2025.12.02 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【West Ham×Liverpool】絶賛と酷評は紙一重…ヴィルツとイサクは、貴重な一撃で変わるのか?
最前線はイサク、2列めはショボスライ、ヴィルツ、ガクポ。最初のチャンスは4分で、コナテがクリアしたボールをヴィルツがドリブルで運び、ボックス手前で左のガクポにラストパスを出しました。シュートコースが空いていたのですが、ガクポはスルー。外にいたイサクは、右足のダイレクトショットを打ち上げてしまいました。
夏のマーケットで、ニューカッスルから1億2500万ポンドで移籍したストライカーは、未だプレミアリーグでノーゴール。先発した4試合は全敗です。最初のシュートの後は、サイドを崩そうとするハマーズペース。イサクとガクポは2トップのように、ポジションをスイッチしながらパスを引き出そうとしていますが、中盤からの縦のボールはことごとくカットされています。
ようやく決定機をつかんだのは21分。右サイドのジョー・ゴメスに預けたイサクがゴール前に上がり、クロスはファーのガクポへ。頭で折り返したボールを胸でトラップしたイサクは、左足のバイシクルをアレオラにセーブされました。9番が打つ瞬間、前に出て両手を挙げ、コースを塞いだ守護神をほめるべきでしょう。
この一撃をきっかけに、ポゼッションを取る時間が増えたリヴァプールは、39分にもビッグチャンスを創っています。ラインの裏にロングフィードを入れたのはファン・ダイク。ワン=ビサカはクリアできず、足元に収めたガクポが後ろのヴィルツに落としました。右隅を狙ったシュートは、アレオラがビッグセーブ。彼もまた、今季プレミアリーグでゴールもアシストもゼロです。
前半のシュートは3対5、オンターゲットは0対3。後半が始まって5分を過ぎると、ハマーズがペースを取り戻しました。レッズのアタックが機能しないのは、縦を急ぐドリブルとパスを繰り返しているからでしょう。左サイドのガクポとケルケズは中に斬り込むシーンが多く、右サイドで待っているジョー・ゴメスを走らせるパスはありません。
自陣のジョー・ゴメスから、素晴らしいロングフィードが出たのは59分。右に流れたヴィルツがダイレクトで中に入れたラストパスで決まるかと思いきや、マヴロパノスがイサクの前でクリアしました。直後のロングスローをクリアされたジョー・ゴメスが左サイドでキープし、フォローしたヴィルツに預けると、ボックス左に柔らかいスルーパスが通ります。
ガクポの折り返しがマガッサの股間を抜けてニアへ。右足インサイドで合わせたイサクのフィニッシュは、狭いスペースを抜けて右ポストすれすれに決まりました。今季プレミアリーグ初ゴールは、3試合連続で3失点の完敗と苦しんだチームを奮い立たせる貴重な先制ゴール。スロット監督はこの1発を待っていたかのように、68分にイサクをエキティケに代えています。
「新たなエースが先制し、終了間際にジョー・ゴメスのクロスを受けたガクポがど真ん中に決めて0‐2完勝」。レッズの復活を予感させる表現もできるのですが、イサクのスタッツを見ると愕然とします。ボールタッチはたったの13回で、パス成功は2本のみ。あの一撃がなければ、「前半のビッグチャンスを逃した後、何もできずに交代」とレポートされていたはずです。
酷評と称賛は紙一重。久々の勝利は喜ばしいことですが、チームは未だ課題山積です。レフェリーへの執拗な抗議でルーカス・パケタにレッドカードが出るまで、シュート8本で0-1。88分にボックス手前でこぼれ球に先着したボーウェンが、得意のアングルからのシュートを左に外していなければ、目前にしていた3ポイントを削られていたでしょう。
「モー・サラーを外したら勝てた」といった単純な話ではありません。プレミアリーグで11試合4ゴール2アシストのレフティは、依然としてチームのトップスコアラーで、ゴールとアシストを記録した6試合は5勝1敗です。ヴィルツを右にまわすのがベターなのか、ショボスライの走力とパスワークに頼るのが正解なのか、エース復活で解決するのか。右サイドの課題は、未解決です。
とはいえ、ハマーズをオンターゲットゼロに抑えての勝利で、復調への第一歩はOK。次節はアンフィールドで、サンダーランドと戦います。この試合に勝てば、ポジティブなシナリオを描けそうです。やっと決めたイサクとともに、ヴィルツが数字として残る結果を出せば、勝負強さを取り戻せるかもしれません。スロット監督の起用法と采配に注目しましょう。
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