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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Wolves×Liverpool】連携ミス、緩いマーク…開始からわずか12分、致命的な2失点を振り返る。

ブレントフォードに3-1で敗れたときは、マンチェスター・シティを屠った好調のチームゆえ、こんなこともあると思いました。ブライトンに3-0で完敗したゲームは、指揮官が「本当にひどい」と嘆く内容ではあったものの、チェルシーを4-1で下したチームが強かったという説明で終わらせることができました。

しかし、今回は直近2回の惨敗とは違います。ウルヴスに3-0…!? 17位に沈むクラブは、20試合で12発と今季プレミアリーグ最少得点。ビッグ6には5戦全敗でノーゴールです。敵地モリニューとはいえ、勝たなければならない相手だったのですが、レッズの守備陣は立ち上がりから混乱していました。

2分のウルヴスの速攻では、左サイドに4人が寄ってしまい、ボックス手前にいたマテウス・クーニャがフリー。セメドのパスをチアゴ・アルカンタラがカットした後、ロバートソンの縦のフィードをカットされ、結局ノーマークのマテウス・クーニャに打たれてしまいました。

この強烈なミドルは、アリソンがセーブ。4分には、自陣でのアーノルドのスローインをあっさり奪われ、マテウス・クーニャのパスを受けたファン・ヒチャンにきわどいラストパスを通されました。ラインぎりぎりでトラップしたサラビアのシュートは、左にアウト。オウンゴールを献上したのは、この直後でした。

セメドが縦に出したボールを右サイドのサラビアがキープし、突破は無理と見てルベン・ネヴェスに戻すと、リターンからサラビアがボックス右に浮き球をフィード。ファン・ヒチャンの前に落ちた瞬間、マティプが足を止めたのは、ジョー・ゴメスが戻って対応すると思ったからでしょう。

相棒は間に合わないと知り、慌てて着いたマティプの足に折り返しのボールが当たり、左のサイドネットに飛び込んでしまいました。先制された直後のマティプは、ミスを悔やむ表情ではなく、味方に抗議するような顔をしていました。失点を喫したとはいえ、残り時間は84分。落ち着いてゲームを支配すれば、いずれ追いつけるはずです。

プレスを嫌がるウルヴスは、サラビアとマテウス・クーニャの2トップにロングフィードを入れるだけ。簡単に2点めを決められるはずはないと思っていたのですが…11分の失点はセットピースでした。右から蹴ったルベン・ネヴェスのFKを、ニアにいたマテウス・クーニャがトラップ。ロバートソンのチェックは中途半端で、あっさりクロスを入れられてしまいました。

アリソンが弾いたボールを、キルマンが頭でプッシュ。コーディー・ガクポに当たったボールが、ハマーズから来たばかりのクレイグ・ドーソンの足元に落ちました。強烈なシュートがネットに突き刺さり、2-0。年明けからのプレミアリーグ4試合で、たった1ゴールのレッズにとっては絶望的なギャップです。

往復ビンタを喰らったリヴァプールは、攻めに転じながらも決定機を創れず。直近のプレミアリーグ4試合でノーゴールのサラーの見せ場は、DFを背負って体を張ったナビ・ケイタの落としを受けた20分のコントロールショットと、62分の速攻でコーディー・ガクポのパスをもらい、左に外したシーンのみでした。

ハーフタイムは2-0。ガクポ、ロバートソン、ダルウィン・ヌニェスでボックス左を崩した51分の決定機を活かせていれば、1ポイントはゲットできたかもしれません。ダルウィン・ヌニェスの折り返しがフリーのナビ・ケイタに通ると、右足の強烈な一撃はキルマンがブロック。下げていた腕に当たっただけでは、PKは取ってもらえません。

66分にロバートソンが自陣ボックス手前で致命的なパスミス。ラウル・ヒメネスのパスがアダマ・トラオレに渡ると、左足のシュートはジョー・ゴメスがブロックしました。この流れから、アーノルドのロングフィードでダルウィン・ヌニェスがGKと1対1。右足のフィニッシュは、コースを塞いだジョゼ・サが足でクリアしています。

勝負が決したのは71分。CBが上がっている状態でバイチェティッチが奪われ、カウンターを仕掛けたアダマ・トラオレが中央に完璧なグラウンダーを入れました。マティプとジョー・ゴメスの間がぽっかり空いているのを見たルベン・ネヴェスが中央に入り込み、アリソンの目の前から右隅にゲット。CBの連携と奪われ方の悪さというレッズの課題が浮き彫りになった失点でした。

シュート数は12対22、しかしオンターゲットは6対4で、決定機は6対1。シュートとチャンスのスタッツは、どちらが勝者にふさわしかったかを雄弁に物語っています。ロングフィードの処理が遅かったマティプがマテウス・ヌネスに奪われた26分のピンチで、1対1をアリソンがストップしなければ、ハーフタイムを待たずに勝負は決まっていたでしょう。

11月からの年末までのプレミアリーグは4連勝だったレッズは、年明けの公式戦を1勝2分4敗と絶不調に陥っています。最大の理由は、ファン・ダイクの不在でしょう。1月2日のブレントフォード戦でハムストリングを痛めたCBがハーフタイムに退いてから、6試合と45分で12失点を喫しています。

中盤と最終ラインを補強しなかったクロップ監督は、現有戦力で難局を乗り切ることができるでしょうか。ファン・ダイクが戻ってくるまで2週間、コナテは3週間といわれています。次節はマージーサイドダービー。ショーン・ダイク率いるエヴァートンは、首位アーセナルに勝ったばかりです。


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