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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最後のトロフィーから2759試合。左サイドを制圧したニューカッスルがカラバオカップを制覇!

2冠をめざすリヴァプールはアーノルドが不在で、アリソンはベンチ。56年ぶりのタイトルにあと1歩のニューカッスルは、アンソニー・ゴードンとボトマンを欠いています。ウェンブリーで開催されるカラバオカップ決勝の注目ポイントは、サラーとイサクのパフォーマンスと、中盤のせめぎ合いです。

ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフと、トナーリ、ブルーノ・ギマランイス、ジョエリントンは両者ともにベストの布陣。キックオフからの攻守が目まぐるしく入れ替わる展開は、直前のアーセナルVSチェルシーの1.5倍速に感じられます。6分にボックス左を突破したのは、ハーヴィー・バーンズ。高速のクロスはフラーフェンベルフがカットしています。

リヴラメントと接触したサラーは、つま先を痛めたのでしょうか。11分に左からのFKをファーで受けたシェアは、右足のボレーをニアに外しました。15分のジェイコブ・マーフィーのミドルは、クロスバーの上。速攻を受け続けているリヴァプールは、パスワークをスローに落としてペースをつかもうとしています。

ハーヴィー・バーンズがドリブルで仕掛けた24分のアタックは、左でスルーパスをもらったイサクが後ろに戻し、中央から放ったトナーリのミドルは右にアウト。2分後、左からのCKをファーのダン・バーンがゴールの右に落とすと、ブルーノ・ギマランイスがケレハーと1対1になっています。右足のタッチが流れた39番はGKにコースを塞がれ、チャンスを活かせませんでした。

34分に左からクロスを上げたのもハーヴィー・バーンズ。ファーにいたイサクのヘッドとトリッピアーのダイレクトショットは、いずれもロバートソンがブロックしました。45分、攻め続けていたニューカッスルが、ついに先制。左からのCKをヘッドで左隅に叩き込んだのは、空中戦を制していたダン・バーンです。

1-0の前半は、完全なるマグパイズペース。シュート9対1、クロス14対1という一方的な展開でした。サラーのパス成功は6本、ジョッタは4本。後半の立ち上がりは、スロット監督の打開策に注目です。最初の5分はイーブン。50分のCKからのゴールをオフサイドで取り消されたイサクは、2分後に追加点をゲットしました。

左からのクロスはリヴラメント。ファーのジェイコブ・マーフィーが頭で折り返すと、簡単ではなかったハーフボレーが左隅に突き刺さりました。リヴァプールに17試合連続で勝利なしのチームは、リードを守り切れるのか。スロット監督は57分にコナテとジョッタを下げ、カーティス・ジョーンズとダルウィン・ヌニェスを投入しました。

リヴァプールが決定機をつかんだのは59分。マック・アリスターの鋭い縦パスを受けたルイス・ディアスが左のショボスライに流すと、中央に出たボールに走り込んだカーティス・ジョーンズの一撃は、右手を振り上げたニック・ポープのビッグセーブに阻まれました。レッズの猛攻が始まるかと思いきや、獰猛なニューカッスルはすぐさま反撃に転じています

ブルーノ・ギマランイスの浮き球で左からラインの裏に出たハーヴィー・バーンズは、右にいたイサクへのパスをチョイス。エースの左足のボレーは、ケレハーが左に反応して外に弾き出しました。67分にマック・アリスターが下がり、コーディー・ガクポがピッチへ。残り20分を切っても、サラーはシュートを打っていません。

スロット監督の最後のカードは74分、ルイス・ディアスとフラーフェンベルフに代えてフェデリコ・キエーザとエリオット。エディ・ハウ監督は、最高の11人でいけると考えているようです。残り15分を切ってから、レッズのハーフコートマッチがスタート。疲労困憊のイサクは81分に下がり、最前線はカラム・ウィルソンです。

エースがゆっくり去ってから、マグパイズは元気を取り戻し、ジョエリントンやトナーリが積極的にシュートを打っています。足をつったジェイコブ・マーフィーは、90分にエミール・にチェンジ。追加タイムは8分です。93分の混戦はダルウィン・ヌニェスが決めきれず、しかし直後にエリオットのスルーパスでラインと入れ替わったフェデリコ・キエーザが、右隅に決めました

当初のジャッジはオフサイド。しかしオンフィールドレビューの後、レフェリーのジョン・ブルークスのアナウンスがあり、ウェンブリーは歓声に包まれました。98分を過ぎると、笛を催促する大ブーイング。シュート数7対17、オンターゲット2対6と素晴らしい数字を刻んだニューカッスルが、悲願のタイトルに辿り着きました。

マグパイズサポーターのみなさん、おめでとうございます!タイトルをめざしてしっかり準備したチームが、CLで敗退したばかりのチームを凌駕した一戦でした。120分の激戦のダメージが大きかったのか、いつもより運動量が落ちていたリヴァプールは、サラーとクアンサーのサイドを制圧されてしまいました。

鋭いドリブルでチャンスを創り続けたハーヴィー・バーンズ、セットピースをゴールにつなげたトリッピアー&ダン・バーン、勝負を決する追加点を決めたイサクに加えて、素晴らしい守備でチームを鼓舞したブルーノ・ギマランイスとシェアも称えたいと思います。チェルシー、アーセナル、リヴァプールを撃破した大会は、サポーターたちによって語り継がれていくのでしょう。

1週間で2つのタイトルの可能性を失ったリヴァプールは、サラー、ジョッタ、ルイス・ディアス、ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフを全員足してもシュート1本では、敗戦もやむを得ません。インターナショナルブレイクで気持ちを切り替え、リーグ制覇に向かうのみです。

ニューカッスルがインターシティーズ・フェアーズカップを制した1969年6月11日は、人類が初めて月面を歩く1ヵ月前だったそうです。それから2759試合を経てタイトルを手にしたクラブも、CL出場権という次なる目標を達成すべく、再び歩を進めます。束の間の喜びに浸る指揮官の柔和な笑顔が今も脳裏をよぎり、しばらく眠れそうにありません。


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