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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×MAN.UTD】アウェイで10人、2-1で残り1分、彼が不在…チームを救ったのはデ・リフト!

ンチェスター・ユナイテッドにとって、スパーズはもはや天敵です。昨シーズンのプレミアリーグは0-3と1-0のダブル。カラバオカップは3-4で、ヨーロッパリーグのファイナルも0-1で敗れています。最後に勝ったのは、3年前のオールド・トラフォード。2‐0で勝った一戦は、デ・ヘア、ヴァラン、フレッジ、サンチョ、ラシュフォードが先発していました。懐かしい…。

今季の初戦はプレミアリーグ11節で、トッテナム・ホットスパー・スタジアムです。ここでの勝利は4年前が最後で、クリスティアーノ・ロナウドとカバーニが最前線にいた試合です。サンダーランド、リヴァプール、ブライトンを撃破した直後なら、強気になれたかもしれませんが、降格ゾーンのノッティンガム・フォレストに2-2のドローの後となると、期待より不安が先立ちます。

アモリム監督は、シャビ・シモンズとブレナン・ジョンソンを警戒しているのでしょうか。3-4-2-1の両サイドにマズラウィとドルグを配し、前線にはエンベウモ、アマド・ディアロ、マテウス・クーニャを並べています。GKラメンスの前にデ・リフト、マグワイア、ルーク・ショー。2センターはやはり、ブルーノ・フェルナンデスとカゼミーロです。

キックオフから50秒、デ・リフトのバックパスをラメンスが後ろに逸らしてCK。枠を外したコースだったため、メディアの見出しにならずにすみました。ペドロ・ポロのキックはファーに流れ、赤いシャツは落ち着いてリスタートすればOKです。スパーズの前線はコロ・ムアニとリシャルリソンの2トップではなく、9番は左にまわっています。

7分にブルーノ・フェルナンデスが縦に出したスルーパスで、ボックス左に出たのはエンベウモ。打つチャンスを逃したレフティは、折り返しも味方に合いませんでした。16分に右サイドのブレナン・ジョンソンが速いクロスを入れると、リシャルリソンのヘッドはボールにかすっただけ。直後のパペ・マタル・サールのミドルは、明らかにミスキックです。

22分、敵陣右サイドで競り勝ったのはマズラウィ。アマド・ディアロがマテウス・クーニャにつなぎ、ロメロを抜いた10番が右からシュートを放つと、カバーしたパペ・マタル・サールが足に当てて難を逃れました。32分、左からのドルグのクロスをエンベウモが打てず、クリアを拾ったマズラウィがマテウス・クーニャに預けると、ボックス右のアマドにパスが通りました。

トラップして中央を見た16番が、意表を突くノーステップのクロスをフィード。ペドロ・ポロの外にいたエンベウモのヘッドがニアポスト際に決まり、マンチェスター・ユナイテッドが1年10ヵ月ぶりにリードしました。スパーズが苦戦した理由のひとつは、中盤と最終ラインの間で何度もフリーになっていたシャビ・シモンズをうまく使えなかったことでしょう。

前半終了間際にスパーズが再三仕掛けた右からのアタックは、クロスが精度を欠いてフィニッシュにつながらず、0-1のままでハーフタイムを迎えました。ポゼッションは54%対46%、シュートは3対3、オンターゲットはアウェイチームの先制ゴールのみ。トーマス・フランク監督は、機能していなかったコロ・ムアニを諦め、後半のピッチにオドベールを送り出しています。

スパーズの猛攻が続いた54分、左サイドのオドベールがゴールに向かうボールを入れると、ニアに残っていたロメロが右足アウトでボレー。決定的な一撃でしたが、右に飛んだラメンスがビッグセーブでリードを守りました。好調の守護神は、56分のジェド・スペンスの放り込みからクリアを叩いたジョアン・パリ―ニャのボレーも、素晴らしい反応で左に弾き出しています。

アモリム監督は、58分にマズラウィに代えてシェシュコを投入。67分にペドロ・ポロがウドジェに後を譲り、ジェド・スペンスが右にまわっています。70分、自陣からアマド・ディアロが前線にロングフィード。ヴィカーリオの前に出たブルーノが胸トラップから浮かしたフィニッシュは、右に逸れていきました。ここまでは、うまくいっていたといえるでしょう。

72分、右のハムストリングを痛めたマグワイアとともに、マテウス・クーニャとカゼミーロもアウト。代わって入ったのはレニー・ヨロ、ウガルテ、メイソン・マウントです。スパーズが一気に逆転したのは、79分にベンタンクールとマティス・テルが入り、ドルグがダロトに代わってからでした。84分に左からグラウンダーを通したのは、オドベールのパスを受けたウドジェです。

デ・リストを背負ってトラップしたマティス・テルが、左足の絶妙なタッチで振り向き、CBが出した足をかいくぐるフィニッシュをラメンスの右に決めました。激痛のアクシデントが発生したのは86分。ラメンスのフィードがシェシュコに出ると、頭で送ったボールをメイソン・マウントがリターン。ストライカーは、GKと1対1になろうとしていました。

右足で打とうとした瞬間、ファン・デ・フェンが足を出してコースをカット。ボールはヴィカーリオの懐に収まり、スコアは1-1のままです。プレイが再開すると、シェシュコがゴール前に座り込んでいます。CBと交錯したとき、左膝に負荷がかかったのでしょうか。シュートゼロだったストライカーはプレー続行不可能で、マン・ユナイテッドは10人になってしまいました。

91分の右からのCKをウガルテがクリアすると、ボックスの外にいたオドベールが右足でコントロールショット。そのままいけば右ポストの外だった軌道は、リシャルリソンが頭で触ってからサイドネットに向きを変えました。2-1、アウェイで10人、残りは5分。絶望的な状況です。ピッチサイドで戦況を見守っていたアモリムがベンチに下がったのを見て、思わず目をつぶりました。

96分のCKは、おそらくラストチャンス。ラメンスがゴール前に上がってきています。ブルーノ・フェルナンデスが蹴ったのは、タイムアップの45秒前でした。ファーに上がったボールを頭で合わせたのは、ブレナン・ジョンソンの視界から消えたデ・リフト。マティス・テルのシュートを防げなかったCBが、責任を取るかのような1発でスパーズ戦の連敗を4で止めてくれました。

もしかすると、72分の交代策が裏目に出たのか。実は今季のマンチェスター・ユナイテッドは、カゼミーロがいるかいないかで戦績が変わっています。11節までの数字を集計すると、カゼミーロがいた625分は13ゴール5失点。不在の375分は6ゴール13失点です。今季は敵陣でのボール奪取の比率が高まっており、90分あたりのロングフィード成功3.6本はリーグ6位です。

スパーズ戦は、カゼミーロがいた72分とウガルテに託した18分で、打たれたシュートは5本ずつでした。前線で戦えてなかったマテウス・クーニャをメイソン・マウントは納得ですが、ワイドな展開とセットピースからのヘッダーを期待できるベテランMFは、最後まで残しておいたほうがよかったのかもしれません。

とはいえ、シュート5本でオンターゲットは決まった2本だけというスタッツは、勝者にふさわしいとはいえません。ラメンスのビッグセーブとエンベウモ&デ・リフトのゴールを称えつつ、ドローという結末を静かに受け入れ、エヴァートン、クリスタル・パレス、ウェストハム、ウルヴスの連破を期待することとしましょう。4位に1ポイント差の8位は、悪くないポジションです。


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