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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

冬のマーケットはレフトバックのみ。マンチェスター・ユナイテッドが前線を強化しなかった理由。

新戦力はレッチェから獲得したパトリック・ドルグだけで、ラシュフォード、アントニー、マラシアをローンで放出。ルーベン・アモリムの戦術にフィットする選手がただでさえ少ないのに、デッドラインデーの前日に開催されたクリスタル・パレス戦で、リサンドロ・マルティネスが前十字靭帯損傷という重傷を負ってしまいました。

マンチェスターダービーで、アマド・ディアロの決勝ゴールをアシストしたレフティは、ELのレンジャース戦でもブルーノ・フェルナンデスの劇的な逆転ゴールをお膳立てしています。アンフィールドのリヴァプール戦では先制ゴール、フラム戦では勝負を決める唯一のゴール。彼がいなければ、ジョークではなく残留争いに巻き込まれていたかもしれません。

マンチェスター・ユナイテッドは、戦力を落として春を迎えようとしています。2人のアタッカーを手離したのに、前線を補強しなかったのは、投資できる状況ではなかったからです。バイエルンで頭角を現した19歳のマティス・テルは、500万ポンドのストレートローンという話があったのですが、この額すら高すぎるとして見送ったそうです。

エンクンクのローン移籍はデッドラインデーの前日に却下され、レオン・ベイリーには声をかけなかったようです。現地の記者たちは、「エリック・テン・ハフとダン・アシュワースの解任と、アモリムのアサインで費やした数百万ポンドがなければ、もう少しいい話があったかもしれない」といっていますが、ローンで獲得できる選手がひとり増えるぐらいのインパクトです。

余剰戦力となっているリンデロフとカゼミーロは売れず。シーズンが終われば再度、ガルナチョ売却という噂が流れるはずです。マンチェスター・ユナイテッドが次に着手すべきは、ジェンソン・ウィルコックスTDが仕切るリクルーティングチームの見直し、すなわちダン・アシュワースの後任探しでしょう。

かくしてルーベン・アモリムは、現状の手駒をいかに活用するかを問われる状況が続いています。「テン・ハフのために獲得した選手たちで、3‐4‐2‐1のクオリティを高めるのは難しい」「前任者とコンセプトや戦略、戦術が違いすぎるので時間がかかる」という声にはうなずくしかありませんが、それらは負け続けていい理由にはなりません

現状のベストメンバーは、どんな顔ぶれでしょうか。ハイボールとミドルシュートが飛んでくるとドキドキするオナナは、セービングとキックのミスがないことを祈るしかありません。ビルドアップ重視なら、3バックはマズラウィ、デ・リフト、レニー・ヨロか。左右のWBはパトリック・ドルグとダロト。ウガルテとメイヌーの2センターは、さらなる進化が期待できそうです。

2列めはブルーノ・フェルナンデス&アマド・ディアロの一択。ルーベン・アモリムが好む最前線は、ザークツィーよりホイルンドでしょう。指揮官にお願いしたのは、2人合わせて1億ポンド超を投じた若いストライカーたちの育成と活用です。ヨーロッパリーグでは5ゴールを決めているホイルンドが、プレミアリーグで停滞しているのは、本人の問題ばかりではないでしょう。

サー・アレックス・ファーガソン去りし後、12年めの冬。モイーズもモウリーニョもラングニックも、これほど厳しい状況には追い込まれていません。キャッシュフローが危機的になっている財政と、「ここにいる選手たちと異なるプロフィールの特定の選手がほしい」という指揮官の言葉を重ね合わせると、復活できるとしても相当時間がかかりそうです。

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