2025.11.04 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
	
【MAN.CITY×Bournemouth】ハーランドの2発をアシスト!シェルキの絶妙なラストパスに注目!
母国フランスで「次世代のムバッペ」と評されるストライカーは、今でも自らの動き出しのタイミングを悔やんでいるのではないでしょうか。グヴァルディオルをワンタッチでかわしたデヴィッド・ブルックスがゴール前に転がした瞬間、クルーピは明らかにオフサイドラインを越えており、即座にフラッグが上がりました。
今季のマン・シティは、プレミアリーグで先制されたゲームがひとつもありません。8戦連続無敗で2位に浮上したアウェイチームを追う展開を強いられたら、きわどい勝負になっていたかもしれません。ピンチを脱したホームチームが、最初のチャンスを得たのは4分。ニコ・ゴンザレスの縦のスルーパスで抜け出したニコ・オライリーは、当たり前のようにゴール前に浮かしました。
ハーランドの足元に落ちたボールは、トラファートが先に触ってクリア。7分に自陣からカウンターを仕掛けたのは、今季プレミアリーグで6ゴールのアントワーヌ・セメンヨです。ドリブルのスピードではジェレミー・ドクに劣らないアタッカーが左のデヴィッド・ブルックスにラストパスを通すと、ボックスの入り口でマテウス・ヌネスが体をぶつけて奪いました。
ここまでのボーンマスは期待できたのですが、10分過ぎからやばいヤツのエンジンがかかってしまいました。11分にシェルキが自陣から出した長いスルーパスを追って、ハーランドがスプリント。ここはGKペドロヴィッチがボックスから出てクリアしたのですが、1分後にボーンマスの守備陣が中央に寄ると、彼らの視界から消えて左にポジションを移しました。
ニコ・ゴンザレスの浮き球を胸でトラップし、切り返しでアレックス・ヒメネスをかわして右足でシュート。うまく当たらず、GKの正面に飛んでしまいましたが、アウェイチームのCBがときどき9番から目を離すのが気になります。14分、右サイドでトリュフェから奪ったのはシェルキ。今度は外から巻くスルーパスでしたが、ハーランドに届く直前にセネシがクリアしています。
決定的な形を創られる前に止めていた4バックは、17分にやられてしまいました。デヴィッド・ブルックスが右から入れたクロスを、ルベン・ディアスがクリア。左にまわっていたフォーデンが頭でハーランドに送り、後ろにいたニコ・ゴンザレスが落としを受けるまでは何でもないシーンでした。ボーンマスの選手たちに、危ないから下がれといっても笑われるでしょう。
左に出ようとしたセントラルMFは、パスコースがないと気づいて切り返し、センターサークルの手前にいたシェルキに浮き球を通しました。この瞬間、ハーランドが一気にスプリント。10番が頭でハーフラインの向こうに送ると、あっという間に独走態勢となりました。ドリブルでゴールに向かう9番を見て、シェルキが両手を挙げています。決まると確信していたのでしょう。
ペトロヴィッチとの1対1からニアをあっさり抜いて先制。この瞬間、マン・シティが勝ったと思いました。「ハーランドの平常運転を確認したから」ではありません。ニコ・ゴンザレスとシェルキがロドリとデブライネに見えたからです。ボーンマスが追いついたのは25分。左からのCKをドンナルンマがパンチミスし、タイラー・アダムスがボレーでネットに突き刺しました。
1-1となると「どちらが勝つかわからない」が常套句ですが、その後の猛攻を見たら、ボーンマスがいけそうとは思わないでしょう。ジェレミー・ドク、シェルキ、フォーデンが絡んだ28分の波状攻撃は、必死のコーチングでシュートコースを塞いだディアキテとセネシをほめるしかありません。直後の2本のCKも、セネシとディアキテがうまくクリアし、リードを許しませんでした。
ボックス左から、無人のゴールに流し込んで2-1。直後、ドクのスルーパスで抜け出したニコ・オライリーは、ハーランドと同じ場所でハーランドのようにGKをかわしたのですが、左足のシュートはセネシにクリアされました。37分にもカウンターが発動し、セネシとヒメネスを抜いたドクが左のハーランドにラストパス。GKと1対1からのチップキックは左腕でセーブされました。
前半終了間際にシェルキが右隅に蹴ったFKは、ペトロヴィッチが左にダイブしてセーブ。後半立ち上がりの48分、ニコ・オライリーのクロスをファーで叩いたヘッドが、この日のハーランドが打った最後のシュートでした。5失点でもおかしくなかったボーンマスは、50分過ぎからの2つのチャンスを活かせなかったのが悔やまれます。
51分、デヴィッド・ブルックスのサイドチェンジが左のセメンヨへ。中央のタイミングを計ったグラウンダーに、右から上がったデヴィッド・ブルックスが追いついて折り返すと、ニアにいたクルーピのシュートは枠にいきませんでした。さらに53分、右サイドのデヴィッド・ブルックスが中央にパスを入れると、アレックス・スコットが触ったボールがクルーピに届きました。
右足のダイレクトショットはコースが甘く、ドンナルンマが冷静にセーブ。左右どちらかにずれていれば、開始早々のゴール取り消しを忘れられたかもしれません。マン・シティの3点めは60分。シェルキからフォーデン、ニコ・オライリーとパスがつながり、左からボックスに入ったSBのシュートがセネシの股間を抜けてネットを揺らしました。
3-1となれば、マン・シティはドルトムント戦やリヴァプール戦を見据えた戦い方になります。73分のレインダースとサヴィーニョが最初のカードで、マルムシュ、アイ・ヌーリ、ロドリが続々とピッチへ。82分にマルムシュに後を譲ったハーランドは、2ゴールを決めてからの交代が15回めで、最後のハットトリックは昨年9月のウェストハム戦(=入団以来11回め)まで遡ります。
ボーンマスを下して2位に浮上したマン・シティにとって最大の収穫は、フォーデンとシェルキが共存できたことでしょう。夏に加わった10番は、デブライネを思い出させるクリエイティブなパスを連発し、ハーランドの独走をお膳立てする2アシスト。チャンスクリエイト3回を記録したフォーデンは、ニコ・オライリーのゴールをアシストしています。
昨シーズンのリヨンで48試合13ゴール21アシストのプレーメイカーが本領発揮となれば、ハーランド依存症は完治しそうです。アーセナルとの6ポイント差は、射程圏内。エティハドのリヴァプール戦は必勝です。そろそろエース以外の今季プレミアリーグの2ゴールめを見られるのではないでしょうか。週末の決戦も、10番に注目しましょう。(ラヤン・シェルキ 写真著作者/Paté kroute)
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