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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×MAN.CITY】冨安、痛恨のミス…敵陣奪取からの速攻が冴えたマン・シティが3発完勝!

アルテタ監督は前節から2枚チェンジ。ペップはヴィラ戦の3-2-4-1をそのままぶつけてきました。プレミアリーグ12節の延期試合、アーセナルVSマンチェスター・シティ。首位と2位のシックスポインターは、2022-23シーズンの最注目カードといっていいでしょう。

まずはホームのアーセナルから、スタメンを紹介しましょう。膝を痛めてリタイアしたトーマスのポジションには、初先発のジョルジーニョ。右サイドには、冨安が入っています。GKラムズデール、DF冨安健洋、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ、MFジョルジーニョ、ジャカ、ウーデゴーア。前線はいつものサカ、エンケティア、マルティネッリです。

対するマン・シティは、3-1で勝った前節から、ラポルテがナタン・アケに代わっただけです。GKエデルソン、3バックはカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、ナタン・アケ。セントラルMFにロドリとベルナルド・シウヴァ、2列めにマフレズ、デブライネ、ギュンドアン、グリーリッシュ、ワントップにハーランドという布陣です。

キックオフから、マン・シティはハイプレス。2分にマルティネッリがドリブルで上がり、外にいたエンケティアがシュートをブロックされると、フォローしたジャカは打ち上げてしまいました。6分に右サイドに出たハーランドは、ガブリエウとジンチェンコを強引に抜いて、マフレズにつなぎました。クロスを止めてシュートは喰らわなかったものの、やはり9番は要注意です。

10分に中央突破を図ったベルナルド・シウヴァは、必死に戻ったサカがストップ。12分には、デブライネのパスをジョルジーニョがインターセプトし、エンケティアを走らせるラストパスを通しました。右足のシュートは、ルベン・ディアスがブロック。16分にマフレズがファーにクロスを送ると、冨安の裏を取ったハーランドの折り返しは、ゴール前を横切っていきました。

プレスが厚いマン・シティに対して、縦のボールを通せないアーセナル。22分の波状攻撃から、ジンチェンコの完璧なクロスがエンケティアに入りますが、頭を振ったストライカーは右に外してしまいました。24分、富安が痛恨のバックパスミス。ラムズデールの前に出たデブライネが、ダイレクトで左ポストの内側に収めました。

28分、左から仕掛けたのはマルティネッリ。クロスがカットされて跳ね上がり、フリーで待っていた冨安の足元に入るも、左足のボレーはバーを越えていきます。ジョルジーニョ、ジャカ、ウーデゴーア、サカと短くつないだ29分のアタックは、フリーだった7番が打つタイミングを逸し、苦し紛れの折り返しをカットされました。

39分、ジャカの浮き球でエンケティアがボックス左に出ると、飛び出したエデルソンの脇を抜いたフィニッシュは、ゴールライン上でナタン・アケがクリア。PKを示すホイッスルは、GKがストライカーを倒したという判断でしょう。サカが落ち着いて左隅に決め、1-1。エミレーツのサポーターは、愛するクラブの名を連呼しています。

45分、マン・シティのスローインからのアタックは、こぼれ球を拾ったハーランドのシュートをサリバがブロック。追加タイム5分にマフレズが左からFKを蹴ると、富安のクリアに反応したロドリのヘッドは、ナタン・アケに当たってクロスバーを叩きました。前半はイーブン。シュート数は7対4ですが、オンターゲットは1対1で、互角の展開といっていいでしょう。

後半開始からしばらくは、マン・シティのポゼッション。51分にラインの外でトラップしたアルテタ監督は、デブライネを軽くかわして突き飛ばされました。56分、ボックス右脇でキープしたサカがジョルジーニョに落とすと、中央のエンケティアに送ったきわどいラストパスはエデルソンがキャッチしています。

直後、ガブリエウがハーランドを倒して取られたPKは、VARがオフサイドを指摘して取り消し。61分のマフレズをアカンジは、4-3-3にシフトするということでしょう。66分にウーデゴーアのパスでオーバーラップした冨安は、高速のアーリークロスがわずかにずれ、エンケティアの足元を横切っていきました。

69分にジンチェンコが自陣左で奪われたピンチは、ベルナルド・シウヴァのパスに飛び出したラムズデールが、ハーランドのタッチを懐に収めました。71分、マン・シティの勝ち越しゴールは、敵陣でガブリエウのパスを奪ったベルナルド・シウヴァが起点でした。

右から上がったハーランドが中央に転がすと、ギュンドアンがスルーしたボールに走り込んだのはグリーリッシュ。フリーのダイレクトショットがラムズデールの脇を抜きました。77分、マルティネッリがトロサールに代わると、殊勲の10番はフォーデンにチェンジ。79分にジンチェンコの浮き球で抜け出しかけたトロサールは、転倒を取ってもらえません。

勝負が決したのは82分。右サイドでトロサールから奪ったのは。またもベルナルド・シウヴァです。中央のロドリから右のギュンドアン、縦にデブライネとつながり、ボックス右からの折り返しをトラップしたハーランドが右足で流し込みました。直後、アルテタ監督は冨安とジャカを下げ、ベン・ホワイトとファビオ・ヴィエイラを投入しています。

87分のデブライネをカルヴァン・フィリップスは、勝利宣言のようです。89分にサカのクロスを頭で合わせたエンケティアは、またも外に逸らしてしまいました。追加タイムは、静かなるエミレーツ。マンチェスター・シティが1-3で畳み、プレミアリーグの首位を奪還しました。対アーセナルは7連勝、エミレーツでも7連勝です。

後半の2ゴールは、いずれも敵陣右サイドで奪ったショートカウンター。ペップの4バックシフトは、サイドに厚みをもたせる意図だったのでしょう。狙いはガブリエウの脇と裏。クロスの大半は、このエリアから出ています。本職がCBのフルバックとサリバに、サカが加わるサイドより、本職がMFのフルバックが中央に出ていくサイドのほうが崩せると考えたのでしょう。

シュート数は10対9ながら、オンターゲットは1対6。パス成功率は83%対73%、敵陣でのパスは177対98。プレスでパスコースを切り、シンプルなアタックを繰り返したマン・シティの完勝でした。ウーデゴーアは封じられ、何度か効果的なパスを通していたジョルジーニョは、守備ではトーマスに及ばないと感じさせるシーンが目立ちました。

「Error led to goal」。守備力を期待された冨安は、最も避けたかったスタッツを残してしまいました。自らの失敗を取り返すべく積極的に前に出たものの、ボレーは枠にいかず、クロスは1本のみ。今はただ、次のチャンスを活かしてほしいとしかいえません。

得失点差で2位となったアーセナルは、1試合消化が少ないというアドバンテージを握りしめています。気持ちを切り替え、ヴィラ、レスター、エヴァートン、ボーンマスに勝ち続けるしかありません。

ハーランドとデブライネが決めるという最高の形でライバルを倒したマン・シティは、新たな布陣がはまりそうな予感が漂っています。リヴァプールとの厳しいマッチレースを制してきた王者は、しばらくは負けないのではないでしょうか。ビッグ6&ニューカッスルとの直接対決4試合は、すべてエティハドです。


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“【Arsenal×MAN.CITY】冨安、痛恨のミス…敵陣奪取からの速攻が冴えたマン・シティが3発完勝!” への1件のコメント

  1. ペップの街 より:

    シティは、不正問題やら色々あってモチベーションを保つのが難しいのではと心配しましたが、素晴らしいゲームでスッキリさせてくれました。ペップがロッカールームでどうやって士気を鼓舞したのか、偉大なモチベーターであることは間違いありません。この先チームがどうなろうと今日のチームはペップの率いた最高のチームでした。アーセナルも胸突き八丁で厳しいゲームが続きますね。メンバー固定の勤続疲労をどうやりくりしてコンディションを維持できるか見ものです。我儘な希望としてはアルテタがプレミア初戴冠、シティがCL頂上に輝けば最高なんですが。富安挫けるな!頑張れ!

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