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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Spurs】アンフィールドを包むYou’ll Never Walk Alone…歓喜の瞬間に近づく最後の4分。

アンフィールドを包み込む「You’ll Never Walk Alone」を聞いているうちに、泣けてきてしまいました。追加タイムは4分。スパーズを相手に5ゴールを決めたリヴァプールが、最高の瞬間に近づいています。前線でダンソを追っているのはダルウィン・ヌニェス。ベン・デイヴィスのロングフィードがタッチラインを越えると、スローインは遠藤航です。

優勝を決めるピッチに立つ日本代表のキャプテンを見ると、誇らしさとせつなさが同時に押し寄せてきます。ベンチにいる時間が長かった2024-25シーズンは、やれることをやりきったと胸を張れるシーズンでもあったのでしょう。右からスプリントしたダルウィン・ヌニェスのシュートは、ダンソがカット。彼もまた、思うようにプレイできず苦しんだプレーヤーのひとりです。

CKを待つ間に、アルネ・スロットとアンジェ・ポステコグルーがハグをかわし、握手しています。タイムアップの直後の歓喜と、その後の喧騒を予見したスパーズの指揮官が声をかけたようです。右からのロバートソンのキックはクリアされ、コナテのパスを追ったSBがタッチミスしてスパーズのスローインとなりました。

リシャルリソンの腰をつかんだ遠藤航は、90分あたりの平均ファール数を8.0回に伸ばしています。2位のウィル・ヒューズは2.9回で、ぶっちぎりのリーグTOP。エリオットとリシャルリソンが揉めて不要なカードをもらうと、残り時間は30秒を切っています。ヴィカーリオのミスキックを拾ったカーティス・ジョーンズのループシュートは、戻ったGKがキャッチしました。

イタリア人がゴールキックを蹴る前に、スロット監督とスタッフは肩を組んで喜びを分かち合っています。ボールが宙に浮いた瞬間、タイムアップのホイッスル。ファン・ダイクは両手を突き上げ、「今季はプレミアリーグ」といっていたサラーは満面の笑みを浮かべています。アリソンの元に駆け寄ったロバートソンと遠藤航は3人で抱き合い、やがてキャプテンが加わりました。

ルイス・ディアスとハグをかわした守護神は、泣いているようです。「CHAMPIONS 24/25」とプリントされたメモリアルのシャツにキスをするマック・アリスター。ゴール裏のサポーターのチャントに引き寄せられるように集まった選手たちは、思い思いの振り付けで踊っています。サラーにスマホを渡し、撮影してもらったサポーターは「映え」どころの騒ぎではないでしょう。

11分のCKをソランケが頭で叩き込み、アンフィールドを沈黙させた一戦は、優勝を祝う花火大会を見ているようでした。同点ゴールは16分、右サイドからカットインしたサラーの素晴らしい縦パスでショボスライが抜け出し、優しいグラウンダーをルイス・ディアスがプッシュ。24分の逆転ゴールは、敵陣ボックス右でアーチー・グレイから奪ったフラーフェンベルフの手柄です。

アンカーが落としたボールを左足でニアに打ったのは、マック・アリスター。スーパーショットに触れなかったヴィカーリオは、致命的なボールロストに激怒しています。34分のCKのクリアを拾ったガクポは、ソランケをかわした瞬間にコースを見出し、クレバーなシュートを左隅に決めました。4点めは63分。4対4のカウンターから、右隅に決めたのはモー・サラーです。

最後のゴールは69分。左にまわったアーノルドが中央のジョッタにパスを通し、左足のシュートがベン・デイヴィスに当たってボックスに入ったアーノルドに渡ると、右足で浮かしたボールがヴィカーリオの目の前を横切ってゴール前に落ちました。ウドジェが触ればオウンゴール、触らなければサラーのゴール。残酷な二択を突き付けられ、足を出さないDFはいないはずです。

5-1で勝ったリヴァプールが、5年ぶりのプレミアリーグ制覇。ユルゲン・クロップのレガシーを活かしきったアルネ・スロット監督を心から称えたいと思います。サラーの守備の負担を減らし、ラインを下げてアーノルドを落ち着かせ、フラーフェンベルフの抜擢で中盤の供給力を強化した采配は見事でした。

ファン・ダイクとサラーの素晴らしいパフォーマンスについては、あらためていうまでもないでしょう。名将の後任というプレッシャーをはねのけたければ、夏に大型補強をしたくなるものですが、指揮官の戦力を見る目は確かだったといえるでしょう。未来の話は別な場にまかせて、今はひたすら、新任監督のリーグ制覇という快挙に拍手を送りましょう。おめでとうございます!


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