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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Wolves】トレヴォ・チャロバーとガルナチョ…それぞれのゴールセレブレーションに感動。

マンチェスター・ユナイテッドのサポーターのなかには、彼の活躍を見ると苛立つ人と、胸が熱くなる人が混在しているのではないでしょうか。八方美人で節操がない私は、後者です。ウルヴス戦で左ウイングとして先発したアレハンドロ・ガルナチョの2アシストを見て、「よかったね」とつぶやいてしまいました。

スタンフォード・ブリッジに最下位のチームを迎えた一戦の興味は、勝ち負けではなく「誰が決めるか」「いくつ決めるか」だったはずです。9月末のブライトン戦を落とした後、公式戦6勝1分1敗と巻き返したチームは8試合すべてで先制しており、ハーフタイムをノーゴールで迎えたのはノッティンガム・フォレスト戦だけでした。

ポゼッション72%でシュート数11対0と圧倒しながらも、0-0だった前半は大苦戦というべきでしょう。開始3分に、ボックスの左脇から直接狙ったエンソ・フェルナンデスのFKは、サム・ジョンストンがセーブ。1分後、カイセドのボール奪取からのショートカウンターは、エンソ・フェルナンデスがラインの裏に落とした絶妙な浮き球でガルナチョがGKと1対1になりました。

ダイレクトのハーフボレーは、コースを読んだ守護神がビッグセーブ。7分にマロ・グストがボックス右から折り返すと、ジョアン・ペドロが頭で後ろに逸らし、ククレジャの強烈なダイレクトショットがゴールの右に向かいました。そのまま枠に飛んでいれば、決まっていたかもしれませんが、エンソ・フェルナンデスは咄嗟のジャッジでいけると思い、頭を突き出したのでしょう。

サム・ジョンストンの逆を突いたヘッドは、左ポストの外。10分にエンソ・フェルナンデスのパスをボックス右で受けたリアム・デラップは、中に持って打った左足のシュートをアンドレのスライディングに阻まれています。21分にガルナチョが左足でクロスを入れると、GKのパンチがエンソ・フェルナンデスの足元へ。直接叩いたボレーは、GKがバーの上に弾き出しました。

序盤のチャンスを活かせなかったチェルシーは、縦のボールを狙うのが効果的と心得たウルヴスの守備陣を崩せなくなり、サイドでガルナチョやマロ・グストが孤立するシーンが増えてきました。ガルナチョが左から仕掛けた44分、グラウンダーをもらったエンソ・フェルナンデスのダイレクトショットはクレイチーが足に当て、フォローしたジョアン・ペドロは左に外しました。

マレスカ監督には、相手の守備の綻びが見えていたのでしょうか。後半の立ち上がりから、ガルナチョが早いタイミングでクロスを入れ始めたのが目を引きました。49分に右足で浮かしたクロスは、ファーでフリーのペドロ・ネトに届かなかったのですが、51分のボールは空いていたマロ・グストにぴったりでした。至近距離から足元に叩きつけられたら、GKはノーチャンスです。

最終ラインのマークのずれを突いた先制ゴールで、勝利に近づいたチェルシーは、反撃を封じながら追加点を狙っています。圧巻だったのは、エンソ・フェルナンデス。美しいフィードで前線を動かしながら、自らもゴール前に飛び出し、きわどいチャンスを創っています。63分にはガルナチョの縦パスでボックス左を突破し、右足アウトでニアにラストパスを入れました。

リアム・デラップが決めて勝負ありかと腰が浮いたシーンは、クレイチーがスライディングでクリア。デラップはここでアウトとなり、代わって入ったエステヴァン・ウィリアンがすぐに2点めを生み出しました。カイセドからパスを受けてボックス右で2人をかわし、グラウンダーを入れると、クレイチーに当たってコースが変わったボールがジョアン・ペドロの足元に届きました。

フリーで放った右足の一撃が、ど真ん中に突き刺さって2-0。ゴールセレブレーションを見て、思わず感動してしまいました。全員に声をかけ、円陣を組むように促したのはトレヴォ・チャロバー。2024年の夏に放出候補となり、ファーストチームのトレーニングから締め出されたCBは、マレスカ監督の下で力を発揮し、今や最終ラインの軸となっています。

トッド・ベーリーとクリアレイク・キャピタルがクラブを買収してから、3年半になろうとしています。大量補強で選手がロッカールームからはみ出てしまったカオスの季節や、前線のフルモデルチェンジを経て、いいチームになりました。今のメンバーなら、PKキッカーを巡ってピッチで口論が繰り広げられることはないでしょう。3点めのセレブレーションも、胸が熱くなりました。

73分に左サイドを突破し、完璧なグラウンダーを通したのはガルナチョ。右足で押し込んだペドロ・ネトは、殊勲のウインガーを指差して駆け寄ってきました。2人で肩を組んでフェンスに座っているのを見て、ホイルンドとメイヌーの笑顔が脳裏をよぎりました。1年9ヵ月前、赤いシャツを着て並んで座っていた3人は、違うステージでそれぞれのキャリアを積んでいます。

チェルシーが3-0で勝ち、暫定2位に浮上。ポゼッションは64%、シュートは20対3、オンターゲットは8対0で、まさに完勝でした。マロ・グストは2023年1月の入団以来、98試合で初ゴール。ジョアン・ペドロはスパーズ戦に続く連発で、直近の公式戦4試合で2ゴール2アシストのガルナチョはレギュラーに定着しそうな勢いです。

コール・パルマーを欠きながら、直近のプレミアリーグ5試合は4勝1敗。リーグ最強のコンビといっても過言ではないエンソ・フェルナンデスとモイセス・カイセドが元気なら、優勝争いを続けられるでしょう。一体感が高まってきた今季のチームを、ますます好きになりそうです。バーンリー戦の後、いよいよアーセナルとのロンドンダービー。早く観たいですね…!


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