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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brighton×Chelsea】ブライトンとの2戦は枠内1本…9番不在のチェルシーは得点力を取り戻せるのか?

GKフェルブルッヘンのロングキックが、ラインの裏に高く上がったのは27分。ボックス左手前に走った三笘薫は右足のつま先で巧みにトラップし、2タッチでトレヴォ・チャロバーをかわして中央に斬り込みました。右隅を狙ったショットは、GKヨルゲンセンの指先を弾いて1-0。柔らかいトラップはベルカンプ、鋭いフィニッシュはバッジョを思い出させる完璧なパフォーマンスでした。

FAカップでチェルシーを2‐1で倒したブライトンは、金曜日開催のプレミアリーグ25節も3-0の完勝。38分の2点めは、ウェルベックとポストプレーをかわしたバレバがキーマンでした。左に出たMFは、マロ・グストを抜き切らずに高速のグラウンダーをフィード。コルウィルのクリアはヨルゲンセンが足に当ててオウンゴールを回避したのですが、こぼれ球を拾われてしまいました。

ウェルベックは強引に打たず、右にいたヤンクバ・ミンテにつなぎ、ククレジャをかわしたウインガーがゴールの右に叩き込みました。勝負を決める3点めは62分。右からボックスに入ったヤンクバ・ミンテがウェルベックに預けてリターンをもらい、またもククレジャをかわしてニアにねじ込みました。

チェルシーの最前線問題は、想像以上に深刻のようです。FAカップでは、GKのセーブミスで得たゴール以外にチャンスを得られず、シュート7本のうちオンターゲットは1本。リベンジをめざしたプレミアリーグは、8本がすべて枠の外でした。ワントップのエンクンクは2試合ともシュートゼロで、パス成功率は95%。自分の役割はここじゃないと主張するようなスタッツです。

アーセナルの9番全滅は、マーケットで適任を見出せずに獲得を見送った苦渋の決断ですが、チェルシーは不運というしかありません。ニコラス・ジャクソンとマルク・ギウがダブルで長期離脱となったウェストハムとのロンドンダービーは、冬のデッドラインデー。既にミランへのローン移籍が決まっていたジョアン・フェリックスを引き留める手はありませんでした。

とはいえ、開幕から順調にゴールを積み上げていたニコラス・ジャクソンは、12月16日のブレントフォード戦を最後に8試合連続ノーゴール。チェルシーの不振に陥ったのは、9番が決められなくなってからです。プレミアリーグは2勝3分3敗。FAカップはモアカムに勝った後、ブライトンに逆転負け。トップリーグのクラブとの9試合で、11ゴールしか決めていません。

前線の枯渇の始まりは、ムドリクのドーピング陽性反応。それでも2月に入るまでは、ジョアン・フェリックスに出場機会を与えるためにローンに出す余裕がありました。まさか一気に3人を失うとは…!エンクンク、ジェイドン・サンチョ、ペドロ・ネト、ノニ・マドゥケにコールパルマーという陣容になってから、タイリック・ジョージの出番が増えています

さらにブライトン戦では、17分に右からグラウンダーを入れたノニ・マドゥエケが左足を押さえて倒れ込んでしまいました。コール・パルマーのダイレクトショットがポストに当たると、すかさずメディカルスタッフがピッチへ。ハムストリングなら、数週間のリタイアでしょう。サンチョとペドロ・ネトのコンビはFAカップで機能しておらず、窮余の策という表現がぴったりです。

サンチョが最後にゴールに絡んだのは、年明けすぐのクリスタル・パレス戦のアシストで、ブライトンとの2試合はシュートゼロ。プレミアリーグ22試合2ゴール2アシストのペドロ・ネトも、もの足りないといわざるを得ません。コール・パルマーとエンクンクのコンビネーションや、ウインガーとSBの連携も、9番の得点力に影響を与える課題となっています。

トッド・ベーリーとクリアランス・キャピタルの買収以来、チェルシーは前線の選手に4億4500万ポンドを費やしています。しかし現状を見ると、コール・パルマーとニコラス・ジャクソン以外に成果を出している選手はいません。スターリングとオーバメヤンの空転と離脱は、監督を目まぐるしくすげ替えた代償でしょう。

ダヴィド・ダトロ・フォファナ、デヴィッド・ワシントン、マルク・ギウへの3400万ポンドの投資に回収の目処は立っていません。マレスカ監督のなかに、得点力を高めるためのアイデアはあるのでしょうか。最初に着手すべきは、公式戦5試合連続でゴールもアシストもないコール・パルマーの活用でしょう。最前線で沈黙しているエンクンクと、入れ替えてみるのもよさそうです。

ラスト10試合の半分はTOP10のクラブで、ボトム10のうち2つはスパーズとマンチェスター・ユナイテッド。来週からのヴィラ、セインツ、レスターの3試合でポイントを落とすと、TOP4フィニッシュの難易度は一気に高まります。CL出場権の圏内に浮上したマンチェスター・シティとの差は1ポイント。早期に立て直せれば、充分間に合います。


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