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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Burnley×Liverpool】昇格クラブに大苦戦のリヴァプール、沈黙のサラーの決勝PKで何とか4連勝!

93分までのポゼッションは19%対81%、シュート数は3対26。この数字だけを見ると、リヴァプールはどれだけ決めたのだろうと思いますが、ひたすら守り続けたバーンリーが1ポイントを手に入れようとしています。追加タイムは残り2分。ターフムーアのサポーターたちにとって、前年のチャンピオンにゴールレスのドローは勝利に等しい快挙でしょう。

プレミアリーグに復帰したばかりのクラブは、シュートを浴び続けていたものの、オンターゲットは3本しか許していませんでした。39分にフラーフェンベルフの高速パスを受け、左から強引にボックスに侵入したロバートソンの左足はドゥブラフカの正面。59分のショボスライの強烈なミドルは、右に飛んだ守護神がビッグセーブでしのいでいます。

92分に左から仕掛けたエングモアが逆サイドに速いボールを通すと、ダイレクトで打てなかったフリンポンはハルトマンにコースを切られ、GKが止めやすいコースに打ってしまいました。後半に入ってからのシュートは1対17、ボックス内でのタッチは0対40。これほど一方的な展開だったのに、モー・サラーがシュートゼロだったのも特筆すべきでしょう。

タイムアップまで2分、ショボスライのサイドチェンジを受けたフリンポンがクロスを上げようとしたとき、ボックス内は7対6でした。ファーで空いていたエングモアに通っても、すぐに対応されそうです。対峙したハンニバル・メイブリが手を後ろで組んでいれば、ボールはゴールラインを割っていたのではないでしょうか。

振り上げた右手にボールが当たった瞬間、22歳のMFはこれから起こることを察知し、両手で顔を覆いました。マイケル・オリヴァーのジャッジは、もちろんPK。ドリブル突破もクロスの成功もなく、デュエルは全敗だったエースは、右に蹴り込んでヒーローになりました。間もなくホイッスル。一斉のブーイングは、追加タイムを90秒しか延長しなかったレフェリーに向いていたのでしょう。

ピッチにうずくまるハルトマン、頭を抱えるエステーヴ。サラーは苦笑いで、ショボスライとフラーフェンベルフは無表情です。開幕から4連勝のリヴァプールですが、決勝ゴールはすべて残り10分を切ってからです。ボーンマス戦のフェデリコ・キエーザは88分。ニューカッスル戦で100分に決めたのは、4分前に入ったばかりだった17歳のエングモアでした。

アーセナル戦のショボスライの超絶FKは83分。バーンリー戦のPKは幸運のひとことです。リヴァプールが苦戦した主な要因は、あまりにもセーフティだったのでアタックがスローになったことと、スコット・パーカーの戦術の徹底度が高かったことでしょう。唯一のピンチは、ファン・ダイクの縦パスをカットされた7分のカウンター。アントニーのシュートは浮いてしまいました。

前半のレッズのシュートはクロスバー越えかブロックされるかで、マック・アリスターの負傷とケルケズの交代のほうが話題になるでしょう。15分にウゴチュクに削られた10番は、ハーフタイムにリタイア。22分にあからさまなダイブでイエローをもらったレフトバックは、33分にロングフィードを収めようとしたアントニーを後ろからつかみ、5分後に代えられてしまいました。

スロット監督がロバートソンに準備させたのは、10人になるリスクを回避したかったからでしょう。ハーフタイムを待たずのチェンジは、合理性重視の指揮官らしい決断です。ハーフタイムにマック・アリスターを下げ、ショボスライを中盤にシフトし、SBはコナー・ブラッドリー。フリンポンをベンチに残したのは、状況次第で複数のオプションがあったからだと思われます。

後半のリヴァプールはクロスの精度は高まったものの、シュートが枠にいかない時間が続きました。5-4-1のバーンリーはコンパクトなラインをキープしており、奪ったボールをすかさず前線に送る少人数の速攻を繰り返すのみ。ヴィルツは狭いスペースに入り、意外性があるパスでフリーで打てるシーンを創ろうとしますが、バーンリーのラインは崩れずコースを消し続けました

シュート2本のエキティケは72分に下がり、フェデリコ・キエーザがピッチへ。ヴィルツとコナテがフリンポンとエングモアに代わったのは87分で、ブラッドリーがファン・ダイクの脇をケアしています。スコット・パーカーは狙い通りの戦いを続けており、84分にヴィルツを倒して2枚めのイエローをもらったウゴチュク以外に誤算はなかったはずです。あのシーンまでは。

ヴィルツは未だ決定的な仕事をしておらず、ニューカッスルでトレーニングをしていなかったイサクはフィットするまで時間がかかりそうです。新たな戦術をインストールしながら勝利をめざす序盤戦は、アップセットが多くなりがちですが、土壇場のゴールで4連勝のリヴァプールはさすがといわざるを得ません。

アトレティコ・マドリードをアンフィールドに迎えるCLの初戦の後は、マージーサイドダービー。ここをうまく切り抜けて10月になれば、サラーとイサクがトップフォームに到達するでしょう。昨季プレミアリーグ王者は勝ち続けながら、ギアをトップに入れるのでしょうか。すがりつくロンドン勢は、既にポイントを落とせない戦いに突入しているようです。


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