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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Newcastle×MAN.UTD】4連勝のニューカッスルは3位にリーチ、GKを代えたアモリムは収穫ゼロ…!

プレミアリーグのTOP5争いは、3位ノッティンガム・フォレストの連敗によって激しさを増しています。1ポイント差の4位にニューカッスル、さらに1ポイント差でマンチェスター・シティ、そのすぐ下にチェルシーとアストン・ヴィラ。5チームが3ポイントのなかにひしめく壮絶な椅子取りゲームのなかで、1試合消化が少ないニューカッスルの注目度が高まっています。

3月に入ってから、ウェストハム、ブレントフォード、レスターと3連勝。カラバオカップでリヴァプールを下し、56年ぶりとなるトロフィーを獲得したことも、選手たちのロイヤリティとモチベーションの向上につながったようです。日曜日のマンチェスター・ユナイテッド戦は、チームへの愛と自信の差がそのままスコアに反映されたような一戦でした。

ルーベン・アモリム監督は、ヨーロッパリーグのリヨン戦でミスを連発したオナナをスカッドから外し、アルタイ・バユンドゥルを抜擢。左SBに入った18歳のハリー・アマスとともに、プレミアリーグ初先発です。マズラウィ、リンデロフ、レニー・ヨロの3バックは、セント・ジェームズ・パークの圧力に耐えられるとは思えない並びです。

エディ・ハウ監督が急病で入院というアクシデントがありましたが、アシスタントコーチのジェイソン・ティンダルとグレアム・ジョーンズは哲学と戦術を共有できており、大きな懸念はなさそうです。立ち上がりは悪くなかったマンチェスター・ユナイテッドは、12分に最初のチャンスをつかみました。敵陣左サイドでブルーノ・ギマランイスから奪ったのは、エリクセンです。

14番からの縦パスを受けたブルーノ・フェルナンデスとザークツィーが、スピーディーなダイレクトパスを3本交わしてストライカーがシュート。ゴールの左に飛んだボールは、ニック・ポープが右手を伸ばして上に弾き出しました。これで火が着いたかのように攻勢となったニューカッスルは、23分に先制ゴールをゲットしました。

自陣右でパスをまわしていたリンデロフ、エリクセン、ウガルテが行き詰まり、25番の苦し紛れのフィードをジェイコブ・マーフィーがカット。右サイドから上がったトリッピアーが斜めのボールを前線のイサクに通すと、左足のトラップでボールを浮かしたストライカーはレニー・ヨロの背後に落ちる絶妙なラストパスを出し、トナーリの右足ボレーが左隅に突き刺さりました。

1-0の34分、ハーヴィー・バーンズを外から追い越したリヴラメントがクロスを上げると、バユンドゥルが弾いたボールがイサクの足元へ。左足のボレーが決まれば絶望的でしたが、体勢を立て直したGKのビッグセーブでピンチを脱しました。この直後、トナーリのパスからラインの裏に抜けたイサクは、GKをかわしてから角度が厳しくなり、強引なクロスは味方に届きませんでした。

劣勢が続いていたマン・ユナイテッドが追いついたのは、37分。自陣でボールを奪取したウガルテが右のダロトに預けると、SBは中央に進路を取り、右からスプリントしたガルナチョにスルーパスを通しました。いつもならミスで終わりそうなシーンですが、スライディングで止めようとしたシェアの股間を通したフィニッシュは完璧で、左のポストを叩いてネットを揺らしました。

45分に左から仕掛けたガルナチョのシュートはニック・ポープがセーブし、前半は1‐1。アウェイで勝てるのではないかという希望は、後半開始から4分で打ち砕かれました。リヴラメントがダロトをあっさり抜き去ってファーにグラウンダーを走らせると、追いついたジェイコブ・マーフィーは迷わず中央に折り返し、中央に入ってきたハーヴィー・バーンズが難なくプッシュしました。

ドリブルで上がったザークツィーが、右足のハムストリングを押さえてプレイを止めたのは53分。ヨーロッパリーグ制覇をめざすチームにとって、激痛のアクシデントです。アモリム監督は、このタイミングで3枚代えを敢行。ガルナチョとアマスも下げ、ホイルンド、ドルグ、メイソン・マウントをピッチに送り出しています。

勝負を決する3点めは64分。自陣でキープしたマズラウィがスリップしてハーヴィー・バーンズに奪われ、リンデロフとレニー・ヨロの間を突破したウインガーがゴール右に蹴り込みました。アンソニー・ゴードンの負傷で出番を増やした11番は絶好調で、直近のプレミアリーグ4試合で3ゴール2アシストを記録しています。

77分には、バユンドゥルのキックをジョエリントンがヘディングでカット。ゴール前でキープしたブルーノ・ギマランイスが落ち着いてGKの脇を抜きました。マンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、78分にルーク・ショーを復帰させたのですが、リヨン戦で体を張ってほしいウガルテとブルーノ・フェルナンデスを早々に下げなかった理由がわかりません。

戦術も采配も見どころがなく、必勝のヨーロッパリーグをにらんだターンオーバーもなし。バユンドゥルに成功の手応えをもたらしたかったのなら、リンデロフを3バックのセンターなどというリスクなど取らず、マグワイアを起用すべきでした。就任から5ヵ月。「3‐4‐2-1にふさわしい選手が足りない」という弁明は、賞味期限切れでしょう。

後半戦のプレミアリーグは4勝4分5敗ですが、4つの勝利のうち3つは降格ゾーンのイプスウィッチ、レスター、サウサンプトンです。これ以外の10試合は8ゴール16失点。攻守ともに満遍なくアモリム好みのタレントが必要というなら、予算が少ないクラブが連れてくる監督ではなかったということになります。サー・ラトクリフと経営ボードに、将来の展望はあるのでしょうか。

一方、4発快勝のニューカッスルは、プレミアリーグ4連勝。ミッドウイークに開催される29節の延期試合、クリスタル・パレスとのホームゲームでドロー以上なら、ノッティンガム・フォレストをかわして3位に浮上します。週末のアストン・ヴィラとのシックスポインターはアウェイですが、パリとの激戦を終えたばかりのチームより、いいコンディションで戦えそうです。

37節のアーセナル戦は、リヴァプールに次ぐポジションを争う決戦となるかもしれません。リヴラメント、トナーリ、ルイス・ホール、ハーヴィー・バーンズという2年前の補強が、プレミアリーグ創設以降の最高順位とトロフィー獲得という形で結実する可能性が高まっています。まずは水曜日のセント・ジェームズ・パークに注目しましょう。(ハーヴィー・バーンズ 写真著作者/Pottercomuneo)


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