2025.01.26 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【MAN.CITY×Chelsea】勝負を分けたのはGK…エデルソンはアシスト、ロベルト・サンチェスは痛恨のミス!
ペップ・グアルディオラのスターティングメンバーを見た瞬間、「え?」と叫んでしまいました。最終ラインにフサノフ、左サイドにマルムシュの名前があります。下位チームが相手なら、いきなり先発もあるのかもしれませんが、エティハドで対峙するのはチェルシーです。立ち上がりのフサノフは慎重で、マルムシュは気合十分に見えます。
開始1分、フサノフの縦パスを受けたフォーデンが右のマテウス・ヌネスにつなぎ、アーリークロスをトラップしたマルムシュが右に流れて強烈なシュートを放ちますが、オフサイドを告げる旗が挙がっていたようです。1分後、ハーフライン手前でスローインをカットしたのはトレヴォ・チャロバー。高く上がったボールの落下点には、ニコラス・ジャクソンとフサノフがいます。
競り合った両者は触れず、バウンドしたボールに先着したのはフサノフ。エデルソンにヘディングで渡すという選択は無謀で、頭でプッシュした弱いボールをストライカーは狙っていました。右足アウトで中央に送ると、左足の裏で無人のゴールに流し込んだのはノニ・マドゥエケ。緊張が極限に達していたのでしょう。20歳のウズベギスタン代表の顔は、こわばっています。
0‐1となった1分後、フサノフがまたも致命的なミス。エデルソンのパスを受け、ニコラス・ジャクソンに詰められると、コヴァチッチへの緩いパスをカットしたのは最も危険な人物でした。一気にゴール前に出ようとしたコール・パルマーの足を引っかけ、イエローカード。2時間半前のモリニューでは、同じようなプレイでルイス=スケリーがレッドを喰らっています。
9分のカウンターが決まっていれば、チェルシー圧勝という結末になっていたかもしれません。アカンジの縦パスをインターセプトしたトレヴォ・チャロバーが、すかさずラインの裏に縦のスルーパス。ボックス右に持ち込み、GKと1対1になったコール・パルマーは、背後にフサノフが迫っているのを意識しながら、中央に入ったニコラス・ジャクソンにパスを出しました。
今までの彼らだったら、足元にぴったりのボールが出てゴールに転がすだけだったはずです。しかし20番のパスはやや強く、ストライカーがゴール左でトラップしたときには、エデルソンがコースを切っていました。ラストパスをニアで受けたジェイドン・サンチョはフリー。しかしダイレクトショットは、フサノフの足に当たってしまいました。
直後、フォーデンが右から放ったミドルがニアポストにヒット。鈍い音が響き渡った瞬間、マン・シティの選手たちは催眠状態から解き放たれたのかもしれません。サンチョが左から仕掛けた15分のカウンターは、グラウンダーをアカンジが冷静にクリア。ここからは、いつものパスワークを取り戻したホームチームのペースです。
フォーデンが左のグヴァルディオルに展開したのは21分。アーリークロスにスライディングで足を出したマルムシュは1歩及ばず、ボールは逆サイドに流れていきました。23分にボックス左手前から、FKを蹴ったのはマルムシュ。壁に当たったボールはフサノフの足元に届き、右足のミドルはエンソ・フェルナンデスがブロックしました。
24分、右からクロスを入れたのはベルナルド・シウヴァ。ハーランドが頭で後ろに流すと、ノニ・マドゥエケをキックフェイントでかわしたグヴァルディオルの決定的なシュートは、バーを越えてしまいました。チェルシーの決定機は29分。アカンジが下がっているのを見たニコラス・ジャクソンが、フサノフの視界から消えてラインぎりぎりにポジションを取っていました。
これに気づいたククレジャが縦の高速パスを通すと、必死に戻ったフサノフを切り返しでかわした15番は左足でシュート。フィニッシュまでのプロセスを読み切ったエデルソンが右に倒れてセーブし、マン・シティは2点という厳しいビハインドを回避しました。0‐1のままで終わるかと思われた前半がイーブンに戻ったのは、42分でした。
右サイドのマテウス・ヌネスが中央に絞り、ラインの裏に出ようとすると、この動きを見ていたギュンドアンが絶妙な浮き球を合わせました。ククレジャに競り勝ったマテウス・ヌネスのシュートは、飛び出してきたロベルト・サンチェスが体に当てますが、左から詰めたグヴァルディオルが悠々とこぼれ球を流し込みました。
後半の立ち上がりは、効果的なプレスでパスコースを切っているチェルシーのペースです。コール・パルマーが敵陣でコヴァチッチから奪った51分のチャンスは、クロスもミドルシュートもカットされ、ギュンドアンのロングフィードで右に抜けたハーランドは、戻ったコルウィルをかわして打った一撃をロベルト・サンチェスのビッグセーブに阻まれました。
フサノフがジョン・ストーンズに代わったのは53分。ベンチに向かう20歳は敗者の表情です。60分にニコラス・ジャクソンが下がり、エンクンク。プレミアリーグで8試合連続ノーゴールとなったストライカーは、自らに苛立っているのでしょうか。マン・シティの勝ち越しゴールは68分。エデルソンのキックを受けて右に流れたハーランドは、トレヴォ・チャロバーと1対1です。
ボックスから飛び出したロベルト・サンチェスは、なぜ中途半端なポジションを選んのか。コースを切ったCBと2人がかりで止め切るか、ゴールマウスに戻るかの二択だったシーンで、ボックスの左コーナーで構えるという第三の選択はポジショニングミスというべきでしょう。トレヴォ・チャロバーがスリップした瞬間、ループシュートがGKの頭上を越えてネットに届きました。
逆転されたチェルシーは、マロ・グストとペドロ・ネトを投入して猛攻を続けたのですが、シュートに至らず時間を費やしています。74分にデブライネに後を譲ったマルムシュは、まずまずのスタートといっていいでしょう。勝負が決したのは87分。エデルソンのフィードをデブライネがヘッドで流し、コルウィルを背負ったハーランドがフォーデンを走らせるパスを通しました。
中央を独走した47番が、GKの前から左に突き刺して3‐1。ハーランドとフォーデンのゴールを最も喜んだのは、ミスを悔やんでいたフサノフでしょう。ウズベギスタン人として初のプレミアリーグデビューを果たした若きCBは、チームの勝利が決まるとスタッフとハグをかわし、柔らかい笑みを浮かべていました。
「彼は英語をスラスラと話せないので、コミュニケーションを取ろうと思ったら、私がロシア語かウズベク語を学ばなければならない。でも、ああいった状況では何もいうことはない。彼は自分がミスを犯したとわかっている。彼の脇にいって、何をいえばいいというんだ?ミスすんなとでも?」
早い時間に彼を代えた理由を問われたペップは、「ミスが理由ではなく、イエローをもらっていたから」といっていますが、本音はわかりません。53分になってから動いたのは、ハーフタイムだとミスを咎めているように見えるからでしょう。本心はどうあれ、前途ある若手の心を折らないように配慮したのは間違いなさそうです。
「あんな状況では、頭が乾燥機の中にあるような感じになる(ジェイミー・レドナップ)」「あの少年のために、泣きたい気分になった(ガリー・ネビル)」「ひどいスタート(アーリング・ハーランド)」。CBのミスが注目される試合になりましたが、勝負を分けた最大のポイントはGKのパフォーマンスではないでしょうか。
前半のピンチで的確なポジションを取り、ニコラス・ジャクソンの2度のチャンスをつぶしたエデルソンは、逆転ゴールをアシストした後、最後のゴールの起点となりました。一方、ショットストッパーとしては素晴らしいロベルト・サンチェスは、キックやスローのミスが目立ち、トレヴォ・チャロバーとククレジャが何とかしてくれそうなシーンで頭上を越されてしまいました。
ボクシングデー以降のプレミアリーグ6試合は1勝2分3敗。守備の改善が必要なチェルシーは、GKの強化まで手が回らなかったとしても、ヨルゲンセンに賭けてみてもいいのではないかと思います。前線と中盤は、昨夜の先発の6人がベストで、エンクンク、ペドロ・ネト、ジョアン・フェリックス、ラヴィアがいれば戦えるはずです。変えるとしたら、最終ラインとGKでしょう。
開始1分、フサノフの縦パスを受けたフォーデンが右のマテウス・ヌネスにつなぎ、アーリークロスをトラップしたマルムシュが右に流れて強烈なシュートを放ちますが、オフサイドを告げる旗が挙がっていたようです。1分後、ハーフライン手前でスローインをカットしたのはトレヴォ・チャロバー。高く上がったボールの落下点には、ニコラス・ジャクソンとフサノフがいます。
競り合った両者は触れず、バウンドしたボールに先着したのはフサノフ。エデルソンにヘディングで渡すという選択は無謀で、頭でプッシュした弱いボールをストライカーは狙っていました。右足アウトで中央に送ると、左足の裏で無人のゴールに流し込んだのはノニ・マドゥエケ。緊張が極限に達していたのでしょう。20歳のウズベギスタン代表の顔は、こわばっています。
0‐1となった1分後、フサノフがまたも致命的なミス。エデルソンのパスを受け、ニコラス・ジャクソンに詰められると、コヴァチッチへの緩いパスをカットしたのは最も危険な人物でした。一気にゴール前に出ようとしたコール・パルマーの足を引っかけ、イエローカード。2時間半前のモリニューでは、同じようなプレイでルイス=スケリーがレッドを喰らっています。
9分のカウンターが決まっていれば、チェルシー圧勝という結末になっていたかもしれません。アカンジの縦パスをインターセプトしたトレヴォ・チャロバーが、すかさずラインの裏に縦のスルーパス。ボックス右に持ち込み、GKと1対1になったコール・パルマーは、背後にフサノフが迫っているのを意識しながら、中央に入ったニコラス・ジャクソンにパスを出しました。
今までの彼らだったら、足元にぴったりのボールが出てゴールに転がすだけだったはずです。しかし20番のパスはやや強く、ストライカーがゴール左でトラップしたときには、エデルソンがコースを切っていました。ラストパスをニアで受けたジェイドン・サンチョはフリー。しかしダイレクトショットは、フサノフの足に当たってしまいました。
直後、フォーデンが右から放ったミドルがニアポストにヒット。鈍い音が響き渡った瞬間、マン・シティの選手たちは催眠状態から解き放たれたのかもしれません。サンチョが左から仕掛けた15分のカウンターは、グラウンダーをアカンジが冷静にクリア。ここからは、いつものパスワークを取り戻したホームチームのペースです。
フォーデンが左のグヴァルディオルに展開したのは21分。アーリークロスにスライディングで足を出したマルムシュは1歩及ばず、ボールは逆サイドに流れていきました。23分にボックス左手前から、FKを蹴ったのはマルムシュ。壁に当たったボールはフサノフの足元に届き、右足のミドルはエンソ・フェルナンデスがブロックしました。
24分、右からクロスを入れたのはベルナルド・シウヴァ。ハーランドが頭で後ろに流すと、ノニ・マドゥエケをキックフェイントでかわしたグヴァルディオルの決定的なシュートは、バーを越えてしまいました。チェルシーの決定機は29分。アカンジが下がっているのを見たニコラス・ジャクソンが、フサノフの視界から消えてラインぎりぎりにポジションを取っていました。
これに気づいたククレジャが縦の高速パスを通すと、必死に戻ったフサノフを切り返しでかわした15番は左足でシュート。フィニッシュまでのプロセスを読み切ったエデルソンが右に倒れてセーブし、マン・シティは2点という厳しいビハインドを回避しました。0‐1のままで終わるかと思われた前半がイーブンに戻ったのは、42分でした。
右サイドのマテウス・ヌネスが中央に絞り、ラインの裏に出ようとすると、この動きを見ていたギュンドアンが絶妙な浮き球を合わせました。ククレジャに競り勝ったマテウス・ヌネスのシュートは、飛び出してきたロベルト・サンチェスが体に当てますが、左から詰めたグヴァルディオルが悠々とこぼれ球を流し込みました。
後半の立ち上がりは、効果的なプレスでパスコースを切っているチェルシーのペースです。コール・パルマーが敵陣でコヴァチッチから奪った51分のチャンスは、クロスもミドルシュートもカットされ、ギュンドアンのロングフィードで右に抜けたハーランドは、戻ったコルウィルをかわして打った一撃をロベルト・サンチェスのビッグセーブに阻まれました。
フサノフがジョン・ストーンズに代わったのは53分。ベンチに向かう20歳は敗者の表情です。60分にニコラス・ジャクソンが下がり、エンクンク。プレミアリーグで8試合連続ノーゴールとなったストライカーは、自らに苛立っているのでしょうか。マン・シティの勝ち越しゴールは68分。エデルソンのキックを受けて右に流れたハーランドは、トレヴォ・チャロバーと1対1です。
ボックスから飛び出したロベルト・サンチェスは、なぜ中途半端なポジションを選んのか。コースを切ったCBと2人がかりで止め切るか、ゴールマウスに戻るかの二択だったシーンで、ボックスの左コーナーで構えるという第三の選択はポジショニングミスというべきでしょう。トレヴォ・チャロバーがスリップした瞬間、ループシュートがGKの頭上を越えてネットに届きました。
逆転されたチェルシーは、マロ・グストとペドロ・ネトを投入して猛攻を続けたのですが、シュートに至らず時間を費やしています。74分にデブライネに後を譲ったマルムシュは、まずまずのスタートといっていいでしょう。勝負が決したのは87分。エデルソンのフィードをデブライネがヘッドで流し、コルウィルを背負ったハーランドがフォーデンを走らせるパスを通しました。
中央を独走した47番が、GKの前から左に突き刺して3‐1。ハーランドとフォーデンのゴールを最も喜んだのは、ミスを悔やんでいたフサノフでしょう。ウズベギスタン人として初のプレミアリーグデビューを果たした若きCBは、チームの勝利が決まるとスタッフとハグをかわし、柔らかい笑みを浮かべていました。
「彼は英語をスラスラと話せないので、コミュニケーションを取ろうと思ったら、私がロシア語かウズベク語を学ばなければならない。でも、ああいった状況では何もいうことはない。彼は自分がミスを犯したとわかっている。彼の脇にいって、何をいえばいいというんだ?ミスすんなとでも?」
早い時間に彼を代えた理由を問われたペップは、「ミスが理由ではなく、イエローをもらっていたから」といっていますが、本音はわかりません。53分になってから動いたのは、ハーフタイムだとミスを咎めているように見えるからでしょう。本心はどうあれ、前途ある若手の心を折らないように配慮したのは間違いなさそうです。
「あんな状況では、頭が乾燥機の中にあるような感じになる(ジェイミー・レドナップ)」「あの少年のために、泣きたい気分になった(ガリー・ネビル)」「ひどいスタート(アーリング・ハーランド)」。CBのミスが注目される試合になりましたが、勝負を分けた最大のポイントはGKのパフォーマンスではないでしょうか。
前半のピンチで的確なポジションを取り、ニコラス・ジャクソンの2度のチャンスをつぶしたエデルソンは、逆転ゴールをアシストした後、最後のゴールの起点となりました。一方、ショットストッパーとしては素晴らしいロベルト・サンチェスは、キックやスローのミスが目立ち、トレヴォ・チャロバーとククレジャが何とかしてくれそうなシーンで頭上を越されてしまいました。
ボクシングデー以降のプレミアリーグ6試合は1勝2分3敗。守備の改善が必要なチェルシーは、GKの強化まで手が回らなかったとしても、ヨルゲンセンに賭けてみてもいいのではないかと思います。前線と中盤は、昨夜の先発の6人がベストで、エンクンク、ペドロ・ネト、ジョアン・フェリックス、ラヴィアがいれば戦えるはずです。変えるとしたら、最終ラインとGKでしょう。
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