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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Brentford】0‐0の90分から劇的な連発!ダルウィン・ヌニェスは復活するのか?

ボックス手前でカーティス・ジョーンズが競り合い、こぼれ球を拾ったダルウィン・ヌニェスがサラーに預けたのは89分。中央に入っていた11番は、左隅を狙ったシュートを枠に収められませんでした。必死に守るブレントフォードは、守護神フレッケンが絶好調。35本のシュートを放ったリヴァプールは、ノーゴールで終わろうとしていました。

エースのコントロールショットがポストのすぐ外を抜けた瞬間、アルネ・スロット監督はしゃがみ込んでいます。フレッケンのゴールキックから左サイドを突破しようとしたウィサは、コナテが体を当ててつぶし、アリソンはすかさず右のアーノルドへ。ドリブルでセンターに持ち込んだSBは、ロバートソンにパスを出してセンターに残っています。

左サイドで再三パスをもらうフェデリコ・キエーザが、突破できるとは思えません。切り返しから低いクロスを入れると、サラーに着いていたルイス・ポッターがヘディングでクリアしました。胸でトラップしたのは、いつの間にか右に戻っていたアーノルド。エリオットに預けてボックス右に走り、リターンをもらうと、最初のグラウンダーはヤンセンにカットされました。

ボールはSBの足元に落ち、2本めがゴール前へ。直前までダルウィン・ヌニェスに張り付いていたセップ・ファン・デン・ベルフは、アーノルドのコースを切ろうとしてニアに出ており、後方にいたネイサン・コリンズが9番に寄せようとした最悪のタイミングでした。不振のストライカーの冷静なワンタッチがGKの脇を抜け、紅白のストライプは一斉にピッチに崩れ落ちました。

シャツ1枚なら脱ぎ捨てる解放感はわかるのですが、インナーを着ているのにわざわざ脱いでカードをもらうのはなぜなのか。とはいえ、1‐3で勝っていたニューカッスル戦の96分に4点めを決め、イエローを差し出されたボーンマスのケルケスよりは理解できます。ゲームが再開したのは91分40秒。ブレントフォードには、1ポイントというミッションが残されています。

攻めなければならないホームチーム。全員が敵陣に入っているのに、ラフなドリブルをサラーにカットされたルイス・ポッターは軽率だったといわざるをえません。ハーフライン付近でパスを受けたファデリコ・キエーザがドリブルで上がると、前方は3対2。右から上がったエリオットにボールが渡ると、中央にいたルイス・ディアスがボックス右に流れて「出せ」といっています

ドリブルでセンターに持ち込んだ19番のジャッジは、左でフリーになっていたダルウィン・ヌニェスへのラストパス。ボールが出た瞬間、9番をチェックしようとしたルアスレウは、中に出したトラップで振り切られてしまいました。フリーになったストライカーがど真ん中に思い切り蹴り込み、0‐2。これで勝負は、終わりです。

2022年6月にダルウィン・ヌニェスを引き入れたリヴァプールが、ベンフィカに支払った移籍金は6400万ポンド。アドオンを含めると8500万ポンドで、ファン・ダイクを超えるクラブレコードとなります。初年度はプレミアリーグ29試合9ゴール、昨シーズンは36試合11ゴール。移籍金が目に入ると、評価は厳しくなりがちですが、今季に期待をつなぐ数字を残していました。

しかし今季はスロット監督の戦術にうまくフィットせず、プレミアリーグの前半戦は14試合2ゴール。入団からのビッグチャンスミスは50に到達し、今季を含む3シーズンで上にいるのはシュートチャンスが多いハーランドだけです。アウェイチームの「アンディ・キャロルチャント」はお約束で、ガクポとジョッタのどちらかが元気ならベンチスタートです。

パスの成功率は70%を切っており、90分あたりのオンターゲットは1.2本。デュエルの勝率も40%で、強みといえる数字がありません。放出候補と噂されるのもやむなしのスタッツですが、チームを救う2ゴールはトップフォームを取り戻すきっかけになるでしょうか。しばらくは5番手として、後半からの出番で結果を出していくしかないでしょう。

何とか勝ち切ったリヴァプールは、ヴィラ戦を2‐2のドローで終えたアーセナルとの差を6ポイントに戻しました。この試合の前まで、サラーがゴールもアシストもなかったプレミアリーグの3試合は、1勝1分1敗でわずか2ゴール。7回のチャンスクリエイトを記録したエースのアプローチは不発で、苦しい展開を強いられました。

マック・アリスターとショボスライの2人でシュート11本。マック・アリスターは左から、ショボスライは右から積極的にボックスに入り込み、人数を揃えて守るホームチームを揺さぶったのですが、ゴールには至りませんでした。クロスバーを叩いた35分のショボスライのミドルが決まっていれば、すんなり圧勝という展開もあったかもしれません。

目下の最大の課題はセットピースでしょう。前半のCK9本は、今季プレミアリーグの45分で最多だったのですが、アウトスイングを多用するという工夫は実りませんでした。セットピース100本あたりで1.7ゴールは、フラムしか下にいない19位。ファン・ダイク、コナテ、ダルウィン・ヌニェス、ジョッタを活かす術を得られれば、接戦を減らせるのではないでしょうか。

劇的勝利の余韻が消え、フラットに現状を見ると、年明けからの公式戦5試合は2勝2分1敗。快勝といえるのはリーグ2のアクリントン・スタンリーに4‐0のFAカップだけです。選手層が厚いとはいえないリヴァプールは、冬のマーケットもスルーしてしまうのでしょうか。優勝できるかどうかは、要所のキーマンがフルシーズン稼働できるかどうかにかかっている気がしますが…。


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