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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Nottingham Forest×Chelsea】リース・ジェームズが復活!来季の主力が躍動した鮮やかな逆転劇。

17位のノッティンガム・フォレストに、20本のシュートを許しながらも2-3。きわどい勝利でしたが、収穫の多い一戦ともいえるでしょう。プレミアリーグ3連勝のチェルシーは勝ち点を57に伸ばし、6位ニューカッスルに並びました。ブライトンとボーンマスに連勝すれば、EL出場権を獲得できるかもしれません。「スパーズが最下位に敗れる」という難しい条件付きではありますが。

この試合の流れに沿って、ポチェッティーノ監督が得た収穫を確認していきましょう。開始2分にいきなりピンチ。右に出たボリのロングフィードで、クリス・ウッドがペトロヴィッチと1対1になりました。しかし右足のループシュートは角度がつかず、GKが両手で叩き落として失点を回避。チームメイトに落ち着きをもたらしたセービングは、勝因のひとつといっていいでしょう。

MSLのニューイングランド・レボリューションから来たセルビア代表GKは、移籍金1400万ポンド。高額の新戦力が多いチェルシーのなかで、昨夏の最大の掘り出し物といえそうです。ピンチをしのいだチェルシーは、8分に先制。左に出てパスを受けたコール・パルマ―が、ボリとモンティエルの間を通したスルーパスは絶品でした。

ボールはCBの裏に出たムドリクの足元にぴったり。しばしばミスタッチでチャンスを逃す10番は、左足のトラップも右隅へのフィニッシュも間違えようがありませんでした。今季プレミアリーグで32試合21ゴール10アシストのコール・パルマーの未来は、モー・サラーか、あるいはマルティン・ウーデゴーアか。彼の市場価値は、既に1億ポンドを超えているのではないでしょうか。

あっさり先制したチェルシーは、16分に追いつかれてしまいます。ギブス=ホワイトが左から浮かしたFKをヘッドで押し込んだのはボリ。ニコラス・ジャクソンが追うのをやめたため、ゴール前でフリーになってしまいました。勝ち越しのチャンスを得たのは33分。右からコール・パルマ―が出した斜めのスルーパスで、ニコラス・ジャクソンがGKセルスと1対1になっています。

ニアを狙ったフィニッシュはセルスが足に当て、勝ち越しならず。22歳のセネガル代表FWが積み上げたビッグチャンスミス23回は、ハーランドとダルウィン・ヌニェスに次ぐリーグ3位です。3月以降の11試合で31ゴールと、得点力不足を解消したチェルシーですが、ストライカーの決定力は来季の課題のひとつでしょう。

ポゼッション71%とゲームを支配したブルーズですが、シュート数は10対5と半分に留まっています。ポチェッティーノ監督は、ハーフタイムにクロスに対するマークの修正を図ったのではないでしょうか。後半に入ってからしばらくは、ノッティンガム・フォレストのペース。53分に右隅を狙ったイエーツのミドルは、ポストにヒットしています。

57分の決定機を生み出したのは、古巣対決のハドソン=オドイ。縦に仕掛けてノニ・マドゥエケをかわし、ファーポスト際にクロスを上げると、ギブス=ホワイトのヘッドはニアポストに阻まれました。こぼれ球に足を出したクリス・ウッドは、バーを越えたボールを見て肩を落としています。体の後ろに出たボールを、枠に収めるのは難しかったというしかありません。

ホームチームが勝ち越したのは74分。ギブス=ホワイトのパスを左で受けたハドソン=オドイが、切り返しから右足で右隅に収めました。58分にノニ・マドゥエケと代わって右サイドに入ったマロ・グストは、振りの速いシュートに対応できず。劣勢となったチェルシーは、残り15分で逆転できなければ、ヨーロッパリーグの出場権に手が届かなくなります。

チームを救ったのは、不遇のベテランウインガーと復活したキャプテンでした。いや、2ゴールとも、中央からきれいなパスを通したカイセドも称えなければなりません。80分に左サイドでボールをもらったスターリングは、カットインから鋭いシュートを右隅へ。82分の逆転ゴールは、マロ・グストのパスをダイレクトで右サイドに送ったカイセドの判断が実を結びました。

フリーでボックス右に走り込んだのは、5ヵ月ぶりのプレミアリーグとなるリース・ジェームズ。ノートラップでファーに入れたクロスは完璧で、ニコラス・ジャクソンのヘッダーがネットに突き刺さりました。感極まってスタンドに飛び込んだストライカーは、イエローカードの枚数を2ケタに乗せています。

ビッグセーブを披露したペトロヴィッチ、超絶スルーパス連発のコール・パルマー、パスワークが冴えたカイセド、直近3戦で4発のニコラス・ジャクソン、復活したリース・ジェームズ…。来季の主力が躍動した鮮やかな逆転劇。時間はかかったものの、チームを立て直したポチェッティーノ監督を解任する理由はないでしょう。

「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者は、ノッティンガム・フォレスト戦について、「早すぎる離婚が不要であることを示す証拠となった」と評しています。左サイドとCBを強化すれば、TOP4をめざせるレベルに戻れるでしょう。長期離脱を強いられたエンクンク、ラヴィア、フォファナが戻ってくる来季が楽しみです。


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