2025.11.09 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Sunderland×Arsenal】アルテタ監督の交代策と戦術は妥当だったのか?最終盤の失点で無念のドロー!
アルテタ監督の11人は、最前線以外はベストメンバーです。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ。MFズビメンディ、デクラン・ライス、エゼ、FWサカ、ミケル・メリノ、トロサール。立ち上がりのポゼッションはサンダーランドで、アーセナルはいつもの4-4-2でパスコースを切りにいっています。
3分からムキエレが入れた2本のロングスローは、最終ラインが冷静にクリア。6分のトロサールのクロスに反応したミケル・メリノは、バラードの肘が側頭部に入ってピッチに倒れ込んでいます。ストライカー不在になるのかとハラハラさせられましたが、23番は応急処置を受けてプレーを続行。サンダーランドの中盤は出足がよく、最初の10分は互角の展開といっていいでしょう。
15分のデクラン・ライスのFKは、ルーフスが左に飛んでセーブ。17分のCKは、サカがショートを選択し、デクラン・ライスのミドルシュートが紅白のストライプの壁に阻まれました。23分に中央に放り込んだのは、デクラン・ライス。クリアを拾ったルフェのパスミスを突いたエゼが、ノーステップで放った左足のコントロールショットは、クロスバーを越えていきました。
ティンバーとルフェが激突し、次々と転倒したのは28分。こぼれ球をさらったサディキがイシドルにスルーパスを送ると、左足のシュートはラヤの指先を抜けて右に切れていきました。34分にティンバーの縦パスを受けたサカは、ボックス右で4人に囲まれてもキープ。一瞬コースが空き、左足でボレーを放つと、ルーフスが正面でキャッチしました。
36分、自陣からのFKをルーフスが右に浮かすと、競り合ったデクラン・ライスとバラードの裏でバウンドし、ガブリエウの外にいたムキエレが頭でボックスの右に落としました。デクラン・ライスより早く反応したバラードの右足ボレーがニアに決まり、サンダーランドが先制。今季のアーセナルがリードされて勝ったのはニューカッスル戦のみで、決勝ゴールは追加タイムです。
前半の追加タイムは9分。47分の波状攻撃で、トロサールが戻したボールをカラフィオーリが中央に上げると、サカが頭で落としたボールがフリーのサリバの前に出ました。右足のボレーはうまくコントロールできず、クロスバーの上。前半終了間際にサディキのサイドチェンジが左のルフェに届くと、ニアでパスを受けたムキエレのシュートは左に外れています。
ハーフタイムは1-0。ホームで3勝2分と無敗のサンダーランドは、ボールを持たせながらも相手がミスをした際の寄せが速く、「まさかのリード」ではありません。片やアーセナルはクロスの精度が低く、デクラン・ライスのFKとサリバのボレー以外にチャンスといえるシーンはありませんでした。こういう試合で勝てるかどうかが、今季の着地を左右するポイントとなりそうです。
後半の開始直後は、アーセナルのポゼッション。中に入ってくるボールは、集中力が高い守備陣が的確にクリアしています。50分にデクラン・ライスの縦パスをボックス右で受けたズビメンディは、振り向きざまの左足シュートがGKの守備範囲にいってしまいました。前半は外からのクロスが多かったアーセナルは、ボックスの左右に入れる縦のフィードを増やしています。
トロサールのパスを受けたズビメンディが、ダイレクトでボックス左に出したのは52分。左にまわっていたサカはフリーでしたが、左足のシュートは力んでしまったようで、ファーポストの外に流れていきました。1分後、デクラン・ライスが敵陣でルフェから奪取。エゼがミケル・メリノにつなぎ、ストライカーが右に流すと、走り込んだサカが右足でニアに叩き込みました。
1-1となってからも、アウェイチームのハーフコートマッチが続いています。58分にトロサールが斜めのボールをゴール前に転がすと、ズビメンディの左足のタッチは惜しくもファーポストの外。左サイドでジャカから奪い返した60分のアタックは、トロサールからミケル・メリノ、デクラン・ライスとつながり、ミドルのクリアを叩いたエセの強烈なボレーはルーフスの正面です。
79分のロングスローからブロビーと1対1になったラヤがセーブしたシーンは、直前にバラードのハンドがあったようです。84分には、ヒュームのロングフィードが中央に走り込んだヘイニウドへ。タッチしたボールがブロビーの足元に流れると、飛び出したラヤがコースを塞いで懐に収めました。アルテタ監督の最初のカードは88分という遅い時間で、エゼをモスケラです。
追加タイムは7分、アーセナルは自陣に引いて対応する時間が増えています。左からの執拗なクロスを跳ね返していた94分、サカがクロスをカットすると、ボールは中央にいたヒュームの足元に出ました。すかさず左に浮かすと、バラードがバックヘッドでゴール前に送り、ガブリエウとブロビーが競ろうとしています。ラヤは前に出るなら、触らなければなりませんでした。
ストライカーが体を投げ出してつま先でタッチすると、ボールは無人のゴールへ。追いつかれたアーセナルは、3分で決めなければなりません。97分、サカの絶妙なクロスがファーのカラフィオーリへ。ジャストミートだったヘディングはルーフスに当たり、こぼれ球に詰めたミケル・メリノの一撃はバラードが必死にブロックしました。
最後のサカのCKも、ファーのトロサールに届いたのですが、頭で折り返したボールをブロックされてしまいました。オンターゲットを2本しか許さず、2-2のドローは痛恨のひとこと。最終盤の守備的な交代策は、妥当だったのでしょうか。自陣のゴール前でクリアするシーンが増えれば、紛れが起こる可能性が高くなります。
チェイシングもキープ力も信頼できるカイ・ハヴェルツや、ドリブルで押し込めるノニ・マドゥエケとマルティネッリがいれば、足が止まっていたトロサールやミケル・メリノを代えていたのかもしれません。ベンチにいたヌワネリ、ダウマン、ハリマン=アヌースは、守備力と戦況判断という観点でリスクがあるとジャッジしたのでしょう。
前線の枚数不足、重心を後ろに移す戦術変更、クロスへの対応、ラヤの判断ミス…複数の要素が重なった失点で、ポイントをロストしてしまった感があります。同点になってからの2回のチャンスを見て、「2点リードをめざしたほうがよかったはず…」という無念の思いが強くなりました。リヴァプール戦でマン・シティが勝てば、ギャップは4ポイントに詰まります。
優勝するためには、こういう展開で勝ち切らなければなりません。インターナショナルブレイク明けはノースロンドンダービーで、直後にチェルシー戦が控えています。当面の目標は、ロンドンでの連戦で6ポイントをゲットすること。主力が復帰してくれば、ミッション達成に近づけるでしょう。気持ちを入れ替え、素晴らしい守備と鋭いアタックを見せていただければと思います。(ブカヨ・サカ 写真著作者/Chensiyuan)
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