イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

値上げ続出!激高ノースロンドン!プレミアリーグ全20クラブののチケット価格一覧

テレビ放映権料で潤うプレミアリーグ。年々収益が増えているのだから、サポーターを大事にということで、チケット代は安くなってもよさそうなものですが、何と!多くのクラブが、大幅な赤字を出してFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)に引っかかるなとばかりに、シーズンチケットの価格をUPさせています。

プレミアリーグ開幕直前ということで、リサーチしたのでしょう。「sporting intelligence」が、昇格組のQPR、レスター、バーンリーを含む全クラブのチケット価格を一覧にしていたので、紹介させていただきます。うーん、なるほど、おもしろいですね、これ!

Lowest pricedとあるのはいちばん安い席の価格、Highestが最高額チケットですが、マンチェスター・シティは、実はシーズンチケットを最も安く手に入れられるクラブだったのですね。年間5万2000円弱なら納得です。強くなったのが最近で、隣町のマンチェスター・ユナイテッドの世界的な知名度の高さに大きく水をあけられているクラブとしては、まずはスタジアムに足を運んでくれるリピーターの拡大が重要。この戦略は正しいのではないでしょうか。

一方で、高いクラブはと見てみると…やはり。相方はグーナーなので、ときどき横でぼやいていますが、アーセナルがダントツで、トッテナムがライバルに負けるなとばかりに後ろについています。エミレーツ・スタジアムは、最も安い席で年間17万円、高いと34万円。トッテナムとともに、「激高ノースロンドン価格」の相場観形成に励んでいるようです。14位より下はサウサンプトンを除いてロンドンのクラブなので、大都会ロンドンなら多少高くても客は足を運ぶ、という「東京って物価高いよね」的なものはあるのでしょうが、それにしてもアーセナルはぶっちぎりです。しかも、よく見ると、トッテナムが値段据え置きなのに対して、ガナーズはインフレ率と同じ3%をちゃっかり値上げ。グーナーが、高い高いと怒るのは当然ですね。

ところで、イギリスの地方経済は厳しいのでしょうか。ロンドンの強気とは裏腹に、数少ない値下げ断行組が、イングランド最北端のタイン・ウェアコンビです。サンダーランドは安い席を6%引き。ニューカッスルは高い席を1%引き。サンダーランドの本拠地スタジアム・オブ・ライトは、昨季の座席稼働率が82%とプレミアリーグで最悪だったので、値下げは観客数増加施策だと思われますが、ニューカッスルのセント・ジェームズ・パークは96%で、順位でいえばちょうど真ん中ぐらい。こちらは微調整というところなのでしょうが、むやみに上げない姿勢には好感が持てます。

さらに、もうひとつ目を引くのは、プレミアリーグ今季昇格組のバーンリー、QPRと、昨季昇格組のハル・シティ、クリスタルパレスの激しい値上げ。安い席の値上げ率ナンバーワンはバーンリーで47%。高い席のほうがQPRで38%。ハル・シティは全体的に25%程度の値上げ、クリスタル・パレスは10%強のUPと、最近までチャンピオンシップにいたクラブが、プレミアリーグ価格へのシフトを図っています。

昇格組は、「ここで上げなかったらいつ上げる?」という、書き入れ時モードなのでしょう。「プレミアリーグに上がって、何かと金もかかるわけだから、俺らサポーターも支援しないと…」という熱狂的ファンの気前のよさに甘えられるのは、このタイミングしかありません。「ルーニーやテリーを生で観られるのだから、価値が上がるんです」「選手獲得にお金がかかるのですみません」といったエクスキュースもあり、彼らは今季が勝負です。そのなかでも、おもしろいのはバーンリーで、「2015-16シーズンも続けてシーズンチケットを買えば、今季分から100ポンド(約1.7万円)を繰り越せる」というお得なシステムがあるようです。一見、しっかり応援してくれるサポーターに優しい仕組みですが、うがった見方をすれば、「来季、降格しても安くなるから見捨てないで観にきてね」といっているようでもあります。中堅以下のクラブは、プレミアリーグ降格を喰らった時の受け身の取り方まで考えておかないと、一気に3部・4部と転落してしまったりするのです。

…それにしても、マンチェスター・シティにホームでさんざんボコられる姿を目の当たりにしたにも関わらず、黙って30万円からのチケットを購入するグーナーは素晴らしいです。ヴァンゲル監督、そろそろ彼らに振る舞いましょうか。プレミアリーグ優勝という、極上の美酒を!

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