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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Saints】最低の前半、怒涛の終盤…アマド・ディアロ、ラスト8分からハットトリック!

いやー、最低でしたね。プレミアリーグ21節、マンチェスター・ユナイテッドVSサウサンプトン。「オールド・トラフォードで最下位と対戦」という絶対に負けられない条件を突きつけられ、プレッシャーに苛まれていたのでしょうか。前半の彼らは、年末のウルヴス戦やニューカッスル戦の悪夢を思い出させるローテンションのチームでした。

「アモリム就任以降の悪い膿がすべて噴き出したような45分」という表現は、大げさでしょうか。ホイルンドが左サイドを突破した20分のチャンスで、グラウンダーに走り込んだガルナチョが右に外すのを見て、既に苛立っていました。「今日は負けだ!」と叫んだのは、27分。ディブリングのターンで、リサンドロ・マルティネスはあっさり抜かれてしまいました

チェルシーユース出身の18歳が右からドリブルでボックスに入ると、デ・リフトは左隅を狙ったシュートのコースを切れず、オナナが右に飛んでビッグセーブ。ゴール前に浮いたボールを胸トラップしたマテウス・フェルナンデスの決定的なボレーも、体勢を立て直した守護神が体に当てました。「ホームで最下位相手にカウンター頼み」の時間はいつ終わるのか…?

敵陣でカットしまくるアウェイチームが先制したのは40分。ボックス左に抜けたスレマナのシュートを、デ・リフトが必死のスライディングで止めた直後のCKでした。左からのボールを頭で逸らしたのは、ディブリング。CKの際にニアで簡単に負ける守備に、改善の兆しはありません。ウガルテの背中に当たったボールをオナナは掻き出せず、0‐1でハーフタイムとなりました。

後半のメンバーを見ると、メイヌーに代わってアントニー。ブルーノ・フェルナンデスを中盤センターに下げ、後方からのフィードでチャンスを創ろうとしているのでしょう。開始1分、ブルーノの縦パスでボックス左に流れたアントニーが左足でシュート。テイラー・ハーウッド=ベリスが足に当ててCKとなったのを見て、悪くないスタートだと思いました。

ホイルンドとウガルテを、ザークツィーとトビー・コリアーという大胆な策は当たるのか。59分のカウンターで、左から上がったガルナチョに展開したのは、やはりブルーノです。ボックスに入ってファーに通したグラウンダーは完璧だったのですが、スライディングしたアントニーは、前にプッシュするだけでよかったボールを、中央のラムズデールのほうに流してしまいました。

78分に左から中に斬り込んだガルナチョの弱いシュートを見て、「今日は負けだ!」と再度叫んだ私は、「期待してたんかい!」と自虐モード。アモリム監督の最後のカードは、レニー・ヨロとマズラウィに代えてマグワイアとエリクセンです。終盤にCBをスイッチするのは、アモリムあるある。エリクセンは、前線を動かすパスを期待されているのでしょう。

11人の迷える子羊に見えていたチームに、勇者がひとり混じっていたと気づかされたのは82分。ザークツィーのパスをボックス右手前で受けたアマド・ディアロは、カットインからカイル・ウォーカー=ピータースを強引に抜き去り、飛び出したラムズデールの右を抜きました。1‐1となっても、セインツのハイラインの前にボールを集めるアタックを繰り返しています。

10人の子羊とひとりの勇者かと思いきや、賢者もいたと知ったのは90分。右サイドで仕掛けたアマド・ディアロは、ボックスの右脇からエリクセンに預け、ラインの裏に走りました。浮き球のリターンは速度も距離感も完璧で、落ち際をプッシュした左足ボレーでついに逆転!リサンドロ・マルティネスに行ってこいと促された16番は、サポーターにもみくちゃにされています。

2‐1ではわからないと身構えていた94分、ラムズデールのパスを受けたハーウッド=ベリスのトラップが緩く、一気に詰めたアマド・ディアロがあっさり奪取して右足でネットを揺らしました。終わってみれば、3‐1。マンチェスター・ユナイテッドは、スパーズとハマーズをかわして12位に浮上しました。しばらくは、降格の可能性について書かれずにすむでしょう。

あもりむもひどい前半…いや、あまりにもひどい前半を見せられて、3発ならOKとはいえませんが、今日はアマドのハットトリックを手離しで称賛することとしましょう。マンチェスターダービーを1‐2で制し、リヴァプールとは2‐2で、アーセナルをPK戦で屠ったのに、セインツにコレかい!という嘆きはしばし、呑み込んで。

シュート6本で3ゴール、チャンスクリエイト3回、ドリブル成功4回、パス成功率87%、デュエル6勝4敗。秀逸なスタッツを残した22歳のアタッカーは、2030年までの新たな契約書にサインし、「マンチェスター・ユナイテッドで歴史を作りたい」といっています。苦しいシーズンがどんな終わり方になったとしても、彼の活躍は語り継がれていくでしょう。素晴らしい!


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