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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×MAN.UTD】ザークツィーはなぜ…!スリリングな速攻が続いた激戦は2-2のドロー!

アンフィールドのプレミアリーグ20節は、リヴァプールVSマンチェスター・ユナイテッド。優勝候補同士の激突として盛り上がった時代もありましたが、2025年の初戦は首位と14位の一戦で、両者が語る「負けられない」という言葉のニュアンスは大きく異なります。コナテの負傷が癒えたレッズも、キャプテンが戻ってきたマン・ユナイテッドもベストメンバーといっていいでしょう。

さっそく、スロット監督の11人を確認しましょう。GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン。中盤センターにフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めはサラー、カーティス・ジョーンズ、ガクポ、最前線にルイス・ディアス。ベンチにはダルウィン・ヌニェスとジョッタがいて、ブラッドリーも復帰しているようです。

一方、アモリム監督のベンチにはラシュフォードの姿がありません。オナナ、デ・リフト、マグワイア、リサンドロ・マルティネス。メイヌー、ウガルテ、マズラウィ、ダロト、ブルーノ・フェルナンデス、アマド・ディアロ、ホイルンド。劣勢になれば、ガルナチョ、ザークツィー、アントニー、カゼミーロ、エリクセンに声がかかるのでしょう。

開始3分、アウェイチームが最初のカウンター。二次攻撃からアーノルドをかわしてゴールライン際に出たダロトは、クロスのコースが見出せずにカットされています。白いシャツがボールを前に運ぶたびにブーイング。マック・アリスターからカーティス・ジョーンズ、アーノルド、サラーと右につながった12分のチャンスは、リサンドロ・マルティネスがクロスをカットしました。

アーノルドのシュートも6番がブロックし、ルイス・ディアスのミドルはクロスバー越え。好調の首位チームは、エンジンがかかってきたようです。14分の決定機は、ルイス・ディアスからパスを受けたフラーフェンベルフの縦のスルーパスが秀逸でした。ボックス左に出たガクポはオナナと1対1になりますが、右隅を狙ったフィニッシュはポストの外に切れていきました。

さらに16分、右サイドのサラーがニアに浮き球を入れると、フリーだったマック・アリスターのハーフボレーはオナナが左足に当てるビッグセーブ。マン・ユナイテッドが決定機を創ったのは20分です。ブルーノの縦パスでダロトが左から抜け出し、ゴール前にクロスを入れると、突っ込みすぎたアマド・ディアロは肩に当てるのが精一杯でした。

二次攻撃からのマズラウィのミドルは、ロバートソンがカット。こぼれ球を拾ったメイヌーがフリーで打ったシュートは、コースに入ったコナテがブロックしてCKです。29分にメイヌーをかわしてドリブルで上がったフラーフェンベルフは、左隅を狙った強烈なミドルがポストの外。速攻の応酬は、どちらが先制してもおかしくありません

38分にサラーの高速クロスを受けたマック・アリスターは、ヒールに当てた後が続かず。42分には、リサンドロ・マルティネスのロングフィードで裏に出たホイルンドがアリソンと1対1になりますが、左足のシュートはセーブされ、浮いたボールを直接叩いたブルーノ・フェルナンデスのボレーはアーノルドが足に当てています。

追加タイム1分、ドリブルで中央をこじ開けようとしたルイス・ディアスは白い壁を突破できず。前半は0-0でポゼッションは55%対45%、シュート数は8対6、オンターゲットは1対1とさほど差はありません。後半開始からしばらくは、レッズのポゼッション。48分のマック・アリスターのCKは、オナナが何とかパンチして屈辱的なオリンピコを回避しました。

52分、左サイドにいたブルーノがカットイン。4人を引き付けてから縦に出したスルーパスはパーフェクトでした。抜け出したのは、直前のインターセプトからオーバーラップしていたリサンドロ・マルティネス。思い切り左足を振り抜いた一撃がアリソンの肩越しに決まりました。マンチェスター・ユナイテッドのアンフィールドでのゴールは、6年ぶりです。

0-1の56分、ダロトが左から仕掛けてクロスを入れ、コナテとホイルンドが競ったこぼれ球をメイヌーが足元に収めると、左足のシュートはアリソンがセーブしました。マック・アリスターの縦パスで、ガクポが左から抜け出したのは58分。デ・リフトのスライディングは切り返しであっさりかわされ、右足のシュートが右隅に突き刺さりました。

1-1となった直後、先に動いたのはスロット監督。カーティス・ジョーンズとルイス・ディアスに代えて、ダルウィン・ヌニェスとジョッタです。66分のマック・アリスターのミドルは、右にアウト。66分、アーノルドのクロスをジョッタが頭で触ると、後ろにいたデ・リフトの手に当たってしまいました。あれだけ腕を挙げていては、PKもやむなしです。

サラーは左に蹴ると読んだオナナは弾き切れず、2-1。アモリム監督は72分にメイヌーを下げ、ガルナチョを投入しました。75分のサラーのFKはバーの上。79分に左からドリブルで上がったガルナチョには、コナテが対応しています。CBのマークは緩く、グラウンダーが中央へ。アマド・ディアロがダイレクトで蹴ったボールはロバートソンの股間を抜け、ネットに届きました。

83分にデ・リフトが下がり、レニー・ヨロ。3分後、スロット監督がガクポとアーノルドをエリオットとブラッドリーに代えると、ホイルンドはザークツィーに後を譲りました。89分のCKのカットから、レッズのカウンター。サラーのパスに走り込んだダルウィン・ヌニェスはレニー・ヨロにカットされ、拾ったジョッタのシュートはオナナが前に弾き出しました。

直後にボックス右でフリーになったブラッドリーのクロスも、オナナが対応してCK。右からのキックをマック・アリスターがバックヘッドで流し、ゴール前に出たボールをファン・ダイクが頭でプッシュしますが、オナナが正面でキャッチしています。今季プレミアリーグのCKで9失点と2ゴールの「ワースト2対決」は、マークもフィニッシュも甘かったというべきでしょう。

この後のアウェイチームの波状攻撃は、シュートに至らず。追加タイムは7分、終了間際に決定機を創ったのですが…!CKのクリアを追ったウガルテが自陣で先着し、右にいたブルーノにつなぐと、ラインを上げたレッズの裏を取ったザークツィーがスルーパスで抜け出します。ボックス右でアリソンと1対1。角度が厳しく、残っていたマグワイアにラストパスという判断は妥当です。

しかしなぜ、丁寧に転がさなかったのか。難しいバウンドのハーフボレーはバーを越え、間もなくタイムアップとなりました。シュート数19対13、ビッグチャンス4対3の激戦は2-2ドロー。アーセナルとチェルシーのドローは、とりあえずチャラになったので、プレミアリーグをおもしろくするという最低限のミッションは果たしたといっていいでしょう。悔しい終わり方ですが。

MVPを両チームから選ぶなら、リヴァプールは前線を動かしたマック・アリスター。マンチェスター・ユナイテッドは圧巻のスタッツを残したブルーノ・フェルナンデスでしょう。先制ゴールのアシストとシュート2本に加え、チャンスクリエイト4回、ドリブル成功3回、クロス成功3本、デュエルは13戦11勝。彼がいなければ負けていたといっても、大げさではないでしょう。

ブルーノとアマド・ディアロがサイドをケアする5-4-1に徹したのが、首位チームと伍する展開に持ち込めた最大の理由だと思われます。アーノルドのサイドを再三崩したダロトとガルナチョも称えたいと思います。最強チームとドローという結果がチームの自信につながり、苦境を脱することができればと願っています。

逆転しながら追いつかれたリヴァプールは、疲れからか終盤はラインが間延びし、右サイドを狙ってきた相手に対応しきれませんでした。エリオットとブラッドリーの投入は、勝つためというより「サイドのリスクヘッジ」「1月に8試合という過密日程を見越して」の策だったのではないでしょうか。主力を休ませる必要がありそうで、冬のマーケットの動向にも注目です。

リヴァプールの次節は、唯一の敗戦を喫したノッティンガム・フォレストとの首位攻防戦。ダブルを許せば、アーセナルの足音が聞こえてきそうです。マンチェスター・ユナイテッドは、ホームで最下位のサウサンプトン。リヴァプールにやられるより、こっちを落とすほうが深刻です。両者ともに、「負けられない」ゲームが続きます。


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