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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Saints×Liverpool】菅原由勢、痛恨のハンド!苦戦のリヴァプールが相手のミスを活かして逆転勝利!

日曜日のプレミアリーグは、ホームにビッグ6を迎えた昇格クラブの健闘が目を引きました。1勝1分9敗で最下位のサウサンプトンは、リヴァプールを相手にラスト10分まで2-2。最強チームの猛攻を何とかしのぎ、1ポイントが視界に入っていただけに、菅原由勢のハンドによる決勝PKは痛恨でした。

ポートマン・ロードにマンチェスター・ユナイテッドを迎えたイプスウィッチは、開始80秒でいきなり失点を喫したものの、強烈なプレスとシンプルなサイドアタックで主導権を奪い返しました。43分にハッチンソンがプレミアリーグ初ゴールとなるミドルを決めると、後半は守備重視の戦い方を貫いて1-1ドロー。スパーズを倒した選手たちは、さらに自信を深めたのではないでしょうか。

さて、この稿の本題はリヴァプールです。セインツの健闘は、裏を返せば首位チームの大苦戦。今季プレミアリーグで最少の6失点の堅守が、レスター戦以外に複数ゴールがなかった貧攻に2ゴールを許したというだけで事件です。しかもこの2失点は、今までのリヴァプールでは考えられなかったミスによるものでした。

最初のエラーは、0-1でリードしていた40分。最終ラインでキープしたファン・ダイクが、オヌアチュのプレスをかわしてドリブルで上がりました。いつもなら、最初のタッチでパスコースがないと気づき、後方にいたコナテに戻していたでしょう。持ちすぎたCBは、後ろから追ってきたオヌアチュに引っかけられ、こぼれ球はディブリングの足元に入りました。

とりあえずキープした33番は、ドリブルを始める前に周囲を見渡しています。単独突破を図ったのは、前に誰もおらず、消去法でそれしかなかったからでしょう。ボックスの手前まで進んだとき、5人に取り囲まれており、外にいたライアン・フレイザーのフォローは遅れていました。ロバートソンが左足を出した瞬間、既に倒れようとしていたという見方は穿ちすぎでしょうか。

数的優位を理解していたはずのSBが、無理に奪おうとせずに追っていけば、何でもないシーンで終わっていたでしょう。ミスタッチを見て、カットできそうと本能的に足が動いてしまったようです。ボックスの外か、中か。PKを宣告したサミュエル・バロットは、VARを経てもジャッジを覆さず、ケレハーにセーブされたアームストロングが冷静にこぼれ球を押し込みました。

逆転ゴールは1-1の56分。CKを守護神マッカーシーがキャッチし切れず、右に出たボールをライアン・フレイザーが外に持ち出しました。縦パスを競ったディブリングがショボスライを制してキープすると、中央のレッズの選手は戻っておらず、アームストロングがスプリントしています。ロングフィードが出て、コナテとロバートソンが追いついたのですが…。

コナテの後ろからアームストロングに寄せようとしていたブラッドリーは、少し遅れてゴール前に走り込んだマテウス・フェルナンデスを見るべきでした。ロバートソンに着かれたアームストロングは打たず、フリーだった18番にラストパス。左隅に飛んだフィニッシュに、ケレハーは1歩も動けませんでした。

自陣でのボールロスト、軽率なタックル、カウンターへの対応のまずさで逆転された首位チームは、幸運な3発で勝利に辿り着いています。30分の先制ゴールは、マッカーシーの無理めのスローがきっかけです。自陣ボックス手前で、カーティス・ジョーンズとショボスライの間にいたマテウス・フェルナンデスは、トラップするとすぐに詰められ、後ろに戻すしかありません。

ゴールライン際でパスを受けたフリン・ダウンズが、セーフティファーストで外に蹴っていれば問題なかったのですが、前に出したボールをショボスライにカットされ、左隅に決められてしまいました。とにかくつなごうとするラッセル・マーティンのコンセプトが、彼らから選択肢を奪ってしまったのかもしれません。

それでも逆転に成功し、残り30分を切ってもリードしていたホームチームは、65分に同点ゴールを決められました。フラーフェンベルフはサラーの動き出しをよく見ており、右に浮き球が出ると、カイル・ウォーカー=ピータースは置き去りにされてしまいました。ボールがサラーの足元に落下するまで、約2秒。飛び出したマッカーシーがコースを塞げば、プレミアリーグ屈指のゴールゲッターといえども、簡単には決められなかったでしょう。

彼はなぜ、外に膨らんでしまったのか。GKがシュートコースから外れ、前がガラ空きになったため、サラーが左足で触っただけでボールはネットに向かって転がっていきました。そして最後のゴールは…!81分にサラーがファーに蹴ったクロスは、ロバートソンの前に出た菅原由勢が胸トラップ。ボールは右にずれ、SBの手に当たってマッカーシーがキャッチしました。

レフェリーは即断、VARは入らず。ゴール左に決めたサラーは、88分の左足ボレーをポストに当ててハットトリックは逃したものの、早くも2ケタゴールです。自らのミスで3つのゴールを許したセインツは、悔やまれる敗戦でした。シュート27本、オンターゲット11本のリヴァプールが勝つべき一戦でしたが、勝者にふさわしいチームが必ずしも勝者ではないのがフットボールです。

プレミアリーグ参入から12試合で10勝は、フース・ヒディンクとアンチェロッティに続く史上3人めの最速レコード。今週末のマンチェスター・シティ戦に勝てば、その差は11ポイントに広がります。夏の終わりには賛否両論だったアルネ・スロットのフットボールは、トロフィーを獲得できるレベルという評価に変わりつつあります。現在、1ヵ月以上の離脱予定はゼロ。順調です。


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