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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Liverpool】ターニングポイントはガブリエウの負傷…サラーの同点ゴールでドロー決着!

リヴァプールは、勝てば9勝1敗で首位キープ。敗れれば7ポイント差となってしまうアーセナルは必勝です。プレミアリーグ9節の最注目カードは、エミレーツのシックスポインター。サリバを欠くガナーズは、レッズの速攻を封じられるでしょうか。開始1分、左サイドからのFKをアーノルドが中央に入れると、ファン・ダイクのバックヘッドはクリアされました。

リヴァプールのプレスを受けるアーセナルの最終ラインは、丁寧なビルドアップで縦のパスコースを探しています。GKラヤ、DFトーマス、ベン・ホワイト、ガブリエウ、ティンバー、MFサカ、デクラン・ライス、ミケル・メリノ、マルティネッリ、FWカイ・ハヴェルツ、トロサール。5分を過ぎても無理にペースアップせず、セーフティファーストでボールをキープしています。

アウェイのレッズは、4-2-4でハイプレスを仕掛け、前で奪おうとしています。GKケレハー、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン。2センターはフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めにカーティス・ジョーンズ、サラー、ルイス・ディアス、最前線にダルウィン・ヌニェス。中盤の2人は、前線と最終ラインとの距離感を気にしているようです。

足元にボールを収めたベン・ホワイトが、突如ロングフィードを右に送ったのは9分。ロバートソンに競り勝ったサカは、ボックス右に持ち込むと、巧みなタッチでSBのマークを外しました。ニアに思い切り蹴ったボールにケレハーは触れず、1-0。追いつこうとするレッズに対して、ガナーズは全員が自陣に引いています。

サカが中央に戻したパスをミケル・メリノがトラップミスしたのは13分。カットしたサラーのダイレクトショットは、右に曲がってポストの外に切れていきます。同点ゴールは18分。アーノルドのCKをニアのルイス・ディアスが頭で中央に逸らすと、ファン・ダイクのヘッドがネットを揺らしました。セットピースの守備は、アーセナルの課題になりつつあります。

19分に右からFKを蹴ったのはデクラン・ライス。飛び込んだミケル・メリノは体勢を崩し、ボレーを右に外しました。24分、中央に持ち出したサカのミドルはクロスバーの上。ミケル・メリノのパスを受け、アーノルドと勝負したマルティネッリのクロスは中央のサカに合わず、ファーのカイ・ハヴェルツも打ち切れませんでした。

完全にペースをつかんだガナーズは、34分にもシュートチャンスを創っています。左サイドのミケル・メリノがボックス左に入ったティンバーにパスを通すと、落としを受けたマルティネッリがフリー。右足のシュートは、うまくミートせず浮いてしまいました。42分に右から蹴ったデクラン・ライスのFKは完璧でした。ヘッドで押し込んだのは、ミケル・メリノです。

追加タイム4分、アーノルドの美しいクロスがマック・アリスターの頭にピタリと合いますが、左に飛んだボールはラヤが落ち着いてキャッチしました。前半は2-1、ポゼッションは53%対47%、シュートは6対3、オンターゲットは2対2。マルティネッリやトロサールとともに、左サイドを制圧するミケル・メリノは、あの頃のグラニト・ジャカのようです。

レッズの戦い方を把握したガナーズは、後半立ち上がりから前に出ています。48分にピッチに座り込んだガブリエウは、左足を痛めたのか。51分にトーマスをかわしてゴルライン際を進んだルイス・ディアスは、ラストパスのタイミングを失い、ラヤに止められています。53分、ダルウィン・ヌニェスと接触したガブリエウは倒れ込み、ついにリタイアとなってしまいました。

代わって入ったのはキヴィオル。58分のアーノルドのロングシュートは、左のポストの外を抜けていきました。レギュラーのCBがいなくなったアーセナルは、守備的な戦い方にシフトしています。スロット監督が動いたのは63分。マック・アリスター、ロバートソン、ルイス・ディアスを下げ、ガクポ、ショボスライ、ツィミカスを投入しました。

残り時間は20分、アーセナルは引かないほうがいいでしょう。サラーの落としをボックス右手前で受けたショボスライは、ダイレクトショットがファーに流れていきました。71分に座り込んだティンバーは、足をつっただけでしょうか。73分に右サイドをドリブルで突いたカイ・ハヴェルツは、ゴールの右に迫ったところで止められました。

ティンバーは走れなくなってしまい、75分にルイス=スケリーにチェンジ。直後、ボックス左のミケル・メリノが中央に流すと、ダイレクトで叩いたカイ・ハヴェルツのシュートは左に逸れていきました。81分、アーノルドが縦のボールをラインの裏に出した瞬間、キヴィオルが残っていました。右からボックスに入ったダルウィン・ヌニェスは、11番の走路をチェックしています。

ベン・ホワイトを引きつけ、完璧なタイミングで中に転がすと、サラーは難なくラヤの左に流し込みました。85分、サカとマルティネッリに代わってジェズスとヌワネリ。87分、左にまわったカイ・ハヴェルツがファーにふわりと浮かすと、ジェズスのボレーはカーティス・ジョーンズがブロックしました。

90分にカーティス・ジョーンズが下がり、遠藤航がピッチへ。追加タイムは膠着状態となり、2-2のままでタイムアップの笛が鳴りました。悔やまれる2度めの同点ゴール。マルティネッリがドリブルをカットされた後、中途半端に下がったルイス・スケリーと、ボールを見てしまったためにサラーに置き去りにされたキヴィオルにとって、苦いドローとなりました。

トーマス、ベン・ホワイト、キヴィオル、ルイス・スケリーは、全員がレギュラーの代役の急造バック4。ガブリエウとティンバーが最後までプレイできれば、あのカウンターはつぶせていたかもしれません。スロット監督がダルウィン・ヌニェスを残したのが、サラーとの連携を期待したからであれば、素晴らしいプランだったと称えるべきでしょう。

1-1になった後、ミケル・メリノを中心に左サイドを攻めたアーセナルは、ハーフタイムの直前に勝ち越しという願ってもない展開で折り返しました。ガブリエウが去ったとき、40分も残っていたのに、なぜ全員が引いてしまったのか。前半の戦い方を貫いていれば、後半のシュート3本というプアなスタッツにはならなかったはずです。

ファン・ダイクのゴールから70分、レッズの中盤はチャンスを創れず、セットピース、ミドルシュート、カウンターに活路を見出すしかない状況でした。マルティネッリやトロサールの仕掛けに押されながら、ここぞというシーンで最高のフィードを決めたアーノルドにも拍手を送りたいと思います。

両者それぞれ、ポジティブに考えれば、「アーセナルは、サリバとガブリエウ抜きでも80分までリードしていた。主力が戻れば巻き返せる」「リヴァプールの敵地でドローは悪くない着地で、12月のアンフィールドでペップに勝てばOK」といったところでしょうか。サカとミケル・メリノは素晴らしかった。アーノルド、ダルウィン・ヌニェス、サラーはさすがだった。しかし…。


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