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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Newcastle】采配ミスが引き起こした悪夢の30分。マン・ユナイテッドはホーム3連敗!

キックオフから2分は「お互いにミスが多い試合」だったのですが、4分も経たないうちに景色は一変しました。余裕がなく視野が狭いホームチームと、自信に満ち溢れたアウェイチーム。イサクのヘッダーがネットを揺らした瞬間、マンチェスター・ユナイテッドの4連敗を覚悟しました。エディ・ハウが創り込んだニューカッスルは、公式戦4連勝中です。

右に出ていたブルーノ・ギマランイスがサイドチェンジ。オフサイドをケアしていたルイス・ホールは、ボールが来る前から決めていたかのように、左足のトラップからクロスを上げました。マグワイアとリサンドロ・マルティネスの間にいたイサクはフリー。GKの足元にヘディングを叩きつけるのは、子どもの頃から徹底させられるセオリーです。

クロスの直前にマグワイアは背後をチラ見し、リサンドロ・マルティネスがイサクに着いているのを確認しています。なぜ、体を寄せなかったのか。本人に聞いても。明確な理由は返ってこないのかもしれません。マグワイアは「彼ら(=テン・ハフとアモリム)が要求することは真逆」と語っており、前任へのコミットメントが高かった選手ほど、迷いは深いのだと思われます。

11分には、ダン・バーンのロングフィードを追ったアンソニー・ゴードンにマズラウィが簡単に抜かれ、クロスのクリアを叩いたジョエリントンのシュートは左にアウト。1分後、左サイドのイサクが当たり前のようにカットインし、デ・リフトとカゼミーロを一気に置き去りにしました。フィニッシュはマグワイアがブロックしたものの、決まっていてもおかしくないシーンでした。

最後方のシェアがラインの裏に落とし、ルイス・ホールが抜け出したのは14分。アマド・ディアロが何とか対応して事なきを得ますが、3バックなら空けてはいけないエリアです。自陣左でエリクセンから奪ったブルーノ・ギマランイスが、ロングフィードでイサクを走らせたのは17分。オナナと向き合ったストライカーはチップキックが狙い通りに浮かず、頭を抱えています。

19分の追加点も、左サイドから。マズラウィと対峙したアンソニー・ゴードンが右足に持ち替えてクロスを入れると、真ん中に走り込んできたジョエリントンをリサンドロ・マルティネスは見ておらず、慌てて競ったときにはボールはMFの肩に当たっていました。30分までのシュート数は0対10。マン・ユナイテッドは、ボックス内で1度もボールに触れていません。

ジョエリントンからパスを受けたトナーリが、右のブルーノ・ギマランイスに預けたのは31分。ゴール前に入ったボールをアンソニー・ゴードンが後ろに落とし、左に持ち出したトナーリがオナナと1対1になりますが、右足アウトのキックは左のポストに阻まれました。たまらず動いたアモリム監督の策は、ザークツィーをメイヌーでした。

2点のビハインドを埋めたいチームが、アタッカ―をセントラルMFに代えるという絶望的な状況。しかしこの直後、マン・ユナイテッドはようやく決定機を創りました。リサンドロ・マルティネスの縦のフィードでホイルンドがラインの裏を取り、ジェイコブ・マーフィーを右手で制して右隅にシュート。ボールがポストぎりぎりを抜けた瞬間、スタンドはため息に包まれました。

前半の追加タイム1分、ビルドアップからのシェアのパスをメイヌーがカット。ボックス左でフリーだったカゼミーロは、決定的なダイレクトショットを右に外してしまいました。メイヌー投入という必死の止血処理からの60分で、ニューカッスルは1本しか打っていません。前半のシュート数は3対11ですが、後半は7対1と真逆の展開でした。

指揮官は戦い方を間違え、軌道修正するまでにシュート11本と2失点という代償を支払ったということになります。メイヌーが入ってから中盤のスペースが埋まり、ダロト、マズラウィ、エリクセンが前で動けるようになっています。59分の決定機は、ロングスローからの波状攻撃。ボックスの左を突破したダロトがニアに入れると、マグワイアのダイビングヘッドはポストにヒットしました。

跳ね返ってきたボールを叩いたデ・リフトのボレーは、ルイス・ホールがブロックしました。65分にカゼミーロとリサンドロ・マルティネスを下げ、レニー・ヨロとガルナチョ。CBはフィット感を高めるためで、ウインガーは左サイドの優位を活かすためでしょう。3つの決定機を逃したホームチームは、74分のCKでフリーだったレニー・ヨロのヘッドで打ち止めとなりました。

何とか立て直したとはいえ、30分までの負債があまりにも大きく、オンターゲット1本では敗戦もやむなしです。アモリムの戦術を機能させるためには、複数のマーケットで人材を入れ替えていく必要があるのでしょう。混乱の責任を取るべきは、これまでと全く違う戦い方を志向する監督を連れてきた後、多大なコストをかけて招聘したSDを5ヵ月で切った経営ボードでしょう。

オールド・トラフォードで3連敗は1979年以来で、12月に5敗は1962年が最後です。データを紹介した「アスレティック」のシャーロット・ハーパー記者は、「当時は今とは全く違う世界。人類は月面に着陸しておらず、イングランドはワールドカップで優勝していなかった」と添えています。次節はリヴァプール。また何か、忌わしい記録を更新してしまうのでしょうか。

ブルーノ・フェルナンデスとウガルテが復帰し、メイヌー、ホイルンド、アマド・ディアロとともに走り回れば変わると期待したいと思います。負けたら降格ラインが見えてくる?その心配は、レッズ戦の後に控えているサウサンプトンとのホームゲームでポイントを落とすまでは、封印しておきましょう。今はひたすら、信じて耐えるしかありません。


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