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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

5年半ぶりの3連敗、最大のスランプ?ペップは速攻に弱い守備と得点力不足の前線を立て直せるのか?

ペップ・グアルディオラが指揮を執るようになってから、マンチェスター・シティが3連敗を喫したのは2回めです。前回は、2017-18シーズン。アンフィールドで開催されたチャンピオンズリーグ準決勝のリヴァプール戦は3-0の完敗で、ホームのマンチェスターダービーを2-3で落とし、CLのセカンドレグは1-2の逆転負けでした。

2021-22シーズンには、カラバオカップのウェストハム戦とプレミアリーグのクリスタル・パレス戦を、ノーゴールで連敗。首位チェルシーに5ポイント差となりましたが、CLのクラブ・ブルッヘ戦を4-1で制し、その後のリーグ戦で12連勝しています。就任初年度こそ、プレミアリーグで4試合勝利なしという時期があったものの、翌シーズンからは不振が長引いたことはありません

ロドリが出遅れた2024-25シーズンは、ハーランド無双で開幕4連勝。5連覇に向けて順調なスタートだったのですが、デブライネがハムストリングを痛めた直後、復帰したばかりだったロドリが十字靭帯断裂でシーズンアウトとなってしまいました。5節までに10ゴールをゲットしたハーランドは、直近のプレミアリーグ5試合で1ゴールしか決めていません。

ニューカッスルに1-1ドローの後、フラム、ウルヴス、サウサンプトンに1点差の辛勝。最下位ウルヴスとのアウェイゲームは、95分のCKをジョン・ストーンズがヘッドで押し込むきわどい勝利でした。アーセナル戦でロドリが転倒した瞬間、マン・シティのスランプは始まっていたのかもしれません。

苦しい戦いがさほど話題にならなかったのは、CLのスラヴァン戦の0-4と、スパルタ・プラハ戦の5-0がはさまっていたからでしょう。カラバオカップのトッテナム戦を2-1で落とすと、プレミアリーグでボーンマスの速攻に振り回され、2-1で連敗。スポルティングCP戦の4-1は衝撃でした。2点差以上の敗戦は、2023年1月のカラバオカップのセインツ戦以来。4失点以上は、2020年9月のレスター戦まで遡ります。

ペップが体験したことがない大スランプは、1週間限定の悪夢として収束するのか。現状の不安材料を並べてみましょう。最大の懸念は大量の負傷者。デブライネは戻ってきたものの、ルベン・ディアスとグリーリッシュは次節のブライトン戦には間に合わないようです。ジョン・ストーンズは、インターナショナルブレイク明けのスパーズ戦で復帰できるでしょうか。

ロドリの後釜問題は、解決するまで時間を要するかもしれません。「アスレティック」のサム・リー記者が用意した「マン・シティが相手にチャンスを創られたエリア」を見ると、自陣センターの22%は他のエリアの倍以上です。左サイドの後方は20%で、右サイドは10%。グヴァルディオルの攻撃力は、諸刃の剣となっているようです。

コヴァチッチはドリブルで抜かれてピンチを招くシーンが目立っており、中盤のフォローも期待したいカイル・ウォーカーもウインガーに競り負けるようになっています。ギュンドアンは以前のレベルを取り戻せておらず、ミスが多いナタン・アケはトップフォームに達するまで時間がかかりそうです。

守備陣にカウンタ―対策をさせるより、圧倒的なパスワークでカウンターを封じればよいという声もありますが、前線も得点力不足という課題を抱えています。左右に配されるジェレミー・ドクとサヴィーニョは突破力はあるものの、チャンスを生み出すパスが少なく、グリーリッシュとマテウス・ヌネスを合わせてもプレミアリーグ10試合で1ゴールです。

トップ下も決定力を欠いており、デブライネ以外はノーゴール。ベルギー代表のプレーメイカーがゲットした唯一のゴールは、GKのミスタッチをサヴィーニョが突き、こぼれ球を無人のゴールに流し込んだ幸運な1発でした。リヤド・マフレズやフリアン・アルバレスがいた頃より、連携によってボックスの両脇を崩すシーンは明らかに減っています

前も後ろも大きな課題を抱えているチームは、すぐには立て直せないのではないでしょうか。ペップのマジックは発動するのか。ブライトン、トッテナム、リヴァプールと続く厳しいバトルで、稀代の名将がどんな布陣を敷くのかに興味が湧いてきます。週末のサウスコーストで対峙するブライトンは、サイドを突いてくる三笘薫、ヤンクバ・ミンテ、アディングラに要注意です。


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