ゴールです。
2-1としてからのブライトンは、勇敢でした。執拗にサイドからチャレンジし、マン・シティの最終ラインを下げ、チャンスを創出。左から斬り込んでくるトロサールは脅威でした。57分のアーリークロスに飛び込んだヘッドが決まっていれば、あるいは自陣からボックス左に持ち込んだ73分のシュートがエデルソンの脇を抜けていれば、勝負は別の結果になっていたかもしれません。
マン・シティがセーフティリードを得たのは75分。左隅を狙ったデブライネのミドルは完璧でした。3-1で勝ったチームがいかに苦しかったかは、彼らのゲームらしくないスタッツに現れています。シュート数は10対8、オンターゲットは4対2といずれも僅差で、パス本数は446対471でブライトンが上回っています。
ダンクとロベルト・サンチェスをまとめてちぎられた最初の失点は、個のバトルで敗れると一気にピンチになるオールコートマンツーマンならではの攻略法。前がガラ空きだったデブライネのダメ押しゴールのシーンも、ゾーンで守るチームなら、カイセドがスペースを埋めていたはずです。
ハイプレスとマンツーマンの真っ向勝負を挑んだチームは、マン・シティのシュートチャンスを確実に減らしながらも、個の力に屈して敗れ去りました。ハーフタイムにララナをランプティに代え、トロサールがストライカーのように動けるようにした采配は当たりだったのですが、スコアをイーブンにするには至りませんでした。
それでも、自らのスタイルを貫いて堂々と渡り合ったブライトンに拍手を送りたいと思います。最後に、ちょっとした記録を紹介して、この稿を締めることとしましょう。11試合17ゴールのハーランドは、プレミアリーグでノーゴールが続いた時間を過去最長の148分に更新してしまったそうです。「150分あれば、必ず決める」と表現するべきなのかもしれませんが。
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