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【Liverpool×Bournemouth】指揮官の抜擢を正解にしたダルウィン・ヌニェスの復活ゴール!

遠藤航がボーンマス戦のベンチからも外れたのは、「カラバオカップのウェストハム戦は頼む」という意味合いでしょうか。3回戦という早いラウンドでプレミアリーグ対決とクジ運に恵まれなかったスロット監督は、ボーンマスに対して3-0とリードしながら、3枚しかカードを切らずにタイムアップを迎えています。

スコアほど、ラクな展開ではなかったのは確かです。それでもアンフィールドでセーフティリードという状況は、チーム全体に戦術を浸透させたい新監督にとって、サブの選手を実戦で試す絶好のチャンスです。ジョー・ゴメス、ブラッドリー、クアンサーも投入せず、2枚余らせたのは、水曜日のゲームを気にしたからかもしれません。

さて、ここからは、ボーンマス戦を振り返りましょう。この試合は、「リヴァプールのストライカーたちの個人力を見せつけられた一戦」です。開始4分にセメンヨがスライディングで決めたシーンがオフサイドになってからは、完全なるレッズペース。8分にロバートソンの縦パスを受けたルイス・ディアスは、カットインからアラウホをかわして右足を振り抜きました。

いきなり先制かと息を呑んだ鋭い1発は、ケパ・アリサバラガが上に弾いてCK。自陣にいたマック・アリスターの素晴らしいロングフィードが、最終ラインの手前で待っていたサラーに届いた13分の決定機は、右からニアに打ったシュートをケパが左手でセーブしました。このシーンは、その後の3つのゴールと同じような展開です。

さらに2分後、コナテが右に出したボールをサラーがダイレクトでゴール前へ。トラップしたダルウィン・ヌニェスが振り向きざまに放った左足シュートは、ケパががっちりキャッチしました。22分にロバートソンのパスを左サイドで受けたルイス・ディアスは、3人に囲まれていたのですが、一気に抜き去ってゴール左に持ち込みました。

角度のないところから放ったシュートはケパがブロック。明らかに絶好調の7番は、26分にGKのミスをゴールにつなげました。負傷したアリソンの代役のケレハーが、右にいたコナテにパス。ここまではよくあるビルドアップですが、ゆっくり上がったCBは、中央に絞っていたルイス・ディアスの動き出しを視界に捉えていました。

ボックス手前に上がったハイボールに反応したケパは、飛び出したからには触らなければなりません。しかしGKを背中で意識しながら腿でトラップしたルイス・ディアスは、ボールを落とした位置もゴールに向かうワンタッチも完璧で、無人のゴールにあっさり流し込みました。1-0となった2分後、ドリブルで中央にカットインしたのはアーノルドです。

4対4のカウンターだったのですが、後方からのショボスライのスプリントによって、外にいたルイス・ディアスが空いています。ボックス左にラストパスが出て、アラウホが気づいたときにはケパと1対1になっており、左足のフィニッシュがGKの股間を抜きました。反撃に出たボーンマスを絶望させる3点めは、37分。自陣ボックスでケレハーからボールを託されたコナテが起点です。

ロングフィードは右サイドのダルウィン・ヌニェスへ。頭でサラーに落としたストライカーは、きれいなリターンをもらって縦に突破を図りました。中央にはルイス・ディアスしかおらず、自分で打つと決めた9番は、切り返しでザバルニーをかわすと左足一閃。ファーポストを叩くスーパーショットは、今季プレミアリーグ初ゴールです。

3つのゴールに必要だったパスは1本、1本、2本で、ストライカーが巧みなタッチでゴールに向かってズドン。あまりにも鋭利な刃を突き付けられたボーンマスは、斬られた痛みを感じなかったのではないでしょうか。後半開始から攻めていたボーンマスは、セメンヨが50分、54分と連打するも、レッズサポーターは自分たちの攻撃の際のジャッジにブーイングを続けています。

弛緩した空気と時折聞こえる優しい拍手は、「勝負は決まりましたよ」とアウェイチームをたしなめているかのようです。61分にショボスライをカーティス・ジョーンズ、72分にルイス・デイアスとダルウィン・ヌニェスが下がって、ガクポとフェデリコ・キエーザ。夏の唯一の新戦力は、ピッチに入ってすぐにボックスの外からダイレクトショットを放ちました。

78分にガクポとのパス交換から、左足のシュートを右のポストに当てたフェデリコ・キエーザは、決まっていてもオフサイドを取られていたはずです。タイムアップとなってから、シュート数19対19というスタッツを見て、びっくりしました。オンターゲット6本を記録していたボーンマスに脅威を感じなかったのは、早い時間に3点差になってしまったからでしょう。

彼らの最大のチャンスは83分、CKからシニステラのヘッドがバーを叩いたシーンです。ケレハーが集中力を欠いていたら、アーノルドに当たってゴールに転がったボールを掻き出せなかったでしょう。タヴァーニアとセメンヨのアグレッシブな仕掛けに苦しみながらも、ゴールを許さなかったGKと最終ラインも称えられるべきです。

ミランとボーンマスを連破した1週間は、ノッティンガム・フォレスト戦の痛手を忘れさせてくれる極上の時間。土曜日の最大の収穫は、ダルウィン・ヌニェスとフェデリコ・キエーザが今後につながるパフォーマンスを見せてくれたことです。コパ・アメリカ、プレシーズンマッチ、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグで8戦連続ノーゴールのウルグアイ代表の不振は深刻でした。

昨季プレミアリーグで5位となる108本のシュートを記録しているダルウィン・ヌニェスは、スロットの新チームでは最初の3試合で1本のみ。マン・ユナイテッド戦のミドル以外に打てるチャンスを得られず、新たなフォーマットにはまっていないのは一目瞭然でした。指揮官が先発に抜擢したのは、ミラン戦で復活の兆しがあったからでしょうか。

モー・サラーとの連携も武器とするストライカーは、近くでプレイできるセンターで起用されたのもよかったようです。15分のシュートで感触をつかんだ9番は、ここぞというシーンで迷いなく左足を振り抜きました。指揮官の期待に応える1発によって、スタメンで出場する機会が増えるでしょう。さらにガクポとフェデリコ・キエーザが結果を出してくれれば、前線は盤石です。

遠藤航にとっては厳しい状況ですが、2ヵ月で移籍云々という話を持ち出すのは早計でしょう。CBの前のスペースをカバーできるMFは、必ずどこかで必要とされるのではないかと思います。今やるべきは、限られた出場機会で力を出し切るのみ。とはいえ、カラバオカップもベンチ外だったら、さすがに言葉を失います。スロット監督、次は先発ですよね?(ルイス・ディアス 社員著作者/Dudek1337)


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