2025.12.21 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Tottenham×Liverpool】両者ともに激痛の一戦!スパーズはレッド連発、リヴァプールは負傷者続出!
スパーズの指揮官は、3-0で完敗したノッティンガム・フォレスト戦から前線を代えただけです。GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ジェド・スペンス。中盤のセンターはアーチー・グレイとベンタンクール、2列めにクドゥス、シャビ・シモンズ、ベリヴァル、ワントップはコロ・ムアニ。ベンチにはマティス・テルとリシャルリソンが控えています。
対するレッズは、サラーがモロッコに旅立ち、イサクはベンチスタートです。それでも現状のベストメンバーでしょう。GKアリソン、DFブラッドリー、コナテ、ファン・ダイク、ケルケズ、2センターにフラーフェンベルフとカーティス・ジョーンズ、2列めはショボスライ、マック・アリスター、ヴィルツ、最前線はエキティケ。立ち上がりは、イーブンの展開です。
5分に右サイドから仕掛けたのはモハメド・クドゥス。シャビ・シモンズとのパス交換から左足でクロスを入れると、中央でこぼれたボールに先着したコロ・ムアニのシュートは、ブラッドリーがコースに足を出してブロックしました。スパーズの中盤はボールへの寄せが速く、ショボスライやマック・アリスターは縦のパスコースを切られています。
9分のブラッドリーの浮き球を追ったエキティケは、ロメロに体を入れられて打てず。12分には、左サイドからのショボスライのFKがファン・ダイクに通りました。バックヘッドは、スパーズの守護神が落ち着いてキャッチ。ここから主導権を握ったスパーズは、クドゥスとペドロ・ポロがケルケズのサイドを執拗に攻めますが、レッズの守備陣はクロスを的確にさばいています。
27分のスパーズの速攻が右サイドで減速させられると、カットインしたクドゥスのミドルから波状攻撃が始まりました。コロ・ムアニがシャビ・シモンズに預け、右サイドのペドロ・ポロにボールがまわると、ハイクロスをジェド・スペンスが頭で折り返し、フリーのコロ・ムアニがヘディングで合わせました。決まりかと思いきや、ボールはアリソンの正面です。
突如、VARが発動したのは30分。映像を見ると、シャビ・シモンズがバックパスを出したファン・ダイクのかかとを削っているのは間違いありません。オンフィールドレビューが終わり、レフェリーのジョン・ブルークスのアナウンスに、大音量のブーイング。レッドカードの対象となったチャージは、不要だったといわざるを得ません。
4-4-1になったスパーズに対して、レッズの中盤は悠々とボールをまわしています。フラーフェンベルフの鋭い縦パスが、ボックス左のヴィルツに通ったのは36分。美しいトラップから右隅を狙うと、ヴィカーリオがダイブして外に弾き出しました。直後、ペドロ・ポロの縦のボールを追ったコロ・ムアニがコナテと入れ替わるも、飛び出したアリソンがクリアしています。
追加タイム5分のCKのクリアは、ヴィルツの足元へ。左足のシュートはベンタンクールがブロックしました。前半のポゼッションは37%対63%ですが、シュートは5対4とスパーズが上回っており、オンターゲットは1対2。スロット監督は、負傷したブラッドリーをハーフタイムに下げ、イサクを投入しました。後半開始からしばらくは、レッズが攻め続けるハーフコートマッチです。
左サイドのヴィルツも右のショボスライもパスコースを切られ、ボールをもらっても後ろに戻しています。ジェド・スペンスとクドゥスがカウンターを仕掛けず、スローに落としたのは、セーフティファーストという指示があったからでしょうか。ロメロのパスがマック・アリスターに当たり、拾ったイサクがエキティケに預けたのは56分。ショートカウンターは3対3です。
64分、コナテをかわしたコロ・ムアニが右に流れ、ファーにシュートを放つと、ケルケズの膝に当たって浮いたボールはクロスバーにヒット。66分に右から仕掛けたのは、2ヵ月ぶりのプレミアリーグでハイテンションのフリンポンです。ジェド・スペンスと対峙して縦に勝負し、左足に持ち替えたSBがクロスを上げると、エキティケのヘッドが右のサイドネットを揺らしました。
トーマス・フランク監督が動いたのは71分。ベリヴァルとアーチー・グレイに代えて、オドベールとジョアン・パリ―ニャを投入しました。2点をリードしたレッズはペースを落とし、リスキーなパスを避けています。80分にコロ・ムアニがアウト。83分のCKからの混戦で、ジョアン・パリ―ニャのラストパスを押し込んだのは、入ったばかりのリシャルリソンでした。
スパーズの9番は、86分にもカーティス・ジョーンズからボールを奪い、3人に囲まれながら中央を突破。左足のシュートがコナテに当たると、サポーターたちの歓声のボリュームが一段上がりました。スロット監督は、口から出血したフリンポンをフェデリコ・キエーザにチェンジ。テンションが上がり過ぎたと判断したのでしょうか。途中出場の選手の交代が2回は珍事です。
追加タイムは9分。93分にコナテと競った後、肩を蹴ったロメロは2枚めのイエローでアウトです。直後のペドロ・ポロのFKは、GKの正面。99分にエキティケとヴィルツが下がり、ロバートソンとニョニが入っています。最終盤にペドロ・ポロのシュートとオドベールの危険なクロスを阻んだアリソンも、勝利の立役者のひとりといえるでしょう。
リヴァプールが1-2で勝ったものの、後半のシュートは10対4。10人でセカンドハーフに臨み、終盤はアグレッシブなプレイを見せてくれたスパーズを称えたい気持ちもあるのですが…。ブラッドリー、イサク、マック・アリスター、ケルケズ、フリンポン、コナテの苦痛に耐える顔を思い出すと、複雑な気分になります。レッズサポーターのみなさんは、お怒りでしょう。
イエロー44枚でリーグTOPのスパーズは、ラフなプレイを減らさなければ、同じような負け方を繰り返してしまう可能性があります。試合後のブーイングは、ピッチから追い出された2人のキーマンと、ホームで2勝2分5敗と勝てない指揮官の両方に向いていたはずです。一方、勝ったリヴァプールの収穫は、指揮官の交代策を成功させたイサクと、ドリブルが冴えたヴィルツでしょう。
左サイドに配されたドイツ代表のプレーメイカーは、未だノーゴールが嘘のような美しいコントロールショットと、イサクを活かしたラストパスが印象的でした。エキティケの追加点まではよかったのですが、その後のシュートは9対1で、9分の追加タイムのうちマイボールは30秒。昨シーズンの強さを取り戻すためには、劣勢になった際のマインドを変える必要があります。
年末年始はアンフィールドで、ウルヴスとリーズ。最下位と昇格クラブとのゲームで6ポイントをゲットし、公式戦5連勝となれば、フラム戦とアーセナル戦を自信をもって戦えるでしょう。ブラッドリーとイサクのリタイアは激痛ですが、ガクポ、フェデリコ・キエーザ、フリンポンらにがんばってもらうしかありません。次節は、ヴィルツの初ゴールを期待しましょう。
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