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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×MAN.CITY】最終ラインのボールロスト15回…速攻とプレスに屈したマン・シティ、完敗!

公式戦6連勝のリヴァプールはコナテが離脱し、6戦勝利なしのマンチェスター・シティはルベン・ディアスが復帰しています。プレミアリーグ13節のラストマッチは、アンフィールドのシックスポインター。ホームチームが勝てば、不振の昨季王者との差は11ポイントとなります。プレミアリーグ創設以来の32シーズンで、11ポイント以上の差を逆転して優勝したチームは3つのみです。

逆転優勝のイメージが強いマン・シティといえども、11ポイント以上の差を引っくり返したことはありません。ペップと選手たちのミッションは、最低でもドロー。公式戦18試合で16勝1分1敗のアルネ・スロットは、圧倒的なアドバンテージを得たい一戦です。さっそく、両チームの先発メンバーを確認しましょう。

コナテの代役は、クアンサーではなくジョー・ゴメスです。GKケレハー、DFアーノルド、ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。2センターはフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めにサラー、ショボスライ、コーディー・ガクポ、最前線にルイス・ディアス。対するペップは、エデルソン、デブライネ、グヴァルディオルをベンチに置いています。

オルテガ、カイル・ウォーカー、アカンジ、ルベン・ディアス、ナタン・アケ、リコ・ルイス、ギュンドアン、ベルナルド・シウヴァ、マテウス・ヌネス、フォーデン、ハーランド。立ち上がりからリヴァプールがポゼッションを取っており、アウェイチームはアタッカ―を前に動かすパスがつながりません。

レッズの最初の決定機は4分。フラーフェンベルフが敵陣でギュンドアンから奪い、中央のルイス・ディアスが縦に出したスルーパスがガクポへ。切り返しから放った右足のシュートは、オルテガが右に弾き出しました。フラーフェンベルフは、7分にも右に出てインターセプトに成功し、ボックス右からのラストパスを叩いたルイス・ディアスの一撃はGKの正面です。

ロバートソンがスプリントした8分の速攻は、中央でアーリークロスを受けたルイス・ディアスが打てず、右から上がったアーノルドのクロスはルイス・ディアスの頭上を越えていきました。11分にビルドアップのパスミスを突いたのは、ロバートソン。マック・アリスターが脇にいたショボスライに預けると、左からの強烈なミドルはオルテガが前に弾いて事なきを得ています。

直後の右からのショートコーナーで、ショボスライがファーに浮かすと、ファン・ダイクのヘッドは右のポストにヒット。1分後、自陣左に出ていたアーノルドが、サラーを走らせる素晴らしいロングフィードを決めました。シュート性のクロスがファーに通り、詰めたガクポが押し込んで先制。マン・シティに何もさせず、決定機を創りまくった戦慄の12分でした。

なおも攻めるリヴァプール。18分にアーノルドが自陣深くからロングスルーパスを出すと、抜けたかに見えたサラーは、ナタン・アケに追いつかれてCKです。キッカーはマック・アリスター。またしてもファン・ダイクのヘッドはジャストミートでしたが、惜しくも右ポストの脇を抜けていきました。

マン・シティが攻めに転じたのは25分。後ろからのパスをキープしたハーランドのドリブルは、ファン・ダイクがカットしています。31分のアーノルドのミドルは、ナタン・アケがブロック。34分のCKのクリアが左のアーノルドに渡ると、左隅を狙った強烈な一撃はポストをこすりました。ここまでのシュート数は9対0。これほど押されるマン・シティを見るのは初めてです。

38分、右足アウトにかけたサラーのアーリークロスが、カイル・ウォーカーの裏に出たルイス・ディアスへ。トラップが大きくなり、GKに回収されてしまいますが、追加点がいつ入ってもおかしくない展開が続いています。1分後にギュンドアンがハーランドに縦パスを入れ、落としを受けたリコ・ルイスが右足を振り抜きますが、ミートしなかったボールは左に逸れていきました。

前半のポゼッションは54%対46%、シュートは10対1、オンターゲットは4対0、ハーランドのタッチは11回。猛攻を喰らったペップと選手たちは、何とか最少失点に抑え、セカンドハーフに希望をつなぎました。後半開始からしばらくは、マン・シティがボールを支配し、いつものペースを取り戻そうとしています。

50分のCKにファン・ダイクが競り勝ち、キャッチしたケレハーが左に出すと、ドリブルで上がったロバートソンが最前線のガクポに完璧なフィード。オルテガと1対1になった18番は、コースを切られて強引なシュートをセーブされました。左からのCKがニアのファン・ダイクに届くも、ヘッドはクロスバーの上。マン・シティの同点ゴールが先か、レッズのカウンターが先か…!

56分、ベルナルド・シウヴァのバックパスをサラーがインターセプト。GKの前に持ち込んだエースは、左足のフィニッシュを浮かしてしまいました。ペップが動いたのは57分、マテウス・ヌネスとギュンドアンに代えてジェレミー・ドクとサヴィーニョ。59分からのハーランドとドクの連打は、いずれもブロックされています。

63分のハーフラインからのショートカウンターは、ドリブルで左にまわり込んだサラーのシュートがニアにアウト。ショボスライが起点となった69分の速攻は、左から上がったロバートソンを使わなかったガクポが、ミドルをオルテガの正面に打ってしまいました。ドクに振り回されているアーノルドは、何とか食らいついてクロスを阻んでいます

残り20分、主導権はマン・シティ。スロット監督はガクポとアーノルドを下げ、ダルウィン・ヌニェスとクアンサーを投入しました。その意図はプレスの活性化と、ドク対策でしょう。ルベン・ディアスにダルウィン・ヌニェスが絡んだのは76分。ルイス・ディアスがカイル・ウォーカーのタッチをさらい、GKを抜こうとして足を払われ転倒しました。

ジャッジはPK、サラーが右隅に決めてついに2-0。今のマン・シティに、ここから追いつくパワーはないでしょう。79分、リコ・ルイスとフォーデンに代わってグリーリッシュとデブライネ。昨季プレミアリーグのMVPは、デュエル1勝7敗という数字を残してピッチを離れました。83分にファン・ダイクから奪ったデブライネは、ケレハーとの1対1を止められています。

1ゴール1アシストのサラーは、84分にカーティス・ジョーンズに後を譲り、間もなく90分。ペップが笑みを浮かべて示した「6」という数字は、「朝にはクビだ」と煽るチャントにトロフィーの数で対抗したようですが、これは直近の敗戦の数でもあります。5-0でもおかしくなかったリヴァプールは、2-0をキープしてタイムアップ。シュート18対8、オンターゲット7対2の完勝です。

スロットの研究が実を結び、ペップの工夫は空回りした一戦。サラーを走らせるロングフィード連発、右ウイング不在を見越したロバートソンのオーバーラップ、ハーフライン付近でのインターセプトは、マン・シティの不振の理由を分析して導き出した戦術でしょう。ショボスライが前線に加わるプレスも強力で、マン・シティの最終ラインはボールロスト15回を記録しています。

フォーデンとマテウス・ヌネスを足すとデュエルは2勝14敗で、リコ・ルイスがファイナルサードに通したパスは2本のみ。後半のハーランドはシュート1本で、ボールタッチは5回しかありませんでした。ビルドアップとバックパスでピンチを招くシーンがあまりにも多く、前線は分断され、ドクのドリブル以外に脅威はありませんでした。

勝ったリヴァプールは2位と9ポイント差、マン・シティはプレミアリーグ4連敗で5位に転落。ペップが次節で当たるノッティンガム・フォレストは1ポイント差の6位に着けている難敵で、その次のクリスタル・パレスは過去3シーズンで3勝2分1敗と苦戦しているチームです。連敗はどこで止まるのか。アーセナルとチェルシーにも引き離されると絶望的です。


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