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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Fulham】史上最高額のMFは上々、ムドリクは空回り…新生チェルシーはドロー発進!

初めてのシュートは72分。カイ・ハヴェルツが右サイドから上がり、中に入れたパスをハリソン・リードがカットすると、こぼれ球を拾って迷わず打ったミドルシュートは左に切れていきました。プレミアリーグレコードとなる1億600慢ポンドの新戦力、エンソ・フェルナンデスは、初戦からフル出場です。

フライデーナイト開催のプレミアリーグ22節、チェルシーVSフラムのロンドンダービー。グレアム・ポッター監督は、冬のマーケットで獲得した3人を先発で起用しました。チアゴ・シウヴァとコンビを組むバディアシル、コナー・ギャラガーと並んでエンソ・フェルナンデス、左サイドにムドリク。立ち上がりから攻めているのは、7位に食い込んでいるアウェイチームです。

開始7分、復帰初戦のリース・ジェームズとパリ移籍が破談となったツィエクが、アントニー・ロビンソンに一気にちぎられますが、ニアにクロスを入れたのはゴールラインを越えてから。FKから右サイドでつないだフラムの波状攻撃は、ボビー・リードをケアしていたチアゴ・シウヴァがクロスに冷静に対応しました。

エンソ・フェルナンデスは、最終ラインに寄ってビルドアップを仕切っています。18分に左から仕掛けたのはククレジャ。並走していたメイソン・マウントがボックス左手前から打ったシュートはブロックされ、高く上がったクリアに反応したカイ・ハヴェルツは、リームに押さえられて打ち切れません。

20分にチアゴ・シウヴァが前線に浮き球を入れると、CBの間から抜け出したカイ・ハヴェルツの左足アウトは、レノが右足を伸ばしてストップ。決定的なシーンでしたが、ジャッジはオフサイドのようです。24分にククレジャの縦パスをインターセプトしたパリーニャは、すかさず中のアンドレアス・ペレイラへ。強烈なミドルは、ケパが右に飛んでセーブしました。

エンソ・フェルナンデスの素晴らしいフィードが、ラインぎりぎりから飛び出したメイソン・マウントに届いたのは32分。左足のグラウンダーに走り込んだカイ・ハヴェルツは、スライディングシュートが1歩及ばす、ボールは右に逸れていきます。33分には、ラインの裏に上がった浮き球をカイ・ハヴェルツがキープ。左足のシュートは、ポストの脇に外れました。

前半最大の決定機は45分。ボックス左に出したツィエクのロングフィードが絶妙でした。フリーで収めたカイ・ハヴェルツは、飛び出したレノを見て頭越しにシュート。ボールはニアポストにヒットし、0-0のままでハーフタイムとなりました。グレアム・ポッター監督の最大の誤算は、期待のムドリクがまったく機能しなかったことでしょう。

ウクライナのスピードスターは前半で下がり、代わって入ったのは1月にPSVから移籍したノニ・マドゥエケ。後半開始直後に右に流れながら放ったウィリアンのシュートは、ケパが落ち着いてキャッチしています。フラムのアタックはシンプルで、奪ったらすかさずサイドに展開し、早めにクロス。1発決まったら、チェルシーは苦しくなります。

54分には、コナー・ギャラガ―との連携でリース・ジェームズが右から上がり、ファーにクロスをフィード。ノニ・マドゥエケが決めるかと思われた瞬間、テテが前に飛び込んでクリアしました。59分、ウィリアンがカットインから中に転がし、アンドレアス・ペレイラのシュートがブロックされると、コナー・ギャラガ―から奪ったパリーニャのシュートは左に外れました。

60分にリース・ジェームズとツィエクが下がり、スターリングとアスピリクエタがピッチへ。69分にウィリアンが仕掛けた速攻は、ファーでクロスを受けたボビー・リードのシュートがケパの正面です。1分後、ケパが前に出ているのを見たミトロヴィッチが、ハーフライン付近から超ロングシュート。枠にいっていたボールは、戻ったGKが両手で弾き落としました。

75分、メイソン・マウントに代わってダヴィド・ダトロ・フォファナ。ホームチームの79分のアタックは、クリアを叩いたコナー・ギャラガ―の一撃が右のポストの脇を抜けていきます。直後、コナー・ギャラガーのロングフィードで抜けたダトロ・フォファナは、レノを抜いて打った決定的なシュートをゴール前に戻ったリームにクリアされてしまいました。

チェルシーのオンターゲットは、CKにチアゴ・シウヴァが合わせた当たり損ねのヘッド、ダトロ・フォファナの一撃、終了間際にスターリングがゴール右隅に浮かしたボールのみ。スコアレスドローは、妥当な着地でしょう。

注目のエンソ・フェルナンデスは、シュート1本とチャンスクリエイト1回、ロングフィード6本、タックル成功5回、デュエルは8勝3敗と上々のスタート。ジョルジーニョの仕事をこなしつつ守備の貢献度も高く、今後が楽しみです。チャンスメイクが目を引いたノニ・マドゥエケと、決定機を創ったダトロ・フォファナも及第点。はまらなかったムドリクは、時間がかかりそうです。

年明けのプレミアリーグは1勝3分2敗、6試合でたったの3ゴール。得点力不足という課題を解決できていないポッター監督は、新戦力を活用して苦境を乗り越えられるでしょうか。次節もウェストハムとのロンドンダービー。ジョアン・フェリックスが復帰すれば、個人力が上がるのは間違いなさそうですが、サイドの連携は、ゴール前の厚みは、速攻とセットピースの精度は…!?


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