2025.04.28 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【Bournemouth×MAN.UTD】残り15分からシュート15本!ELに希望をつなぐホイルンドの同点ゴール!

今季は10勝8分15敗という惨状で、残り5試合を全勝でも8位が最高です。このクラブを応援し始めてから40年以上が経ちますが、キックオフを迎えるのが憂鬱になったのは初めてでした。あまりにもゴールが少なく、勝利を確信して観戦する試合がセインツとレスターだけだったからでしょう。ラスト5戦が5ゴール以下ならトータル43ゴールで、第二次世界大戦以降のワーストです。
ルーベン・アモリムの就任から最初の3ヵ月は、「新たな戦術の導入は時間がかかる。いずれ勝てるようになる」とポジティブに考えていたのですが、指揮官に対する期待感も揺らぎ始めています。プレミアリーグ22試合で6勝5分11敗は、フルシーズンに換算すると29ポイントで、降格するクラブの数字です。負傷者が多かったとはいえ、いくら何でも負けすぎでしょう。
ホイルンドとザークツィーは空回りし続け、ラシュフォードとアントニーを手離し、カゼミーロ、メイソン・マウント、エリクセン、デ・リフト、オナナは振るわず。メイヌーの活用法は曖昧で、ガルナチョはシュートを外し続けました。リサンドロ・マルティネスとアマド・ディアロの離脱が痛かったのは確かですが、ウルヴスにノーゴールのダブルを仕方ないとはいえません。
持てる力を発揮したといえるのは、ブルーノ・フェルナンデス、ダロト、ウガルテ、マグワイアぐらいでしょう。シーズンを通じて左右のサイドで体を張ったダロトも、ふくらはぎを痛めてシーズンアウトの可能性があるようです。34節のボーンマス戦は、もはや消化試合ですが、ベストメンバーを揃えたのはヨーロッパリーグに向けた最終確認という意味合いがあるからでしょう。
GKオナナ、3バックはレニー・ヨロ、マグワイア、ルーク・ショー、2センターはメイヌーとカゼミーロ。WBにマズラウィとドルグ、2列めはブルーノ・フェルナンデスとガルナチョで、最前線にホイルンドの3‐4‐2-1です。オールド・トラフォードでは0-3で完敗しており、敵地バイタリティで勝てるとは思えず、いつものように気が重いキックオフでした。
23分に先制したのは、やはりボーンマス。ルーベン・アモリムが来てからの混乱を凝縮したような失点でした。ボックスから出てキープしたオナナが脇にいたルーク・ショーに預け、パスコースを失ったCBが左サイドのドルグに出すと、強引なドリブルはアダム・スミスにあっさりカットされてしまいました。
ニアに入った折り返しを、ヒールで後ろに流したのはエヴァニウソン。左足のダイレクトショットを右隅に突き刺したのは、マンチェスター・ユナイテッドの夏のターゲットといわれるセメンヨでした。前にいたカゼミーロとレニー・ヨロがニアのコースを塞がなければならない状況で、オナナが激怒するのは当然でしょう。
リードされたアウェイチームが決定機を創ったのは38分。自陣右サイドにいたブルーノ・フェルナンデスが、ラインの裏に絶妙なロングフィードを入れました。抜け出したガルナチョは、ケパと1対1。右足で頭上を越そうとすると、リーグ3位のセーブ率75%を誇るGKが右に弾き出しました。ハーフタイムは1‐0。ホイルンドのシュートゼロも、「マン・ユナイテッドあるある」です。

64分のショートコーナーから、カゼミーロが試みたバイシクルは後半最初のシュート。ミスタッチのボールが右に流れると、マグワイアのヘッドはGKの正面です。アモリム監督はここでカゼミーロ、メイヌー、マグワイアを下げ、ウガルテ、メイソン・マウント、リンデロフを投入。ベテラン2人を代えたのは、ELで先発させるからでしょうか。
これが合図だったかのように、マンチェスター・ユナイテッドが攻勢に転じています。猛攻スタートの明確なサインは、70分にマズラウィをカニ挟みで削ったエヴァニウソンの1発レッド。75分にマズラウィに代わって17歳のチド・オビ=マルティンが入ると、追加タイムを含むラスト24分のシュートは0対15でした。
交代直後にルーク・ショーのグラウンダーを左足で合わせたチド・オビ=マルティンは、直前のスリップがなければ強くプッシュしていたはずです。83分の波状攻撃からメイソン・マウント、ガルナチョ、ガルナチョと続いた3連打は、シュートレンジをカバーするホームチームの守備網にブロックされました。
89分にドルグの折り返しを中央で収めたメイソン・マウントは、フリーの一撃をセネシに当てて頭を抱えています。91分にルーク・ショーの縦のスルーパスがチド・オビ=マルティンに通り、ハイセンをかわして左からニアを狙うと、ケパが上に弾き出しました。93分のショートコーナーからの連打も止められ、ブルーノが放ったミドルはニアポストに向かっていったのですが…。
ボールは惜しくも曲がり切らず、外からサイドネットへ。96分のアタックの起点は、メイソン・マウントのクロスのクリアをキープしたブルーノでした。左に流したボールを中央に折り返したのはルーク・ショー。ニアのウガルテのタッチは、ケパがキャッチして終わるコースです。しかし前にいたホイルンドが右足でプッシュし、ネットを揺らしました。
「あれだけ打ちまくって1‐1かよ!」といわれれば、ですよね…としか返せません。それでも、シュートを打てずにタイムアップを迎えようとしていたホイルンドが決めたという事実と、何とかゲットした1ポイントは、ヨーロッパリーグのセミファイナルに向かうチームのマインドを、ポジティブに変えたのではないでしょうか。
アスレティック・ビルバオはラ・リーガの33試合で26失点。アーセナルの29失点を凌駕するリーグ最少と聞くと、プレミアリーグで15位の39ゴールのチームとしては絶望的な気分になります。しかしここは、はるか東の島国からでも全力で応援するしかありません。どんなにカッコ悪くても、勝ってほしい。ELを失ってラスト3試合を観るというせつなさだけは…。
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