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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Nottingham Forest】アンフィールドで衝撃の完敗!先発と交代策は妥当だったのか?

アンジェ・ポステコグルーの解任を受けて、ノッティンガム・フォレストの監督に就任したショーン・ダイクは、ボーンマスに敗れ、マンチェスター・ユナイテッド戦はドローで、リーズに勝って1勝1分1敗。8戦勝利なしで去った前任者よりはいいスタートといえますが、降格候補同士のシックスポインターを制しただけで、依然として19位という厳しいポジションです。

開幕5連勝から突如崩れてしまい、直近のプレミアリーグで1勝5敗と別なチームになってしまったリヴァプールといえども、アンフィールドでフォレストなら勝てると思っていました。ゴールマウスにアリソンが復帰し、最終ラインはショボスライ、コナテ、ファン・ダイク、ケルケズ。中盤にはフラーフェンベルフとマック・アリスター、カーティス・ジョーンズが揃っています。

最前線のイサクはコンディションが気になりますが、ベンチにエキティケが控えています。左右のウイングはサラーとガクポ。昨季のレベルではないといっても、2人合わせて7ゴール4アシストという数字を残しています。立ち上がりは慎重だったリヴァプール。4分のFKからムリーリョとニコラス・ドミンゲスに連打されるも、5分のサラーの仕掛けでエンジンがかかりました。

8分にガクポが左から突破を図ると、折り返しを足に当てたエリオット・アンダーソンは、こぼれ球を叩いたマック・アリスターの決定的なシュートも頭でブロックしました。リバウンドを取ったショボスライが左に流すと、ケルケズがグラウンダー。フリーだったマック・アリスターがダイレクトで合わせると、ミレンコヴィッチが足を出して難を逃れました。

序盤のレッズのポゼッションは80%を超えており、サイドで勝負できる形を創れています。ファン・ダイクとコナテの脇に引いてビルドアップをサポートするカーティス・ジョーンズが機能しており、ショボスライが中に絞って仕切るシーンが増えそうです。16分にボックス右で2人をかわしたサラーが折り返すと、エンドイェに寄せられたケルケズはうまく打てませんでした。

20分のサラーの絶妙なグラウンダーも、サヴォーナが倒れ込みながらカット。引いていたアウェイチームの久々のアタックは26分で、ムリーリョの左足ミドルはアリソンが左に反応してキャッチしました。ここまではレッズペース。32分にギブス=ホワイトとイゴール・ジェズスが仕掛けたカウンターを敵陣で止めていれば、苦しい展開を強いられることはなかったはずです。

カーティス・ジョーンズとショボスライの連携がうまくいかず、イゴール・ジェズスにキープされ、縦パスをエンドイェと競ったコナテのタッチがゴールラインを越えてしまいました。左からのCKのキッカーはエリオット・アンダーソン。ファン・ダイクのクリアをカットしたムリーリョの左足シュートが、左のサイドネットに突き刺さりました。

アリソンの前に立っていたエンドイェは、動かなかったといっても明らかにオフサイド。マン・シティ戦でファン・ダイクの同点ゴールが取り消されたシーンで、ドンナルンマの視界に入っていたという理由でオフサイドを取られたロバートソンは、ドクと重なっていました。リヴァプールサポーターにしてみれば、あっちがアウトでこっちがセーフは納得いかないでしょう。

とはいえ、0-1となった直後にコナテをかわしたイゴール・ジェズスのゴール取り消しは、ノッティンガム・フォレストのサポーターのほうがモヤモヤするシーンでした。CBのクリアが当たったのは、肩か腕か。「2つのジャッジは、いずれも微妙だった」と認め、両者ともに振り上げた拳を下ろすしかないということでしょうか。

一連のシーンで気になったのは、コナテのプレイです。先制のきっかけとなるCKを与えたCBは、イゴール・ジェズスを止められず、43分にも右サイドでニコラス・ドミンゲスに簡単にかわされてしまいました。ハーフタイムは、何とか0-1。後半開始直後、サヴォーナのクロスが逆サイドに流れ、ニコラス・ドミンゲスのパスがボックス左のネコ・ウィリアムズに通りました。

マック・アリスターの軽いチャージはかわされ、サラーはグラウンダーをカットできず、フリーだったサヴォーナがゴール右にプッシュして0-2。対応が遅れたガクポは、肩を落としています。選手たちは動揺しており、2点は埋められるギャップではなさそうです。アタッカーへの対応のまずさとパスミスが目立っていたコナテは、55分という早い時間にエキティケと代わっています。

カーティス・ジョーンズをSB、フラーフェンベルフはCBというスクランブルを敢行したスロット監督は、イサクとエキティケの2トップを10分ちょっとで諦めました。68分までプレイしたイサクは、引っ張りすぎたというべきでしょう。ボールタッチはわずか15回、パス成功は5本。デュエルは全敗で、シュートは64分の当たり損ねのボレーのみでした。

後を継いだフェデリコ・キエーザは、22分の出場でタッチ24回とシュート3本、デュエル勝率50%という数字を記録しています。同じ時間にケルケズと代わったロバートソンは、致命的な3点めの原因となってしまいました。途中出場のハッチンソンにワンタッチであっさりかわされたのは、カーティス・ジョーンズがエングモワと代わった直後の78分です。

左足のシュートをアリソンが弾くと、こぼれ球を右隅に流し込んだのはギブス=ホワイト。前半のシュートは10対4だったのですが、後半は11対11で、オンターゲット1対5と圧倒されています。コナテ、マック・アリスター、ロバートソン…不振といわれている選手たちが、ミスを犯して失点を重ねたうえに、指揮官の交代策にも疑問が残る一戦でした。

ハーフタイムにイサクを下げ、早い時間にフェデリコ・キエーザを投入していれば、同時開催のホームゲームで0-2から追いついたウェストハム戦のボーンマスのような展開に持ち込めたかもしれません。ベンチでタイムアップを迎えたジョー・ゴメスと遠藤航は、カードを1枚余らせた指揮官の采配を見て、こんな状況でも起用されない理由を考え続けていたのではないでしょうか。

9月27日のクリスタル・パレス戦から、公式戦3勝8敗。昨季のペップは、1勝3分9敗という不振からの脱却に2ヵ月を要しており、ここで立て直せれば3位に食い込めるという前例を残してくれています。気持ちを切り替えてPSV戦を制し、ロンドンスタジアムに向かいましょう。今ならコナテよりジョー・ゴメス、マック・アリスターより遠藤航のほうが機能するのでは…。(アレクサンデル・イサク 写真著作者/Rolandhino1)


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