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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「ミランにローン移籍」は成立するのか?現地記者が語るラシュフォードとアモリムの40日。

ドウェイン・メイナードがイタリアに向かったのは火曜日。行き先はACミランのオフィスで、弟のマーカス・ラシュフォードのローン移籍について打ち合わせをするためでした。年末にパウロ・フォンセカを解任し、セルジオ・コンセイソンを後任に迎えたクラブは、得点力不足の解消が重要なテーマとなっています。

セリエAからのコンタクトは、マンチェスター・ユナイテッドにとっては悪くない話でしょう。ルーベン・アモリム監督が、現状の10番を戦力と見做していないのは明らかです。マンチェスターダービーから4試合連続でベンチから外したのは、意識改革を求めるハードマネジメントとも受け取れますが、ニューカッスル戦の交代策は3番手以下と宣告するかのようでした。

オールド・トラフォードで2失点を喫し、巻き返さなければならなかった後半の交代策は、ガルナチョ&レニー・ヨロの2枚代えとアントニー。わざわざ準備をさせながらシュート1本のホイルンドを代えず、カードを1枚余らせて敗戦を受け入れた采配は、ピッチにいた選手たちにも強いインパクトを与えたのではないかと思われます。

今回の騒動を追跡した「アスレティック」のローリー・ウィットウェル記者によると、発端は12月1日。エヴァートン戦の直後に指揮官に届いた情報だったといっています。2ゴールを決めて勝利に貢献したアタッカーは、試合の48時間前にマンチェスターのバーにいたと伝えられたそうです。外出していたのかと聞かれ、誤解だと返した3日後、彼はアーセナル戦の遠征メンバーから外されました

ノースロンドンで敗れた直後のプルゼニ戦で、印象に残るパフォーマンスを披露していたら、今とは違う世界があったのでしょうか。シュートを打てず、56分に代えられたラシュフォードは、「翌日の金曜日も出歩き、土曜日のトレーニングでは疲れているように見えた」と噂されました。彼をよく知る人々は否定していますが、日曜日のダービー以降、出番はありません

アモリム監督は独断で彼を外したわけではなく、経営ボードと話し合ったそうです。「アスレティック」の記者は、「彼らの頭のなかには、昨年1月のベルファストでの出来事があった」と綴っています。事件の始まりは2023年1月27日、金曜日。キャリントンでのトレーニングセッションで体調不良を訴えたラシュフォードは、当初は「外出したのは水曜日だけ」といっていました。

ところがその後、トレーニングの数時間前にナイトクラブに入るところを撮影されていたことが発覚。パーティーは、2日連続でした。中学生のような嘘によって失った信用は、今も取り戻せていないようです。FAカップ4回戦のニューポート戦で先発から外しただけで、ウルヴスとのプレミアリーグで即座に復帰させたテン・ハフは、懐の深い監督だったと評すべきでしょう。

スールシャールに「左右、センターとたらい回しにされたくない」と抗議したラシュフォードは、ラングニックにも「左に専念したい」と訴え、左をメインにしたテン・ハフとは指導法や交代策を巡って揉めてしまいました。ナーバスになりやすく、監督との良好な関係を継続できないアタッカーは、今回の件を乗り越えても、いずれ難しい状況に陥るのかもしれません。

ミランと話し合ったドウェイン・メイナードは、ユーヴェやドルトムントとも同様の場を持つ可能性があります。最大のネックは週給32万5000ポンドといわれるサラリーで、マンチェスター・ユナイテッドが許容する負担がローン移籍の可否につながるようです。サン・シーロに赴き、組織的な守備で戦うセルジオ・コンセイソンに走れといわれたら、覚醒するのでしょうか。

母校の子どもたちにクリスマスプレゼントを届ける心優しい男を、かばう向きもあるようですが、「高額の報酬を得ている選手が1年半も停滞したら、クラブは待てない」といわれれば、返す言葉はないでしょう。これまでずっと、2022-23シーズンの無双状態の再現を期待し続けてきました。そろそろ諦める時が来たのかもしれません。どんな未来でも、クラブの決断を支持します。


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