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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Everton】白熱のマージ―サードダービー!スーパーショット2発でリヴァプール快勝!

1894年以来、246試合のマージーサイドダービーは、リヴァプールの100勝78分68敗。過去20年のなかで、エヴァートンがアンフィールドに乗り込んで勝ったのは、リヴァプールが年明けから3勝1分8敗と絶不調に陥った2021年2月だけです。直近10試合は5勝3分2敗。エヴァートンは、残留争いに巻き込まれた厳しい時期でも、マージーサイドダービーでは健闘しています。

アトレティコ・マドリードとの激闘から中2日。スロット監督は、イサク、ヴィルツ、ロバートソンをベンチに置いています。GKアリソン、DFブラッドリー、コナテ、ファン・ダイク、ケルケズ、2センターにフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めはサラー、ショボスライ、ガクポ、最前線はエキティケ。優勝メンバーが9人の本気のラインナップです。

エヴァートンの注目は、2列めに並ぶグリーリッシュ、デューズバリー=ホール、エンディアイエ。グリーリッシュの4アシストは、デューズバリー=ホールとの連携なくして実現しえなかったでしょう。スロット監督がブラッドリーを起用したのは、マンチェスター・シティから加わった18番を怖れたからではないでしょうか。

水曜日にチャンピオンズリーグがあったのに、土曜日のランチタイムキックオフ。リヴァプールの中盤の運動量も、気になるポイントです。3分にエキティケが右のサラーに預けると、クイックなクロスは通らず。昨シーズンより消える時間が増えたサラーは、前を向いてキープするシーンが多く、7分のクロスのクリアを空振りしたガクポはフリーでした。

10分にサラーに展開したのはショボスライ。ボックス右に落とした絶妙な浮き球に走り込んだフラーフェンベルフは、難しいハーフボレーを浮かさず、左のサイドネットに収めました。リードされたエヴァートンがサラーに時間を与え続ければ、早い時間に勝負を決められてしまうでしょう。ボックス右でこぼれ球を拾った16分の左足シュートは、クロスバーすれすれでした。

20分になると、アンフィールドが一斉に盛大な拍手。ディオゴ・ジョッタを称えるチャントが鳴り響いています。右サイドのグイェが斜めに出したパスが、ボックス右に入ったベトに届いたのは22分。打つ瞬間にコナテがさらい、最初のチャンスは潰えました。2分後、ショボスライがサラーにつないで速攻がスタート。クロスはカットされ、ボールは中央に浮いています。

フリーで走り込んだフラーフェンベルフが叩きつけたボレーは、大きくバウンドしてピックフォードの頭上にアウト。27分に左サイドでフラーフェンベルフを抜いたグリーリッシュが、ボックス左に出たデューズバリー=ホールにスルーパスを通しますが、左足のシュートはニアに外れています。攻め始めたエヴァートンの中盤は間延びし、29分に痛い失点を喫してしまいました。

マック・アリスターのパスを右でもらったフラーフェンベルフはノーマーク。ラインの裏にスプリントしたエキティケを狙ったきれいなスルーパスが入り、右足のかかとで巧みにトラップしたストライカーが、プレミアリーグで4つめのゴールを左に流し込みました。2-0となってからペースを落としたホームチームは、サイドの危険な選手に複数で対応しています。

37分にエンディアイエの高速クロスを受けたベトは、体勢を崩してうまく打てず。45分をまわった直後、グリーリッシュのパスで左サイドを突破したデューズバリー=ホールが中央に折り返すと、グイェの左足のシュートはアリソンが悠々とキャッチしました。前半のポゼッションは59%対41%、シュートは6対5、オンターゲットは2対1。エヴァートンにとっては、苦しい展開です。

モイーズ監督はハーフタイムにベトを諦め、ビジャレアルから獲得した22歳のバリーを投入。後半の立ち上がりはリヴァプールのポゼッションで、プレスを嫌がるエヴァートンは苦しまぎれのロングフィードを繰り返しています。50分過ぎからグリーリッシュにボールを集め、左サイドを攻略しようとするも、18番とグイェのパスはことごとく中央の選手に合わずに奪われています。

55分にマック・アリスターがガクポを走らせ、カウンターが発動。ボックス右でサイドチェンジをトラップしたサラーのシュートは、ピックフォードの正面です。グリーリッシュのクロスがファーのエンディアイエに届いたのは57分。ダイレクトの右足の落としは完璧で、グイェの強烈な一撃が左隅に突き刺さりました。

スロット監督は61分にガクポとマック・アリスターを下げ、ヴィルツとカーティス・ジョーンズを投入。さらに66分、エキティケに代わってイサクが入りました。68分のピックフォードのフィードからエンディアイエにつながり、左に出たボールをグリーリッシュが折り返すと、グイエがニアに入れたボールはバリーの足にヒット。アリソンと競ったFWはファールを取られています。

71分のCKのクリアからエンディアイエが奪われ、ショボスライがサラーにつないでカウンターが発動。右から上がったヴィルツが切り返し、左足で打とうとした瞬間、足元に飛び込んだタルコフスキーがCKに逃れました。ショボスライのキックを叩いたコナテのヘッドは、ゴール前にいたグリーリッシュがクリア。73分のショボスライのFKは、バーを越えていきました。

エヴァートンのサイドアタックは、グリーリッシュやオブライエンに出てからクロスのコースを切られています。90分、右からのCKがファーのグリーリッシュへ。右足のボレーはミスタッチでした。追加タイムは、久々に見た3分。必死に攻めたエヴァートンは打てるシーンを創れず、3億2000万ポンドの前線のニューフェースを投じたリヴァプールが2-1で逃げ切りました。

前半の主役はフラーフェンベルフとエキティケ、後半はグリーリッシュとグイェ。美しい3つのゴールに目を奪われた93分は、お金を払いたくなるナイスゲームでした。フラーフェンベルフのスーパーボレーが話題になりそうですが、エキティケのゴールも難易度が高く、あのトラップとクイックなフィニッシュでなければ、ピックフォードが足でブロックしていたはずです。

それにしても、リヴァプールは勝負強いですね。終わってみればシュート数は11対9、オンターゲットは3対2の接戦でしたが、追いつかれる可能性はゼロといい切れるぐらい、最終ラインは冷静でした。フラーフェンベルフ、マック・アリスター、ショボスライは全員アンカーもトップ下もこなせるオールラウンダーで、前半の流動的なポジショニングとパスワークは見事でした。

敗れたエヴァートンも、2列めとグイェが見せ場を作っており、次につながるゲームと胸を張れるでしょう。リスクを取って攻めた後半は何度もカウンターを喰らいましたが、サラーを自由にしすぎたサイドの守備と間延びしがちだった中盤は修正できていたと思います。ドローに持ち込めていたら、再三のピンチで奮闘したタルコフスキーは立役者として称えられていたでしょう。

勝ったリヴァプールの次節は、コミュニティシールドで敗れたクリスタル・パレス。エヴァートンは、不振のウェストハムです。首位チームは、シュートゼロだったイサクとデュエル全敗のヴィルツの巻き返しに期待しましょう。モイーズ監督には、19歳の逸材ディブリングをもっと見せてとオーダーさせていただきます。両者ともに、多分に勝利を期待できる楽しみな一戦です。


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