2025.10.28 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Aston Villa×MAN.CITY】9番は不発!ヴィラに封じられたマン・シティの前線に改善策はあるのか?
鬼門ヴィラ・パークのプレミアリーグは3連敗。ノルウェー代表とクラブで積み上げたアーリング・ハーランドの連続ゴール記録は、12試合で途絶えました。絶対的エースが出場した12試合で、ノーゴールは2試合めですが、スパーズ戦の0-2に続いてクリーンシートの敗戦です。ヴィラ戦の敗因をシンプルに表現すると、「ハーランド依存症が悪化している」のひとことでしょう。
シュート18本はホームチームの2倍ですが、オンターゲットは3対4と僅差で、4つのうち3つは9番でした。痛かったのは、1-0となった3分後のビッグチャンス。右サイドのマテウス・ヌネスが前線にロングフィードを入れると、ラインの裏に出ようとしていたベルナルド・シウヴァが足元に収め、右からスプリントしたストライカーに完璧なスルーパスを通しました。
1対1となったエミリアーノ・マルティネスは、打つ瞬間に左に体を開いたのを見逃さず、ファーポスト際を狙ってくると読み切ったようです。左足のフィニッシュを右に反応してキャッチ。ここで追いついていたら、逆の結果になっていたかもしれません。2本めのオンターゲットは71分。左サイドを突破したジェイドン・サンチョの2発を、ドンナルンマが止めた直後でした。
ボックス左から中央に浮かしたのは、フィル・フォーデン。パウ・トーレスに競り勝ったハーランドのヘッドは、GKの正面に飛んでしまいました。89分には、右から抜け出したマルムシュのグラウンダーをファーポストに激突しながら押し込んだのですが、アシスタントレフェリーがオフサイドを示すフラッグを掲げていました。
最後の1本は、終了間際の96分。右にいたシェルキがクロスを入れた瞬間、9番はコンサを背負っており、バックヘッドはGKが悠々と懐に収めました。エースが封じられても、他の選手が決めてくれれば何とかなるのですが…。60分に自らのシュートのこぼれ球を叩いたサヴィーニョのボレーは、ゴール前にいたパウ・トーレスがバーの上にクリアするミラクルに阻まれました。
マン・シティのゴールランキングを見ると、11ゴールのハーランドの次は2ゴールのエステーヴ。9月末のエティハドで、オウンゴールを2回も献上したバーンリーのDFです。レインダース、フォーデン、マテウス・ヌネス、シェルキは1ゴールに留まっており、左右のサイドでプレイするサヴィーニョ、ジェレミー・ドク、オスカー・ボブは未だゼロです。
ハーランド以外の前線の選手は、プレミアリーグで5戦連続ノーゴール。最後のゴールは、4節のマンチェスター・ダービーでフォーデンが決めたヘッダーまで遡ります。ロドリを欠いたヴィラ戦は、2列めにサヴィーニョ、フォーデン、ベルナルド・シウヴァ、オスカー・ボブを並べたのですが、フィジカルとスピードで劣勢だった前半は、シュートを2本しか打てませんでした。
後半から登場したドク、マルムシュ、シェルキも決定的な仕事をできず、90分を通じて合格点といえるのは、チャンスクリエイト7回とクロス成功5本のフォーデンだけでしょう。打開策が見えないウインガーが中盤に戻すシーンや、ラインの裏に走った選手を使わずに確度の低いシュートを打ってしまうシーンが目立ち、18本を放ちながらゼロは納得の着地といわざるをえません。
これから彼らと戦うボーンマスのイラオラ監督や、ニューカッスルのエディ・ハウ監督は、エメリの前半の戦い方を参考にするのではないでしょうか。コンサとパウ・トーレスがストライカーにコースを与えず、アマドゥ・オナナとブバカル・カマラを並べて2列めの自由を奪ったチームは、最前線と2列めを分断しました。
ペップに策はあるのでしょうか。アーセナル戦を5バックでドローに持ち込んだ後、3連勝と調子を上げてきたものの、ハーランドとオウンゴール以外で決めたのはマテウス・ヌネスだけでした。ボックスの左右に落とすロドリのロングフィードと、ウインガーをフリーにするデブライネのスルーパスを失ったチームは、前線の人選だけで改善できるようには見えないのですが…。
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