ロンドン滞在中のグーナーがレポート!2018-19シーズン現地観戦記~アーセナルVSチェルシー
今回の渡英では、プレミアリーグ23節のチェルシー戦(1月19日)、FAカップのマンチェスター・ユナイテッド戦(1月25日)、プレミアリーグ24節のカーディフ戦(1月29日)とホーム3連戦を観戦。2週間ロンドンのみの滞在で、これだけまとめてアーセナルの試合が観られるというのも珍しい好日程です。過去数回、必ず何らかの遠征に出ていた(バルセロナとかマドリードとか)筆者としてはむしろ物足りないのと、全部ナイトゲームになってしまったのは難点(きれいな写真が撮れず、夜は超絶寒い!)ですが、コストパフォーマンスは最高。日のある時間が短くとにかく寒い1月は、観光的にはオフシーズンである分飛行機や宿も安く、一方プレミアリーグは絶賛過密日程中ということで、ファンにはお勧めの時期と言えるかもしれません。
とはいえアーセナルVSチェルシーといえばプレミアリーグの中でも屈指の好カード。「そんな試合で簡単にチケットが取れるのか?」という問題ですが、今回のチェルシー戦については、アッパー(上階)席を中心にチケットエクスチェンジ(シーズンチケットホルダーが自分が行けない・行かない試合のチケットを売りに出す仕組み。ただしアーセナルの場合、利用にはレッドメンバーなど有料会員資格が必要)による販売がある程度出ていました。強かった時代には考えられなかったことだと思うと複雑ですが、今ならトライしてみる価値は十分にありそうです。ちなみに筆者は3日前まで粘ってロウワー(1階席)をゲットしました。
そのチェルシー戦、いやいや(アーセナルにとっては)いい試合でした!選手、スタジアムともに最高の雰囲気で、シーズン屈指のナイスゲームに立ち会うことができた幸せを感じています。ノースバンク(テレビ画面の左側)ゴール裏からの観戦だったため、目の前でゴールシーンを見ることはできませんでしたが、前半の緊張感の高い守備は感動モノ。改めてキャプテン・コシェルニーの頼もしさを実感するとともに、おそらく多くのアーセナルサポさんが思ったのと同様に、「ウエストハム戦は何だったのか⁉」と思わずにはいられません。
客観的な試合の詳細はブログ主の記事に譲るとして、今回は、アーセナルの各選手について気づいたことを中心に語ってみたいと思います。
エメリ体制での初の現地観戦でやっぱり気になるのは今年の新戦力。まずパパスタソプーロスは、本当によく手を使う…というか接近戦の守備ではほぼ格闘技という印象で、こりゃカードももらうわなと苦笑。揃って先発したトレイラ君、グエンドウジ君の若手2人については、トレイラ君は映像で見る以上に小さくてすばしこく、グエンドウジ君は大柄でストライドが大きいのが目につきました。
そういえばトレイラのチャントに彼の身長に言及した“He is only 5 foot 5”という一節がありますが(5 foot 5とは5フィート5インチ=約165cm)、現地サポさんの話によると「そんなにない!」とのこと。チャントも”5 foot 5″ではなく”5 foot 2″だ、いや”5 foot high”(身長150cm)だと諸説あるようで、少なくとも、“He is 5 foot 4″と歌われたアルシャビンよりは小さいということで間違いないようです。
その他の選手に目を向けると、印象的だったのがコラシナツ。前半は、左サイドにいるコラシナツの背中を見る位置にいたこともあり、左サイドの誰かがボールを持つと即、猛ダッシュする彼の背中を何回も見ました。今季、コラシナツが左サイドの深い位置に走りこんでチャンスを作る様子はアーセナルのお決まりの光景になっていますが、トライの回数はそれ以上。ものすごく意識してやっているのだなと感じます。また上でも少し触れましたがコシェルニーの頼もしさは別格。以前と比べると少し体格がガッチリしたようにも見え、年齢が上がった分円熟味のようなものが感じられて、こういうセンターバック、こういうキャプテンっていいもんだなと改めて思いました。
ラカ・オーバのお調子者ツートップは、それでもプレーは思った以上に献身的。結構な深さまで下がって守備をし、ボールの出し手側としても働いているのがよくわかります(それがアカンのじゃという話もあるけど)。笑っちゃったのが、序盤、左サイドの深い位置にいたオーバメヤンが、ラムジーに向けて縦に出したパスが通らず「マジか!」というような大リアクションをしたとき。とにかく感情表現が大きく、それが相手を責めるようなものではない。彼の明るさには本当に救われる思いがします。
最近、Mundialのロングインタビューで「人生はサッカーだけじゃない」というようなことを言っていたベジェリンも、ピッチの上に立てば熱い男。後半20分ごろだったか、ゴール前で右から出したグラウンダーが相手にカットされたときの悔しがり方はたいそうなもので、プレーが切れたところで場内ビジョンのリプレイを見上げてもう一度悔しがっていたのも印象的でした。あくまでもベジェリン本人のプレーなので、あれは自分に対する怒りだったはず。彼がただのオシャレ番長ではないことは、改めて強調しておきたいと思います。そんなベジェリンだけに、直後のケガは本当に心配かつ残念。担架で運ばれるときにはスタンドからも、「エクトルベレリン、ベレリン、エークトルベレリン」というチャント(昔のナスリのチャントと同じメロディ)が贈られていました。
客席の反応でお伝えしておきたいことのひとつは、エジルについて。今回も、ベンチ入りしたものの出場機会はなく(おそらくベジェリン負傷の影響もあるでしょう)、遠くで見ているとどうしてもヤキモキしてしまいますが、メンバー発表の際、どのスタメン選手よりも大きな歓声を集めていたのがエジルでした。現地のファンは、「彼自身にも問題がある(要はサボっている)」とか「高額な週給が」とかそんなことよりも、純粋に彼に期待し、温かくサポートしているのがよくわかります。私自身、「エメリがエジルに出ていくほうがよいと言った」などというのは全く信じていませんが(そのあたりは今号の『footballista』でも書かせていただきました)、改めて彼については、きっと何かの事情があることと理解し、あまり深読みしすぎることなく期待して待ちたいと思います。
もうひとつ、お知らせしておきたいのがラカゼットが下がるときの客席のブーイング!これは明らかに、「ラカゼットをもっと使ってほしい!」という意思表示ですね。ラカゼット本人がベンチに下げられたことに対して不満をあらわにしていた試合もありましたが、それを支持するような客席の雰囲気で、そこには「エメリ、なんだよー!」という不満もかわいく含まれている感じがしました(ベンゲル末期ほどの険悪な雰囲気はありません)。ちなみに、以前ラカゼットが下がりラムジーが入るというような交替があったとき、同じようにブーイングが聞こえたことがありますが、これも、チームを出るラムジーに向けてのものではなく、ラカゼットを下げることへの反応だったとのことです。
最後に、もうひとりの「ガナーズ」にも触れておかなければなりません。サブメンバーだったジルーがウォームアップに現れると、ウォームアップゾーンに近いメインスタンドとノースバンクの間から、アーセナル時代と変わらず「Na,Na,Na~」というチャントが響きます。そして後半、彼がピッチに入ったときにはスタジアム全体が大歓声の渦に。このときは歓迎のようにもブーイングのようにも聞こえたのですが、試合終了後、アーセナルファンのいるスタンドに挨拶に来たジルーに送られた温かい拍手を思えば、あれはやはり歓迎の声だったのでしょう。彼がどれだけアーセナルファンに愛されていたか、彼の不在をファンがどれだけ惜しんでいるかを強く感じる出来事もまた、この試合のハイライトでした。
ただねジルー君。スタンドのアーセナルサポに向かって胸のクレストをたたくのはちょっと違うと思うのよ!今あなたの胸にあるのはチェルシーのクレストなんだから…(笑)。彼本人は何となくアーセナルへの愛を表明したくてやったジェスチャーなのだとみんながわかっているけれど、ちょっとズッコケずにはいられない。そんなおっちょこちょい加減も含めて、本当に愛おしいジルー。対アーセナルの試合ではお手柔らかに、でも、あなた自身がよりよいフットボール人生を歩めることを、心から祈っています。
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朝から感動(ToT)
引退を発表したチェフについても、何か話題があれば教えて頂けると幸いです!
ラカゼットは交代後に不満そうな顔や態度がベンチでよく見られますので、もっとやらせてやれーってことでしょうね。彼まで出て行かれたら、怒りを通り越して呆れそうです(笑)
ギスギスしたコメントばかり書く自分が恥ずかしくなるような、クラブへの愛情に溢れた素晴らしい記事で、とても温かい気持ちになりました。
ありがとうございます。
選手達は愛されているようで嬉しいですね、雑音に負けず頑張って欲しいです。
エジルはどうなるんでしょうね。
クラブが残すのなら、まだ老け込む歳でもないし、復活を期待します。
輝いてる時は間違いなく一流なんだから。
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↑エジル嫌いなんだろ?w
ラムジー残留して欲しいというために、じゃあエジル出そうって言うんだから筋金入りだよなぁ?w
エジル嫌いってわけじゃないよ、好きでもないけど。
あまりにもムラがあり、たまにしか活躍出来ないのが見ていてモヤモヤするだけ。
こないだのダービーでは、ラムジーがチームの戦力として再確認するのに十分なプレーを見せてくれましたからね。
週給5000万でエジルが謎のお休みをさせてるなら、ラムジーを惜しくなるのは当然でしょ?
実際、今季の成績から言っても、ラムジーは出すには惜しいです。