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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Ipswich✖MAN.UTD】開始2分に先制、しかし…ルーベン・アモリムの初陣は不完全燃焼のドロー!

ルーベン・アモリムがついにプレミアリーグデビュー。最終ラインはマズラウィ、デ・リフト、ジョニー・エヴァンスの3人でしょうか。得意の3-4-2-1だとすれば、WBはダロトとアマド・ディアロ、センターにカゼミーロとエリクセン。ブルーノ・フェルナンデスとガルナチョの前にラシュフォードという布陣でしょう。

ホームのイプスウィッチは19位。アウェイのスパーズ戦で初勝利を挙げたばかりです。前節のレスター戦で3-0快勝のマンチェスター・ユナイテッドは、連勝となればTOP10に浮上します。開始2分、自陣右サイドでドリブルを始めたのはアマド・ディアロ。2人をかわしてボックス右に侵入すると、中央に優しいクロスを入れました。

走り込んだラシュフォードが左足でプッシュし、あっさり先制。サポーターの後押しを受けるホームチームが猛攻を仕掛けています。ダロト、ブルーノ、アマド・ディアロと右につながったのは6分。好調のレフティがカットインからボックス手前に転がすと、エリクセンのダイレクトショットは惜しくも左に外れました。

マン・ユナイテッドのビルドアップは3人のCBで、アウトサイドは高いポジションをキープしています。イプスウィッチがカウンターでチャンスをつかんだのは11分。右から上がったウェズ・バーンズが高速のクロスを入れると、中央で直接叩いたスモディクスの一撃は、オナナが右に反応してセーブしました。

18分には、ダロトの縦のスルーパスでガルナチョが左サイドを突破。中央のブルーノに預け、ボックスの左コーナーでリターンをもらった17番のシュートは、ファーポストの外を抜けていきました。ときどき速攻はあるものの、ポゼッションは相変わらずホームチームで、マン・ユナイテッドは全員が自陣に引いて対応する時間が長くなっています。

29分、中央から左足で巻いたハッチンソンのFKは、オナナが正面でキャッチ。32分にはCKのクリアが右に流れ、フリーのハッチンソンが左足を振り抜きますが、ニアにいたダロトがブロックして事なきを得ています。自陣でカットした後、ブルーノのスルーパスでガルナチョがラインの裏に出たのは36分。追いついて止めたのは、トゥアンゼベです。

青いシャツのプレスに苦しめられているアウェイチームは、ロングフィードで窮状を打開するしかなさそうです。カゼミーロが高く上げたボールが、左のダロトに届いたのは39分。ワントラップで放った左足のボレーは、GKムリッチの正面にいってしまいました。1分後、左サイドでアマド・ディアロをかわしたウェズ・バーンズが、中に転がしたボールは完璧でした。

ジョニー・エヴァンスの裏を取ったリアム・デラップは、今季プレミアリーグで6ゴールの絶対的エースです。至近距離から右足で合わせ、同点かとスタンドが盛り上がった瞬間、右腕を振り上げたオナナの超絶セーブでボールは外に流れていきました。このままリードをキープしてハーフタイムを迎えたかったのですが、43分のハッチンソンのミドルにオナナは触れませんでした

左足でドライブをかけたボールは、マズラウィの頭に当たってクロスバーぎりぎりに飛んでおり、GKはノーチャンスでしょう。前半のポゼッションは50:50、シュートは7対5、オンターゲットは4対3。相手のボックス内のタッチが4回しかなかったマン・ユナイテッドは、戦い方を修正する必要があります。ルーベン・アモリムは、どんな策を用意しているのでしょうか。

後半開始直後、ブルーノのスルーパスでボックス左に抜けたガルナチョは、ムリッチと1対1からの左足のフィニッシュを読まれてしまいました。52分、右に出たウェズ・バーンズがダロトと勝負。抜き去る前にニアにグラウンダーを入れると、デラップのヒールキックは足を出したオナナのビッグセーブに阻まれました。

直後、ブルーノの縦パスでガルナチョがハイラインの裏へ。ボックスに入り込み、中央にスプリントしたブルーノにラストパスを出そうとした瞬間、カユステの鋭いスライディングが入ってCKです。アモリム監督が動いたのは56分。カゼミーロとジョニー・エヴァンスが下がり、ウガルテとルーク・ショーが同じポジションに入っています。

膠着状態を打開すべく、アモリム監督が勝負に出たのは68分。ラシュフォードとエリクセンに代え、ホイルンドとザークツィーです。これによって、ブルーノ・フェルナンデスは1列下がるのでしょう。71分のデラップのミドルは、右にアウト。攻めているマン・ユナイテッドはサイドで詰まるシーンが目立っており、77分のザークツィーのミドルは浮いてしまいました。

79分にブルーノがボックス手前から蹴ったFKは、左に曲がりすぎてポストの外。チャンスを活かせなかったガルナチョは86分に下がり、2列めにメイソン・マウントです。イプスウィッチの決定機は87分。右からのクロスをファーにいたクラークが足元に収め、中にグラウンダーを通すと、走り込んできたチャップリンのワンタッチはオナナが右に手を伸ばしてキャッチしました。

4分の追加タイムで見せ場といえるのは、カットインから強引に打ったアマド・ディアロのシュートのみ。ルーベン・アモリムの初陣は、19位に1-1ドローという冴えない着地でした。ポゼッションは40%対60%、シュートは11対11、オンターゲットは6対4。ラシュフォードは出オチで、ザークツィーはミスが目立ち、ホイルンドは何もできずに終わりました。

前線から最終ラインまでの距離を詰め、スペースを埋めようとする意図は伝わってきたものの、2列めとWBの連携がなく、セントラルMFのサポートも足りなかった一戦。アモリムらしい戦い方をできるようになるまでに、相当の時間が必要でしょう。収穫といえるのは、ビルドアップを仕切ったマズラウィ、果敢に仕掛けたアマド・ディアロ、復帰したルーク・ショーぐらいです。

次節はオールド・トラフォードでエヴァートン。エミレーツのアーセナル戦の手前で、ポイントを落とすわけにはいきません。アモリム監督は、ブルーノが介在するカウンターしか有効な手段がなかった前線を動かすことができるでしょうか。TOP4との差は6ポイント。早期に巻き返せれば、届かない距離ではありません。


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