2025.04.15 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【Wolves×Spurs】ポステコグルー監督は解任必至?まさかのミス続出の4失点を振り返る。

前節は最下位セインツに3-1で勝ったものの、スパーズはECLの出場権にも遠く及ばず、ヨーロッパリーグを制覇しなければ来季の戦場は国内のみとなります。フランクフルトをトッテナム・ホットスパー・スタジアムに迎えた準々決勝ファーストレグは1‐1。アンジェ・ポステコグルー監督は、ウルヴスに勝った勢いを敵地ドイチェ・バンク・パルクに持ち込みたかったはずです。
それでもモリニューでは、ペドロ・ポロ、ウドジェ、ファン・デ・フェンをベンチに置くターンオーバーを選択しました。GKヴィカーリオ、最終ラインはアーチー・グレイ、ロメロ、ベン・デイヴィス、ジェド・スペンス。負傷者だらけの頃に戻ったような布陣は、キックオフから2分で破綻の兆候を示していました。
左からFKを蹴ったのはベルガルド。ゴールに向かうボールをヴィカーリオがパンチすると、落下点にいたアイ・ヌーリの左足ボレーがGKの手に先を抜けてネットに収まりました。ボールがゴール前に入った瞬間、ボックスの入り口にいたアイ・ヌーリとジョアン・ゴメスはノーマークで、誰がクリアしていても同じようにピンチに陥っていたでしょう。
とはいえ、余裕があった守護神がキャッチするか、あるいはサイドに弾き出していれば、即失点とはならなかったはずです。セットピースのマークとGKの判断の両方のミスによって、苦しい展開を強いられてしまいました。それでも早い時間にイーブンに戻せれば、勝機は充分にあったでしょう。21分のイヴ・ビスマのミドルは、ジョゼ・サが右に飛んでセーブしました。
激痛の追加点を許したのは38分。左のアイ・ヌーリのクロスがブレナン・ジョンソンの足でゴール前に跳ね上がると、ロメロはボールを見ているだけで、背後に走り込んだムネツィをフリーにしてしまいました。しかし5番のヘディングはかすっただけで、ヴィカーリオが処理すれば終わりです。最初の失点の原因となったGKは、目の前に現れたストランド・ラーセンに焦らされたのでしょう。
左手で触ったボールはジェド・スペンスに当たり、ゴールに転がり込んでしまいました。ハーフタイムは0‐2。59分に右サイドから速攻を仕掛けると、ブレナン・ジョンソンのクロスをセメドがクリアできず、マティス・テルが左足で押し込んで1点差に戻しました。残り30分で2ゴールは、絶望的な条件ではありません。
64分、左サイドのアイ・ヌーリを走らせるロングフィードを送ったのはトティ・ゴメス。対応したロメロは体を入れてキープし、ヴィカーリオに預ければ終わるはずでした。まさかのタッチミスをしてしまったのは、次のプレイを考えていたからでしょうか。奪ったアイ・ヌーリはボックス左に持ち込み、ファーでフリーだったストランド・ラーセンにグラウンダーを通しました。
無人のゴールに流し込んだストライカーは、今季プレミアリーグで12ゴール。80分のCKからロメロのヘッドがバーにヒットし、こぼれ球をリシャルリソンが押し込んで3-2としたのですが、その直後の4つめのミスで勝負が決しました。ハーフラインの手前で、強引なドリブルをカットされたのはベリヴァル。奪ったマテウス・クーニャは、ベン・デイヴィスをあっさり抜き去りました。
GKと1対1になった10番は、ヴィカーリオの逆を突いて右に収めると、ゴール裏のサポーターに向かって手を合わせて謝っています。移籍をほのめかすようなInstagramの投稿を、そういう意味ではないと伝えたかったのでしょう。モリニューには、「You’re getting sacked in the morning(朝になったら解任だ)」と敵の指揮官を煽るチャントが鳴り響いています。
どんなマネージャーでも、「4失点はすべて部下のミスです」とぶちまけたくなるような惨敗。「ミスはフットボールの一部だ。誰かを責めるつもりはない。責められるのは私だけだ」と語ったポステコグルー監督は、「わざとではない。異例の出来事が立て続けに起こり、結果を出すのがとても困難になった」と選手をかばうのが精一杯でした。
ペドロ・ポロ、ウドジェ、ファン・デ・フェンを起用しなかったのは、指揮官の意地であり、希望でもあったのでしょう。「彼らがピッチに戻るフランクフルトでは勝てる」。今季プレミアリーグのアウェイで10敗はセインツとレスターに次ぐ数字ですが、ヨーロッパリーグでは2勝1分2敗とイーブンの戦績を残しています。
ブンデスリーガ3位のフランクフルトは、直近1ヵ月の公式戦で4勝1分1敗と好調で、3試合は3ゴール以上で快勝しています。直近の主力が復帰しても調子が上がらず、アウェイで4連敗中のスパーズは、難敵をクリアすることができるでしょうか。3ヵ月前は、選手とサポーターの支持は得られていると伝えられていた指揮官は、「もはや解任は避けられない」と報じられています。
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