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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Aston Villa×Arsenal】痛恨ワトキンス、圧巻トロサール!終盤の2発でアーセナル、快勝!

昨シーズンは、ウナイ・エメリがダブル達成。180分間ノーゴールだったアーセナルは、リベンジを果たせるでしょうか。プレミアリーグ2節、アストン・ヴィラVSアーセナル。膝を痛めた冨安健洋に続いて、ガブリエウ・ジェズスも鼠径部のケガで欠場となっています。劣勢を強いられた際に、アルテタ監督が使える前線のカードは、ネルソン、エンケティア、トロサールのみです。

いよいよキックオフ。ヴィラパークに登場したアウェイチームの布陣を紹介しましょう。GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ティンバー、MFトーマス、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。立ち上がりのアーセナルのビルドアップに対して、4-4-2で対応するヴィラはハーフラインを越えたところで構えています。

偽SBのティンバーは、中央へ。ヴィラの最終ラインがガナーズの厳しいプレスをかいくぐると、スタンドから大きな歓声が沸き起こります。7分に左からカウンターを仕掛けたマルティネッリは、逆サイドのサカへのラストパスがずれてしまい、7番のファーへのクロスをエミリアーノ・マルティネスが弾くと、デクラン・ライスの左足シュートはGKの正面に飛んでしまいました。

サカがウーデゴーアに預け、ボックス右でリターンをもらったのは16分。左足の鋭いシュートは、エミリアーノ・マルティネスのビッグセーブに阻まれました。CKの混戦からカイ・ハヴェルツがポストに当てたシーンは、ファールがあったようです。ハムストリングを痛め、ピッチから出ていたマッティ・キャッシュは、ネデリコヴィッチに後を譲っています。

20分には、右サイドでターンしたレオン・バイリーがピッチに倒れ込んでしまいました。すぐに立ち上がった31番は、24分のプレスでガブリエウから奪い、モーガン・ロジャースがフリーのオリー・ワトキンスにラストパスを転がします。右足のダイレクトショットが決まったかと思いきや、まさかのミスタッチで左にアウト。ヴィラのラインは、序盤より高くなっています。

31分のヴィラのカウンターをサリバがカットすると、左サイドからマルティネッリがスプリント。パスをもらって前を向いたトーマスのミドルは、GKの頭上を越えていきました。33分、デクラン・ライスの縦のスルーパスでラインの裏に出たカイ・ハヴェルツは、中央に走り込んだサカへのラストパスをレオン・ベイリーにカットされました。

デクラン・ライスが斜めに出した高速パスが、ボックス左のマルティネッリに通ったのは39分。ニアへのグラウンダーに走り込んだカイ・ハヴェルツはプレッシャーを受け、打ち切れません。センターサークルにいたモーガン・ロジャースが、4人を次々とかわしてゴール左に出たのは41分。オリー・ワトキンスへのラストパスは、ラヤが体を伸ばしてキャッチしています。

ハーフタイムは0-0、シュートは3対4、オンターゲットは1対2。ポゼッション69%のアーセナルは、明らかにやりにくそうです。サカはディーニュとマッギンに囲まれ、マルティネッリはカットインを封じられ、カイ・ハヴェルツが勝負できるシーンは1回だけでした。ウーデゴーアは打ってくると思わせるプレイがないため、ヴィラの最終ラインを守りやすくしている感があります。

このまま速攻に徹してもOKのエメリに対して、アルテタは手を打たなければ難しい展開になりそうです。後半も両者のペースは変わらず。ガナーズの中盤は、モーガン・ロジャースに要注意です。左から上がったモーガン・ロジャースが中央のアマドゥ・オナナに預けたのは54分。ガブリエウに当たったシュートはバーにヒットし、ボールはオリー・ワトキンスの前に落下しました。

決定的なダイビングヘッドは、ラヤが左に弾き出すビッグセーブ。61分のカウンターは3対5でしたが、モーガン・ロジャースがトーマスを抜き去り、強引に左足で狙いました。ボールはガブリエウの足に触れてCK。ベン・ホワイトやティンバーが思い切って上がるシーンが少ないのは、これがあるからでしょう。

サカがウーデゴーアに預け、絶妙な縦のスルーパスでGKの前に躍り出たのは64分。打てないと見た7番が左に流すと、味方のフォローがなくクリアされてしまいました。65分にオリー・ワトキンスとマッギンが下がり、ジョン・デュランとジェイコブ・ラムジーが入ると、アルテタ監督もマルティネッリをトロサールにチェンジしました。

66分、左からFKを蹴ったのはディーニュ。ファーのコンサのボレーは、惜しくも左に外れました。1分後、ウーデゴーアのパスをゴールラインまで追ったサカがぎりぎりで折り返すと、カイ・ハヴェルツとモーガン・ロジャースが競ったボールが中央に流れ、トロサールのダイレクトショットがネットを揺らしました

0-1となり、ヴィラがギアチェンジ。アーセナルはマイボールになるとスローに落とし、速攻の脅威を軽減しています。トーマスはモーガン・ロジャースに負け続けており、デクラン・ライスをアンカーに下げたほうがいいかもしれません。追加点を狙うか、ゲームを殺すか。難しい時間帯に、ガブリエウの浮き球でラインの裏を取ったのはトロサールでした。

左からのグラウンダーはゴール前を横切り、ボックス右でサカがキープ。落としを受けたトーマスは、パウ・トーレスの外を巻く絶妙なコントロールショットを放ちました。一瞬見失ったエミリアーノ・マルティネッリは弾き切れず、0-2。アルテタ監督は80分にティンバーを下げ、カラフィオーリを投入しています。

直後、自陣からのFKをトロサールが巧みなタッチでボックス左に流すと、デクラン・ライスが縦に突破して中央にグラウンダー。走り込んだウーデゴーアは、枠に収めればOKのボールを打ち上げてしまい、頭を抱えています。83分の速攻から、トロサールが放ったミドルはバーの上。80分のジェイコブ・ラムジーの独走は、サリバが追いついてコースを切り、ラヤがセーブしました。

88分、サカに代わってリース・ネルソン。追加タイムは4分です。91分のロス・バークリーのミドルは、明らかにアウト。カイ・ハヴェルツは、決められないならこっちで貢献とばかりにチェイシングを続けています。タイムアップの笛が鳴った瞬間、ラヤがガッツポーズ。今日のMVPはビッグセーブで先制を許さなかった守護神と、2ゴールに絡んだトロサールでしょう。

サカの折り返しは、カイ・ハヴェルツとモーガン・ロジャースに当たっており、瞬時の判断で右隅に収めるのは難しいボールでした。ネデリコヴィッチと対峙して止められたマルティネッリに対して、外に開いたり裏に出たりしながらSBの視界から消えたトロサールの技ありの勝利。昨季プレミアリーグで12ゴールをゲットしており、今やガナーズに欠かせない存在です。

2つのゴールを直接お膳立てしたサカも、2人のマークを受けながら素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。モーガン・ロジャースに振り回されたトーマスは、攻撃時のパスワークとクレバーなゴールでトータルプラスという評価でいいでしょう。セービングもクロス処理も的確だったラヤと、驚異のスプリントでジェイコブ・ラムジーを追い詰めたサリバにも拍手です。

ノーゴールで敗れたアストン・ヴィラは、オリー・ワトキンスの2つのビッグチャンスミスが致命傷となってしまいました。後半開始から20分はペースをつかんでいただけに、先制できなかったのが悔やまれます。とはいえ、アマドゥ・オナナとモーガン・ロジャースの攻め上がりは脅威で、新戦力を加えた中盤のパスワークは向上するでしょう。エミレーツでの再戦が楽しみです。

アーセナルの次節は、マンチェスター・ユナイテッドを倒して連勝スタートのブライトン。ヤンクバ・ミンテ、ジョアン・ペドロ、アディングラ、三笘薫と個の力でゴールに迫れるアタッカーが揃っており、中盤と最終ラインの連携が求められます。左サイドの先発は、カラフィオーリとトロサールでしょうか。アルテタ監督の采配に注目しましょう。(レアンドロ・トロサール 写真著作者/Supporterhéninois)


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