2024.09.23 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【MAN.CITY×Arsenal】最後にコヴァチッチがフリー…10人で耐え続けたアーセナル、無念のドロー!
デブライネがいないマンチェスター・シティと、ウーデゴーアが不在のアーセナル。プレミアリーグ5節の最注目カードは、プレーメイカーの穴をいかに埋めるかが最大の課題です。ペップの偽SBはアカンジか。プレミアリーグ初先発のカラフィオーリも中盤に上がるのか。両者ともに、立ち上がりの布陣に注目です。
まずはホームのマンチェスター・シティから、スターティングメンバーを見ていきましょう。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、アカンジ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル。アンカーはロドリ、2列めはジェレミー・ドク、ベルナルド・シウヴァ、ギュンドアン、サヴィーニョ、最前線にプレミアリーグ4戦9発のハーランドという布陣です。
対するアルテタのチームは、ベン・ホワイトがベンチスタートです。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ、MFトーマス、カイ・ハヴェルツ、デクラン・ライス、FWサカ、トロサール、マルティネッリ。キックオフ直後に激突したのは、カイ・ハヴェルツとロドリでしょうか。ピッチに倒れ込んだアンカーは、プレイできるようです。
最初の5分は、イーブンの展開。両者ともに、ハイプレスで前線へのパスコースを切っています。右サイドのベルナルド・シウヴァが、速いボールを中央に入れたのは7分。トラップでガブリエウをかわしたギュンドアンのボレーは、右に外れました。2度めの決定機は9分。右にいたサヴィーニョが中に持ち込むと、ハーランドはガブリエウとサリバの間に入っています。
縦パスが出た瞬間、ガブリエウが残っておりオフサイドはなし。6番を置き去りにしたストライカーは、サリバが追いつく前にラヤと1対1になり、ニアポスト際に突き刺しました。昨季プレミアリーグのアーセナル戦で、ノーゴールだった王者が早々にリード。今季の公式戦でビハインドを背負ったことがなかったアウェイチームは、攻めなければなりません。
15分、右隅を狙ったギュンドアンのFKはポストにヒット。直後の右からのCKで、ニアに走ったロドリはトーマスと競り合いながら転倒しました。右足を押さえて激痛に耐えているMFは、今度は無事ではなさそうです。スローを見ると、右足を着くと同時に足を捻っており、靭帯をやってしまったかもしれません。21分にピッチに入ったのはコヴァチッチです。
22分のクイックリスタートから、マルティネッリが左サイドをスプリントし、ボックスの左コーナーに上がってきたカラフィオーリにパス。ファーのサイドネットに逃げていくダイレクトのコントロールショットにエデルソンは触れず、グーナーの歓喜の叫びが響き渡ります。プレミアリーグ初先発で、貴重な同点ゴール。追いついたアーセナルは、8人がゴール前に引いています。
30分のカイル・ウォーカーのミドルは、ラヤが右に反応してキャッチ。アーセナルはマイボールを前に運べず、水色のシャツがパスをまわすとずるずる下がってしまいます。35分、グヴァルディオルとワンツーをかわしたドクのミドルは、デクラン・ライスにヒット。38分のCKで競り勝ったガブリエウは、ヘディングが浮いてしまいました。
カイ・ハヴェルツとトロサールが先導するプレスに連動性はなく、サヴィーニョとドクにパスが通ると4-4-2のまま全員が自陣に収まります。ガブリエウの縦のスルーパスで、マルティネッリが左から抜けたのは42分。折り返しに走り込んだトロサールのボレーは、エデルソンの頭上を抜けていきました。サカの2度めのCKは45分。中央に飛び込んできたのは、やはりガブリエウです。
エデルソンはマルティネッリにブロックされ、グヴァルディオルはカラフィオーリに押さえ込まれました。マルティネッリをチェックしていたVARのジャッジは、ノーファール。1-2のままで静かに終わるかと思われた追加タイム6分、トロサールがベルナルド・シウヴァと競って左サイドに大きく蹴り出すと、マイケル・オリヴァーは黄色と赤のカードを両方持っています。
プッシング自体が2枚めのイエローの対象だったのか、遅延行為と取られたのか。ひとついえるのは、ヘディングで先に触ったとしても、さほどアドバンテージがない状況で、既に1枚もらっている選手が取るべきではないリスクだったということ。11人でも引いていたチームが、10人になれば攻められないでしょう。逆転に成功したアーセナルにとって、つらい時間が始まります。
アルテタ監督は、キャプテンマークを着けていたサカをハーフタイムに下げ、ベン・ホワイトを投入しています。キックオフと同時に、ゴール前に引いた5-4-0。48分のハーランドのヘッドは、ラヤの正面です。1分後、右から上がったベルナルド・シウヴァがボックス手前に折り返すと、コヴァチッチのボレーは浮いてしまいました。
53分、ルベン・ディアスのミドルは左にアウト。アーセナルの9人はボックスの幅に絞ってスペースを埋めており、マン・シティの包囲網は足元、足元です。57分のカイル・ウォーカーのミドルは、ラヤがセーブ。59分のCKから、カイル・ウォーカーのクロスをハーランドがヘッドで叩くと、ラヤが弾いた後のこぼれ球に反応したベルナルド・シウヴァは、枠に収められません。
62分のグヴァルディオルの強烈なシュートは、ラヤが上に弾くビッグセーブ。ドリブルで打開しようとするドクは、横にしか持てません。69分のサヴィーニョのロングシュートは、クロスバー越え。ペップは69分にドクを諦め、強烈なミドルがあるフォーデンを投入しています。70分、アーセナルが久々に敵陣でFKをゲット。キッカーは、デクラン・ライスです。
左に上げたボールをトーマスが頭で折り返すと、落下点に先着したカラフィオーリはボレーをミス。足がけいれんしたカラフィオーリは74分でアウトとなり、キヴィオルが左に入っています。76分に右から放ったルベン・ディアスのミドルも、GKの守備範囲。ペップの最後のカードは78分、サヴィーニョとカイル・ウォーカーに代わってグリーリッシュとジョン・ストーンズです。
残り10分、依然として1-2。後半のアーセナルのポゼッションは、12%だそうです。82分にFKをもらった瞬間、足がつったカイ・ハヴェルツ。85分にはマルティネリも足に来てしまい、ピッチサイドにはジェズスがいます。87分、トーマスのクリアを叩いたグヴァルディオルのボレーは、右に飛んだラヤが超絶セーブで大きく弾き出しました。
ここでマルティネッリが下がり、ジェズスがピッチへ。足を痛めたティンバーが91分に交代を要求し、ルイス・スケリーが最終ラインに入っています。左サイドで必死にキープするジェズス。しかし追加タイムが終わりかけていた97分、ショートコーナーからグリーリッシュが中央のコヴァチッチに転がし、左足のシュートをラヤが弾くと、ジョン・ストーンズが押し込みました。
前半のシュート数は5対4、後半は28対1。勝利を目前にしながら、最後に2ポイントを奪われたアーセナルは、「アウェイでドローならよし」といえるようになるまで時間が必要でしょう。フリーだったコヴァチッチに誰も詰めなかったのは、心身ともに疲労困憊だったからでしょうか。5-4-0から6-3-0にシフトした繊細な守備は、うまくいっていたのですが…。
10人になった後、ベルナルド・シウヴァのシュートは1本で、フォーデンは2本、ギュンドアンはゼロ。その一方で、ルベン・ディアス、コヴァチッチ、カイル・ウォーカーには13本を許しています。絶対にコースを切らなければならない選手と、利き足とコースさえ切っておけばいい選手を仕分けていたのだとすれば、ゴール前に停めていたのはただの大型バスではありません。
アーセナルが最後まで11人だったら、同じ戦い方を選んだのでしょうか。11人なら、決定機を創れたのでしょうか。11人なら…。同じ問いを、苦しい戦いを強いられたマン・シティにも投げかけたくなります。何とか追いついたホームチームも、リーグ屈指の堅守のチームが10人になったのは、うれしくないアクシデントだったのかもしれません。
勝利を逃したチームも、敗戦を逃れたチームも、このプロセスと結果を受け入れるしかありません。ちなみにカイ・ハヴェルツは、パス成功ゼロという珍記録を達成してしまったようです。いや、そんなことより、最後にMVPを称えてこの稿を締めたいと思います。ビッグセーブ連発で最終ラインを鼓舞し続けたダヴィド・ラヤ、素晴らしい!
まずはホームのマンチェスター・シティから、スターティングメンバーを見ていきましょう。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、アカンジ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル。アンカーはロドリ、2列めはジェレミー・ドク、ベルナルド・シウヴァ、ギュンドアン、サヴィーニョ、最前線にプレミアリーグ4戦9発のハーランドという布陣です。
対するアルテタのチームは、ベン・ホワイトがベンチスタートです。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ、MFトーマス、カイ・ハヴェルツ、デクラン・ライス、FWサカ、トロサール、マルティネッリ。キックオフ直後に激突したのは、カイ・ハヴェルツとロドリでしょうか。ピッチに倒れ込んだアンカーは、プレイできるようです。
最初の5分は、イーブンの展開。両者ともに、ハイプレスで前線へのパスコースを切っています。右サイドのベルナルド・シウヴァが、速いボールを中央に入れたのは7分。トラップでガブリエウをかわしたギュンドアンのボレーは、右に外れました。2度めの決定機は9分。右にいたサヴィーニョが中に持ち込むと、ハーランドはガブリエウとサリバの間に入っています。
縦パスが出た瞬間、ガブリエウが残っておりオフサイドはなし。6番を置き去りにしたストライカーは、サリバが追いつく前にラヤと1対1になり、ニアポスト際に突き刺しました。昨季プレミアリーグのアーセナル戦で、ノーゴールだった王者が早々にリード。今季の公式戦でビハインドを背負ったことがなかったアウェイチームは、攻めなければなりません。
15分、右隅を狙ったギュンドアンのFKはポストにヒット。直後の右からのCKで、ニアに走ったロドリはトーマスと競り合いながら転倒しました。右足を押さえて激痛に耐えているMFは、今度は無事ではなさそうです。スローを見ると、右足を着くと同時に足を捻っており、靭帯をやってしまったかもしれません。21分にピッチに入ったのはコヴァチッチです。
22分のクイックリスタートから、マルティネッリが左サイドをスプリントし、ボックスの左コーナーに上がってきたカラフィオーリにパス。ファーのサイドネットに逃げていくダイレクトのコントロールショットにエデルソンは触れず、グーナーの歓喜の叫びが響き渡ります。プレミアリーグ初先発で、貴重な同点ゴール。追いついたアーセナルは、8人がゴール前に引いています。
30分のカイル・ウォーカーのミドルは、ラヤが右に反応してキャッチ。アーセナルはマイボールを前に運べず、水色のシャツがパスをまわすとずるずる下がってしまいます。35分、グヴァルディオルとワンツーをかわしたドクのミドルは、デクラン・ライスにヒット。38分のCKで競り勝ったガブリエウは、ヘディングが浮いてしまいました。
カイ・ハヴェルツとトロサールが先導するプレスに連動性はなく、サヴィーニョとドクにパスが通ると4-4-2のまま全員が自陣に収まります。ガブリエウの縦のスルーパスで、マルティネッリが左から抜けたのは42分。折り返しに走り込んだトロサールのボレーは、エデルソンの頭上を抜けていきました。サカの2度めのCKは45分。中央に飛び込んできたのは、やはりガブリエウです。
エデルソンはマルティネッリにブロックされ、グヴァルディオルはカラフィオーリに押さえ込まれました。マルティネッリをチェックしていたVARのジャッジは、ノーファール。1-2のままで静かに終わるかと思われた追加タイム6分、トロサールがベルナルド・シウヴァと競って左サイドに大きく蹴り出すと、マイケル・オリヴァーは黄色と赤のカードを両方持っています。
プッシング自体が2枚めのイエローの対象だったのか、遅延行為と取られたのか。ひとついえるのは、ヘディングで先に触ったとしても、さほどアドバンテージがない状況で、既に1枚もらっている選手が取るべきではないリスクだったということ。11人でも引いていたチームが、10人になれば攻められないでしょう。逆転に成功したアーセナルにとって、つらい時間が始まります。
アルテタ監督は、キャプテンマークを着けていたサカをハーフタイムに下げ、ベン・ホワイトを投入しています。キックオフと同時に、ゴール前に引いた5-4-0。48分のハーランドのヘッドは、ラヤの正面です。1分後、右から上がったベルナルド・シウヴァがボックス手前に折り返すと、コヴァチッチのボレーは浮いてしまいました。
53分、ルベン・ディアスのミドルは左にアウト。アーセナルの9人はボックスの幅に絞ってスペースを埋めており、マン・シティの包囲網は足元、足元です。57分のカイル・ウォーカーのミドルは、ラヤがセーブ。59分のCKから、カイル・ウォーカーのクロスをハーランドがヘッドで叩くと、ラヤが弾いた後のこぼれ球に反応したベルナルド・シウヴァは、枠に収められません。
62分のグヴァルディオルの強烈なシュートは、ラヤが上に弾くビッグセーブ。ドリブルで打開しようとするドクは、横にしか持てません。69分のサヴィーニョのロングシュートは、クロスバー越え。ペップは69分にドクを諦め、強烈なミドルがあるフォーデンを投入しています。70分、アーセナルが久々に敵陣でFKをゲット。キッカーは、デクラン・ライスです。
左に上げたボールをトーマスが頭で折り返すと、落下点に先着したカラフィオーリはボレーをミス。足がけいれんしたカラフィオーリは74分でアウトとなり、キヴィオルが左に入っています。76分に右から放ったルベン・ディアスのミドルも、GKの守備範囲。ペップの最後のカードは78分、サヴィーニョとカイル・ウォーカーに代わってグリーリッシュとジョン・ストーンズです。
残り10分、依然として1-2。後半のアーセナルのポゼッションは、12%だそうです。82分にFKをもらった瞬間、足がつったカイ・ハヴェルツ。85分にはマルティネリも足に来てしまい、ピッチサイドにはジェズスがいます。87分、トーマスのクリアを叩いたグヴァルディオルのボレーは、右に飛んだラヤが超絶セーブで大きく弾き出しました。
ここでマルティネッリが下がり、ジェズスがピッチへ。足を痛めたティンバーが91分に交代を要求し、ルイス・スケリーが最終ラインに入っています。左サイドで必死にキープするジェズス。しかし追加タイムが終わりかけていた97分、ショートコーナーからグリーリッシュが中央のコヴァチッチに転がし、左足のシュートをラヤが弾くと、ジョン・ストーンズが押し込みました。
前半のシュート数は5対4、後半は28対1。勝利を目前にしながら、最後に2ポイントを奪われたアーセナルは、「アウェイでドローならよし」といえるようになるまで時間が必要でしょう。フリーだったコヴァチッチに誰も詰めなかったのは、心身ともに疲労困憊だったからでしょうか。5-4-0から6-3-0にシフトした繊細な守備は、うまくいっていたのですが…。
10人になった後、ベルナルド・シウヴァのシュートは1本で、フォーデンは2本、ギュンドアンはゼロ。その一方で、ルベン・ディアス、コヴァチッチ、カイル・ウォーカーには13本を許しています。絶対にコースを切らなければならない選手と、利き足とコースさえ切っておけばいい選手を仕分けていたのだとすれば、ゴール前に停めていたのはただの大型バスではありません。
アーセナルが最後まで11人だったら、同じ戦い方を選んだのでしょうか。11人なら、決定機を創れたのでしょうか。11人なら…。同じ問いを、苦しい戦いを強いられたマン・シティにも投げかけたくなります。何とか追いついたホームチームも、リーグ屈指の堅守のチームが10人になったのは、うれしくないアクシデントだったのかもしれません。
勝利を逃したチームも、敗戦を逃れたチームも、このプロセスと結果を受け入れるしかありません。ちなみにカイ・ハヴェルツは、パス成功ゼロという珍記録を達成してしまったようです。いや、そんなことより、最後にMVPを称えてこの稿を締めたいと思います。ビッグセーブ連発で最終ラインを鼓舞し続けたダヴィド・ラヤ、素晴らしい!
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