2025.08.19 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Chelsea×Crystal Palace】新シーズン始動から13日、急いで仕上げたチェルシーはドロー発信!

エンツォ・マレスカのチームの2024-25シーズンは、8月18日から7月13日の330日間にわたり、5つの大会で64試合を戦い抜きました。3週間という短い休暇を取った選手たちが戻ってきたのは、プレミアリーグ開幕の13日前の8月4日。初日のトレーニングで、レヴィ・コルウィルが前十字靭帯損傷という重傷を負う厳しい船出となってしまいました。
その週末に組まれたプレシーズンマッチは、9日にレヴァークーゼン、10日にミランという鬼レンチャン。メンバーを入れ替えて戦った2-0と4‐1の2試合が、順調な立ち上がりといえるかどうかは、開幕戦を見てみないとわかりません。バディアシル、コルウィル、ラヴィアが離脱しているなかで、トシンも負傷者リストに名を連ねてしまったようです。
マレスカ監督は、開幕戦のピッチにアチャンポンを送り出しました。GKロベルト・サンチェス、DFリース・ジェームズ、アチャンポン、トレヴォ・チャロバー、ククレジャ。2センターはカイセドとエンソ・フェルナンデス、2列めにペドロ・ネト、コール・パルマー、バイノー=ギッテンス、最前線にジョアン・ペドロの4-2-3-1。中盤と前線は主力が揃っています。
静かに立ち上がったチェルシーは、セーフティー重視のビルドアップから前線に速いボールを入れた瞬間、スピードアップのスイッチを入れています。3分の左からのCKはリース・ジェームズ。ニアにいたククレジャのバックヘッドは、ファーポストの前にいたイスマイラ・サールがクリアしました。このシュート以降、90分過ぎまでオンターゲットゼロとは…!
11分、ボックス手前でウィル・ヒューズを倒したのはククレジャ。強烈なFKでネットを揺らしたエベレチ・エゼは、サポーターにいい置き土産かと思われたのですが…。壁に入ってカイセドを押し倒したマーク・グエイが「FKの際に攻撃側は、3枚以上の壁からは1メートル以上離れないといけない」というルールに抵触したとして、ゴール取り消しとなってしまいました。
チェルシーのビルドアップは、プレスを受けると中央に入ったククレジャやカイセドに厳しいボールを出し、奪われるシーンが目立ち始めています。コルウィルがいれば、前線への効果的なフィードでプレスを無力化するという選択肢があったはずです。ウォートンがマテタにラストパスを通した19分のピンチは、ロベルト・サンチェスが素晴らしいセーブで失点を回避しました。
前半のシュート11本。しかし7本は強引なミドルで、ボックス内からの4本のうち3本はCKからの流れです。ハーフタイムを0‐0で迎えた理由のひとつは、引いて守られた際に崩すアイデアがなかったことでしょう。マレスカ監督は、54分という早い時間にバイノー=ギッテンスを下げ、18歳のエステヴァン・ウィリアンを投入しました。

73分にジョアン・ペドロに代えてリアム・デラップ。77分にディーン・ヘンダーソンのロングフィードを直接叩いたマテタのボレーは、ロベルト・サンチェスががっちりキャッチしました。79分にはリース・ジェームズとエンソ・フェルナンデスが下がり、マロ・グストとアンドレイ・サントス。82分のエゼの強烈なミドルも、好調の守護神が冷静にセーブしています。
90分にアンドレイ・サントスが中央に浮き球を送ると、ラクロワのクリアミスを拾ったリアム・デラップのシュートはGKの正面です。久々のオンターゲットの後、93分にはククレジャの優しいグラウンダーが中でフリーだったアンドレイ・サントスへ。決まりかと思われた左足のダイレクトショットは明らかなミスキックで、クロスバーの上に飛んでいきました。
かくしてチェルシーは、ホームでドローのスロースタートとなりました。まともに狙ったオンターゲットはリアム・デラップの1発だけで、他の2本は「枠にいった」という表現が妥当でしょう。サイドで勝負するシーンが少なく、セットピースとミドルに頼るアタックになってしまった感があり、現地メディアの評価には「準備不足」という言葉が並んでいます。
突貫工事のような始動の影響は、スケジュールがタイトになる年末年始に出る可能性があります。プレミアリーグでトップクラスの選手層の厚みを誇るクラブは、ターンオーバーで選手たちのコンディションをキープできるでしょうか。次節からは、補強がうまくいっていないウェストハム、フラム、ブレントフォード。「走りながら仕上げる」がうまくいくかどうかに注目です。
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