プレミアリーグ2016-17現地観戦記~(2)クリスマスシーズンの平日夜、EFLカップに行ってみた
昨日の第1弾のご好評につき(みなさまコメントありがとうございます。本日まで忙しく、お返事が遅れており申し訳ございません)、
グーナーの特派員が送るプレミアリーグ現地観戦記。第2弾は、グーナーのみなさんなら華麗に忘れたいEFLカップのサウサンプトン戦のレポートですが、できるだけ試合結果には触らず、パブやパイ、お買い物など食べログ的ゆるめレポートとしてお送りさせていただきます。「現地でプレミアリーグの試合を観戦したい!」「エミレーツでアーセナルを応援したい!」「
生ヴェンゲルを観たい!(私は、以前に日本にいらした頃、名古屋駅でお見かけしました。めっちゃ背が高いです)」という方は、ぜひご一読ください。では、どうぞ。
今回の渡英は11月の末。この時期のロンドンは、朝起きたときから夕方のような日差し(というかそもそも日差しがない日も多い)でどうにもガッカリさせられるのですが、そのかわりに夜が美しいのです。繁華街に出れば、通りはイルミネーションで彩られ、広場にクリスマスマーケットが出たりして、歩いているだけでも浮き立った気分になります。
帰国前最後の観戦試合は、そんな季節のナイトゲーム、EFLカップのアーセナル対サウサンプトン。平日夜開催とはいえ、
アーセナルサポ御用達パブ“Tollington”(ちなみにポケストップにもなってます)はいつものように試合前から鈴なりの人。スタジアム前の鉄道高架下では、サンタ帽をかぶって募金活動をしている人もいます。飲食などのホスピタリティ付きで観戦できる
クラブレベルフロアにはツリーも飾られて、そんな高価な席にご縁のない私も、その温かそうな様子をマッチ売りの少女のように見上げては幸せのおすそ分けをいただくのでした。
ところで、カップ戦の試合というのは平日の夜開催が基本。これはチャンピオンズリーグもFAカップも同じです。そしてこの
平日夜開催の試合というのは総じてチケットが取りやすい傾向にあります。数日前のパリ・サンジェルマン戦も、それなりのビッグマッチにもかかわらず、直前になって大量にエクスチェンジ(当日行けないシーズンチケットホルダーがチケットを売り出すシステム)によるチケットが出ていて、願ってもない良席で観戦することができました。
さらにこの日の試合はリーグカップ(今年の名称はEFLカップ)という、チャンピオンズリーグやFAカップと比べると格の落ちるカップ戦。平日夜開催という皆が足を運びにくい条件に加え、出場選手も若手メインになりがちなこともあり、値段もぐっとお手頃です。今回は友人にロウワー(1階席)のチケットを取ってもらいましたが、プレミアリーグのビッグマッチなら60~70ポンドする席が10ポンドと聞いて驚きました。普段はあまり人のいない“COLLECTIONS OFFICE”(チケット引取りカウンター)にも長い列ができているところを見ると、「紙チケットで発券する=メンバーカードを持っていない」人も多いのでしょうか?この日も完売ではありましたが、普段はメンバーで売り切れてしまうのが当たり前のアーセナルで、そういう人にまでチケットが回るとするとかなり余裕があるということになります。
とはいえ、対戦相手はプレミアリーグ勢のサウサンプトン。スターティングメンバーも、フォンテが吉田麻也選手になっている以外は結構真剣に揃えてきて、値段も安くて手に入りやすい割には好カードとなりました。しかしアーセナル側は、
エジルもサンチェスもウォルコットもいない、完全なカップ戦仕様。「EFLカップは若手育成の場」ときっちり線引きしているところにはファンとして好感が持てるものの、勝ちきれるのかという意味では緊張感も高く……悪い予感が当たってしまったのは、みなさんすでにご存じのとおりです。
この日は、例のシャペコエンセの墜落事故(11月28日)後、初めての公式戦でもありました。フットボール好きとして、またひとつのクラブのファンとして、私も心を痛めていたひとりです。それが最も胸に響いたのがこの日の試合の冒頭、入場してくるスターティングメンバーのうち、
ガブリエウがひとりメッセージバナーを持って現れたときでした。後で彼自身が語った言葉によれば、若い頃に所属したヴィトーリアでカイオ・ジュニオール監督に指導を受けていて、今回亡くなった選手の中には友人もいたとのこと。そこまでの事実を知らなくても、この日、バナーを手に決然とした表情で現れたブラジル人、ガブリエウの姿には、
彼を愛するすべてのサポーターが心を打たれたことでしょう。他の国、他のチームであっても、必ずどこかで愛するチーム、選手とつながっていて、決して他人事ではないのを身をもって感じました。
そんな我らがガブちゃんですが、この日のポジションは直前のボーンマス戦とは違って本職のCB。よく集中していたとは思いますが、やはり、ドンと構えてフォローしてくれるコシールニーやモンレアル抜きでは厳しかったか。この日の最終ラインに入ったホールディングは、ファンの間では「チェンバースよりは」と評価する人も多い期待の若手ですが、もうひとりの先発、ジェンキンソンはそろそろ若手とも言い難い年齢にさしかかっているところ。本人が熱狂的なグーナーであることからファンにも非常に人気があるのですが、ここらで本当に頑張ってもらいたいところです。さらには「前半枠内シュートゼロ」という攻撃の弱さも最近のアーセナルあるある。一方のセインツは、吉田麻也選手が大張り切りだったこともあり、「本気度が違ったな」という印象でした。
そんな中、試合が終わるまで一人気を吐いていたのが、後半途中で入ったチェンバレンです。私の目の前のコーナーで彼がCKを蹴っていたのですが、終盤、CKになるたびに猛ダッシュで駆けつけ、果敢に走り続けていました。
フレッシュな自分が何とかするんだという強い意識とともに、前半で2点差をつけられ「まあこんなもんかな」というムードに陥っている(ように見えた)チームへのいら立ちを感じさせた彼。フルタイムの笛が鳴ると、つけていた手袋を外して地面に叩きつけるように投げ捨てた姿には、気迫と頼もしさを感じました。テレビで見ていると、ときにボールを追う真剣さが足りないともいわれがちなチェンバレンですが、
きっと大丈夫。これからまた、素晴らしいプレイをたくさん見せてくれることでしょう。
最後に、この日のエミレーツスタジアムでのお買い物ネタを二つ。実は今回、友人から
「最近スタジアムのパイが美味しくなっている」という話を聞き、ぜひとも売店のパイを買おうと狙っていたのです。試合前に買いそびれてしまったので、ハーフタイム、前半終了の笛を待たず、早めに売店の列に並んだのですが、混んでいたとはいえ、カウンターにたどり着いたのは後半も15分を過ぎた頃。しかも「ホットフードは売り切れた」というではありませんか!隣にいたお姉さんは
「私はハーフタイム前から30分も並んでいた。なぜこうなる?」と猛抗議していましたが、気持ちわかる……せめて売り切れた時点で表示くらいはできないものでしょうか。というわけでみなさんには、エミレーツで温かい食べ物を買う場合は、ハーフタイムではなく試合前に買うことを強くお勧めいたします。
もう一つのお買い物ネタは試合後のオフィシャルショップのこと。スタジアム正面(駅でいうとホロウェイロード側)の
オフィシャルショップ“The Armoury”は、通常18時までの営業ですがマッチデーはその限りではありません。正確な閉店時間は確認していませんが、おそらくは試合後、それほど急がずに出てきても問題なく買い物ができる模様。試合に負け、パイも買えず、しょんぼり出てきた私ですが、クリスマスムードあふれる“The Armoury”の店内で
(ガナザウルスの生首ディスプレイはちょっと怖いけど)、スタッフのお兄さんお姉さんに優しくしてもらいながら、事前に目をつけておいたマグカップを手に入れて、ちょっとだけ明るい気持ちで帰途についたのでした。
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フットボール愛が溢れるレポートありがとうございます
ヴェンゲルさんの永年の相棒で、グランパスの暫定監督を務めたボロさんは、最近テレビ画像で見かけません。
綺麗な写真ですね。輝く太陽がない分、夜のイルミネーションやスポットライトが引き立つのでしょうか。
期待値は高いのに、そろそろ値札がちらついているチェンバレンのハングリーさは嬉しいです。かなり、好きな選手の一人なので。ポケモンのように二段階くらい進化して欲しいものです。
年末の躓き古豪の風物詩・・・とならないように、次に期待!
更新ご苦労様です。
クリスマスツリー綺麗ですね。食べ物が売れ切れているのに表示しないのはちょっと酷ですよね、、、。ガブリエルの行動には他サポである私もリスペクトしました。本当にこの件は心が痛みました、、、。
更新ありがとうございますっ!
こういうブログを読むと日々働いていて、いつかは僕もエミレーツへという夢がわきます!
チェンバレンが1人気を吐いていたと言うことで怪我をしてしまいましたがこれからも頑張って欲しいです。
たまにで構わないのですが、サンチェスやエジルの契約など熱きガナーさんの記事も見て見たいです!
ありがとうございました!
ジウベルトさん>
グランパス時代、懐かしいです。もう20年以上も経ってしまったのですね。
だしまるさん>
いいときのチェンバレンにはテンション上がりますよね。ケガが減ればいいのですが。
Mackiさん>
ありがとうございます!と、とくはいんが申しております。
エジルのパスさん>
なるほど。グーナーの偏愛的アーセナル応援録もいいかもしれません。考えます。