偏愛的プレミアリーグ見聞録

クラブワールドカップに2人の新戦力を連れていきたいマンチェスター・シティが、順調に「Done　Deal」に近づいています。ウルヴスの左SBラヤン・アイ・ヌーリは、土曜日にメディカルチェックを完了。移籍金は3100万ポンド、アドオンを入れても3630万ポンドと、当初報じられていた5000万ポンドから大幅に減額しています。

モリニューで過ごした5シーズンで、プレミアリーグ135試合9ゴール11アシスト。この期間で彼を超えるゴール＆アシストを記録したDFは、アレクサンダー＝アーノルド、ロバートソン、ペドロ・ポロ、トリッピアー、リース・ジェームズといった錚々たる顔ぶれだけです。左のWBとSBに加えて、トップ下でもプレイできるのが強みで、ジェレミー・ドクとのコンビは脅威です。

5年契約の書類にサインするだけとなった24歳のアルジェリア代表は、週明けに正式にアナウンスされる予定です。さらに日曜日には、ミランと口頭で合意に至っていたティジャニ・レインダースがメディカルチェックを受けています。昨季公式戦で54試合15ゴール5アシスト、セリエA37試合10ゴール5アシスト。15回もゴールに関与しているMFは、セリエAでは彼だけです。

こちらもアンカー、2センター、左右のインサイド、トップ下と中盤ならどこでもOK。ケヴィン・デブライネの後継者は、得点力はレジェンドを凌駕しており、移籍金4630万ポンドはお買い得価格です。6月10日の選手登録締め切りには、充分間に合うでしょう。スムーズにチームに溶け込めれば、18日のウィダード・カサブランカ戦でデビューする可能性があります。

オリンピック・リヨンのラヤン・シェルキも、目標はクラブワールドカップまでのディール成立だったのですが、大会終了後の契約にシフトするかもしれません。昨季の公式戦で昨季公式戦で44試合12ゴール20アシストという出色のスタッツを叩き出したアタッカーは、2500万ポンドで獲れると報じられていたのですが、最初のオファーはリヨンが拒否したと伝えられています。

既に2度めのオファーが提示されており、3500万ポンドから4000万ポンドの間で着地する見通しです。21歳の新鋭の移籍金としては、格安といえるでしょう。さらにマン・シティは、リコ・ルイスしか本職がいない右SBも強化しようとしています。ターゲットは、ニューカッスルのティモ・リヴラメント。ただしこちらは、CL出場権を獲得したクラブに抵抗されているようです。

10代の頃からサウサンプトンの右サイドでプレイしていたリヴラメントは、ニューカッスルで過ごした2年でさらなる成長を遂げ、今やエディ・ハウの戦術になくてはならない存在です。セント・ジェームズ・パークの人気者で、指揮官と信頼関係を築いており、南に向かう動機はありません。現地メディアの大半は「交渉は難航」「獲得は困難」と報じています。

FIFAクラブワールドカップ2025の決勝は7月13日。ノックアウトラウンドに進出したら、来季の開幕は準備不足で迎えることになるでしょう。ペップとスタッフは、アメリカで試合を重ねながら新戦力をフィットさせようと考えているのだと思われます。必死の補強は目標達成率50％となりそうですが、レインダースとアイ・ヌーリを起用できれば、それだけでもポジティブです。

リアム・デラップとエステヴァン・ウィリアンが合流するチェルシーも、2人のニューフェイスの獲得を急いでいるようです。ドルトムントのFWジェイミー・ギッテンスとミランのGKマイク・メニャンは、いずれも個人合意済みですが、ドイツのクラブは2940万ポンドのオファーを断っています。2回めが受け入れられたとしても、10日まで契約完了に辿り着けるかどうかは微妙です。

GKに対するミランの要求額は最大2500万ポンドといわれており、チェルシーが提示した1260万ポンドとは大きなギャップがあります。過去何度も、鮮やかなハイジャックを決めてきたクラブといえども、イプスウィッチから獲得したストライカーを連れていければOKとするしかないでしょう。残り2日で、2つのクラブがどこまで追い込むかに注目しましょう。