2025.05.04 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【Arsenal×Bournemouth】セットピースから2発で逆転!アルテタ監督はなぜ、あのタイミングで…?

ボーンマスのプレスに慎重に対応していたチームは、徐々に攻勢を強め、15分に最初のチャンスをつかみました。ウーデゴーアが左にパスを出すと、ボックス左手前に絞っていたマルティネッリがダイレクトでラインの裏に転がし、中央から流れてきたデクラン・ライスが左足でシュート。ケパが見送ったボールは、ファーポストの外に切れていきました。
さらに1分後、左サイドをスプリントしたマルティネッリがニアに折り返すと、デクラン・ライスの右足のボレーはうまく当たらず、右にアウト。17分のキヴィオルのロングフィードで抜け出しかけたマルティネッリは、落ちてくるボールに足を合わせられず、飛び出したケパがヘディングでクリアしました。
26分に左のケルケズがクロスを入れると、エヴァニウソンはどフリー。しかしボールは顔面に当たり、バーを越えてしまいました。左右に振られてスリップしたキヴィオルは、安堵の表情を浮かべています。27分に右サイドでトロサールがケルケズから奪い、ニアのサカから中央のマルティネッリにつながりますが、左足のシュートは明らかにミスキックです。
31分にはマルティネッリがゴールライン際から左足で浮かし、右からまわり込んだトロサールがヘッドで合わせるも、左に反応したケパがキャッチ。1分後、タヴァーニアーの縦のスルーパスでキヴィオルの背後に出たワッタラは、サリバのぎりぎりのスライディングでカットされ、打てずに終わっています。
34分にトーマスのパスを受けたウーデゴーアは、中央に持ち込んでマルティネッリにつなぐかと思いきや、ボックス右に滑らせる絶妙なラストパス。最前線にいたデクラン・ライスがボールが出てくる寸前に進路を右に変えると、ザバルニーはついていけませんでした。ケパをかわして放ったシュートが無人のゴールに決まり、エミレーツは大歓声に包まれました。
6番から8番にシフトしたデクラン・ライスは、移籍後100試合で15ゴール19アシスト。アーセナルにとって、期待以上の数字でしょう。42分に左からカットインしたジャスティン・クライファートのシュートは、サリバがコースを切って右にアウト。45分にラヤのミスキックをワッタラがエヴァニウソンにつなぐと、ループシュートは狙いより浮いてしまいました。
前半のボーンマスはオンターゲットゼロ。アーセナルに「悪くないけどもの足りない」と感じたのは、ラヤのアバウトなキック、スローなパスワーク、サカを活かすボールがなかったことなどが要因でしょう。48分にウーデゴーアが仕掛けたカウンターは、デクラン・ライスのクロスをマルティネッリが打てず、左からの折り返しを叩いたサカのヘッドはうまく当たりませんでした。

60分にサカの落としをボックス手前でもらったウーデゴーアは、なぜすぐに打たなかったのか。65分にアレックス・スコットとともにピッチに入ったセメンヨは、2分後に素晴らしい仕事をしました。右からのロングスローは、中央にいたハイセンにぴったりのボールで、トーマスを押さえたCBのヘッドが左隅に決まりました。交代策が的中したイラオラ監督は、ガッツポーズです。
デクラン・ライスがミケル・メリノに代わったのは74分。ボーンマスの逆転ゴールは、この直後でした。左からのCKでニアに走り込んだタヴァーニアーがフリーになったのは、背後のケルケズを気にしたサカが体を寄せられず、キヴィオルもミケル・メリノも見ていなかったからです。ファーのエヴァニウソンがラヤに当てて押し込み、VARのチェックが始まりました。
タヴァーニアが触った瞬間、足は出ていたのか。ウーデゴーアに対するファールはあったのか。ボールが当たったのは肘ではなかったのか。ハンドを取られてもおかしくなかったのですが、逆転ゴールは認められました。2位をキープするために勝利が必要だったアーセナルはシュートを打てず、86分にジンチェンコ、スターリング、ヌワネリが投入されました。
オプションがうまく機能しないのは、今季中に解決できる課題ではないでしょう。1-2となってからは、ウーデゴーアが壁に当てたFKしかなく、アーセナルはボーンマスにダブルを許しました。セットピースからの12失点は、ウルヴス、セインツ、マンチェスター・ユナイテッド、イプスウィッチの次に多く、ガブリエウを思い出させる理由のひとつとなっています。
6番を欠いてからのプレミアリーグ5試合で6失点ですが、そのうち4失点がセットピース起点で、残りの2つはPKとラヤのパスミスです。今日の逆転ゴールは、CKの直前に交代カードを切ったアルテタ監督も不用意でした。対してイラオラ監督は、セメンヨのロングスローもタヴァーニアのランも狙い通りだったのでしょう。指揮官の采配も、勝負の分かれ目となった感があります。
パリとの決戦に暗雲垂れ込む敗戦。あちらもストラスブールに2-1で敗れてリーグアンで連敗ですが、ファビアン・ルイス、ドゥエ、ヴィティーニャ、パチョ、クヴァルツヘリアをベンチスタートとしたターンオーバーでした。両者ともにポイントロストでも、ルイス・エンリケのほうがいい準備をしているように思えてなりません。とにかく気持ちを切り替え、信じて戦いましょう。
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